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鳥取家庭裁判所 昭和30年(家イ)54号 審判 1955年7月28日

申立人 川田一枝(仮名)

相手方 村山勝造(仮名)

主文

申立人と相手方と内縁関係を解消する。

相手方は、右内縁関係の解消に伴い、申立人に対して別紙目録記載の物件の引渡をせよ。

申立人は、右内縁関係の解消に伴い、相手方に対して金一万五千円の支払をせよ。

理由

申立人は、主文第一、二項と同じ趣旨の調停を求めたが、相手方がこれに応じないために調停が成立しなかつた。もつとも、双方の述べたところを綜合して認められる事実に基いて考えてみると、双方は、昭和二九年○○月○日結婚式を挙げたのであるが、昭和三○年○月○日以来申立人が実家に帰つてしまつて今ではもう全く復縁の意思を有しない以上、申立人と相手方と内縁関係を解消するのはやむを得ない。

そおいうことになれば、相手方において申立人の復縁を期待して保管している申立人所有の別紙目録記載の物件は、もはや相手方が保管する理由がないから、申立人に返還しなければならない。

それから、また、申立人がいうように相手方は、農業の傍ら木馬挽をしている関係で酒を飮むことは割に多いけれども、それだけのことで今から将来の見込のない者とは思われず、しかも他に申立人が一方的に内縁関係を解消するについて正当な事由にあたる格別の事情も認められないし、それに、結婚後僅か三ヶ月足らずのことで実質的にはまだ婚姻の成立を認め得る程度に達していないから、申立人において、相手方から交付を受けた結納金に相当する金一〇、〇〇〇円と相手方が右のような内縁関係の解消によつて蒙つた損害の賠償として少くとも挙式費用の一部に相当する金五、〇〇〇円合計一万五千円の支払をするのが相当である。

そこで、調停委員石○○直、調停委員井○○○子の意見を聴いた上、家事審判法第二四条の規定に従つて主文の通り審判する。

(家事審判官 浜田治)

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