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高知地方裁判所 昭和59年(行ウ)2号 判決 1986年2月20日

原告

有限会社岡村組

右代表者代表取締役

岡村直繁

右訴訟代理人弁護士

大坪憲三

石川雅康

被告

高知労働基準局長木村周

右指定代理人

武田正彦

西浦久子

伊藤賢一

川西克憲

津川進

山本孝男

正木潤

水谷豊

小島祥丘

杉山隆敏

岡崎正一

下村柳亀

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

(当事者の申立て)

一  原告

1  被告が、昭和五七年六月三〇日付け労働者災害補償保険法二五条の規定に基づく費用徴収の決定通知書をもってした、被災労働者細川重昭の死亡事故につき遺族に給付した補償年金一七万二一七五円のうち五万一六五二円を原告から徴収する旨の決定は、これを取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主文と同旨。

(当事者の主張)

一  原告の請求原因

1  昭和五六年七月二七日、原告が林野庁(本山営林署)から請け負って施工していた高知県長岡郡本山町坂瀬の坂瀬林道新設工事(以下「本件工事」という。)の現場において、原告の作業員細川重昭(以下「亡細川」という。)が、約八〇メートル下方の谷底に墜落し、その結果、同月三一日死亡するに至り、これについて労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)の規定による遺族補償年金等の保険給付がなされたところ、被告は、昭和五七年六月三〇日付けの、同法二五条の規定に基づく費用徴収の決定通知書をもって、右保険給付に要した費用に相当する金額のうち一七万二一七五円の三〇パーセントに相当する五万一六五二円を事業主である原告から徴収する旨の決定(以下「本件処分」という。)をした。

本件処分の理由は、右墜落事故(以下「本件事故」という。)は亡細川が林道の谷側に設けられた擁壁の型枠を取り外す作業を行っていた際に発生したものであり、事業主である原告は、右の取外しが墜落するおそれの極めて高い場所での作業であることから、作業床若しくは防網の設置又は安全帯の着用等、労働安全衛生法(以下「労安法」という。)及び労働安全衛生規則(以下「労安規則という。)所定の措置を講じておくべきであったのに、これを怠っていたものであって、本件事故の発生については原告に重大な過失があり、労災保険法二五条一項二号に該当する、というにある。

2  しかしながら、本件事故の日に原告の現場責任者が亡細川に指図した仕事は、事故現場とは異なる安全な場所における何ら危険のない床掘り作業であって(前記型枠の取外し作業は翌日以降に行う予定であった。)、亡細川は、その床掘り作業に従事しているうち、仕事とは関係のない何らかの用で事故現場に近付き、誤って墜落したものであるから、本件事故につき原告の責に帰すべき事由はない。また、仮に亡細川が自らの判断により事故現場付近で型枠取外し作業を行おうとして墜落したものであるとしても、右現場責任者において、亡細川が型枠取外し作業を行うことを予見することは不可能ないし著しく困難であったというべきであるから、現場責任者に安全管理上の注意義務懈怠はなく、若しあったとしても、極く軽微なものにすぎない。なお、原告は、本件事故の日の翌日以降に予定されていた型枠取外し作業の安全対策として、命綱(安全帯)を準備していたが、他の事業主が同種の作業を行う場合においても、この程度の対策にとどめており、これ以上の対策を講じる費用を請負代金から捻出することが困難であるため、足場を組んで作業床を設置するとか防網を張る等の措置は一般に行われておらず、現に、本件工事の発注者である林野庁も、そのような措置を要件とせず、命綱の使用を前提として見積りをし請負代金を定めている。以上の次第であって、本件事故の発生につき原告に重大な過失があったということはできないから、これがあるとしてなされた本件処分は違法である。

よって、原告は本件処分の取消しを求める。

二  被告の認否

請求原因1の事実は認めるが、同2の主張は争う。

三  被告の主張

1  本件工事は、国有林内の山腹を切り取り或は谷側へ土留めのコンクリート擁壁を設けるなどして、輻員三・六メートル・全長八九〇メートルの林道を新設するものであった。原告の経営全般を担当する代表取締役岡村直繁は、大崎雄實(以下「大崎」という。)を本件工事の現場責任者に選任し、大崎は、亡細川、藤尾昭次郎(以下「藤尾」という。)、高橋袈裟一(以下「高橋」という。)、筒井治長(以下「筒井」という。)、細川盛光ら作業員を指揮して、本件工事を進めていた。本件工事の起点から三八〇メートル付近の測点三七〇地点に切り開かれた林道の谷側の崖には、高さ六メートル・天端の長さ一四メートル・勾配七三度のコンクリート擁壁(以下「本件擁壁」という。)が設置されたが、その設置のための擁壁の内側(地山側)及び外側(谷側)の両面に組み立てられていた木製型枠のうち外側の取外しが未了であったところ、同所は、約八〇メートル下方に谷底があり、しかも、その谷底まで勾配六〇度ないし七〇度の急峻な斜面であるため、墜落のおそれの極めて高い場所であった。

2  本件事故に至る経緯は次のとおりである。

(一) 亡細川は、本件事故当日の始業時から、現場責任者である大崎の指示により、本件工事の起点から三八〇メートル付近の測点三七二地点において、床掘り作業に従事していたが、午前一一時過ぎころ、床掘り部の岩に発破をかけることとなったため、退避し、同僚全員と共に本件擁壁付近に集まった。

(二) 右発破の後には引き続きその後始末が行われることになっていたが、当日は本件擁壁の型枠を取り外す作業も予定されていたことから、大崎は、発破後、高橋にその取外し作業を命じ、高橋は、本件擁壁の外側の型枠を伝ってその最下部に至り、横バタ角(型枠の支持材として横方向に打ちつけられている角材)の上に立って作業を始めた。

(三) 大崎は、右のとおり命じた後、発破の後始末のため、筒井と共に床掘り部に入り、更に、藤尾及び細川盛光も床掘り部に向かう様子であった。

(四) 亡細川は、このような状況を見て、発破の後始末の人手は足りているが型枠の取外しは高橋だけでは無理であると考え、自分もその取外しに従事することとし、高橋が作業している箇所の上方の型枠に至り、横バタ角の上に立って、まず、同所の縦バタ角(型枠の支持材として縦方向に打ちつけられている角材)一本をバールで取り外し、これをまだ林道に居た藤尾に取り上げてもらったが、同人がすぐ床掘り部へ向かったので、高橋に取り上げさせることとして同人を林道に戻らせ、二回目に取り外した縦バタ角を取り上げてもらい、更に三回目の取外しにかかったところ、外れにくかったためバールに強く力を加えたことから、外れたはずみで身体の安定を失い、谷底に墜落した。

(五) 以上の次第であって、本件事故は、亡細川が本件擁壁の型枠を取り外していた際に発生したものである。

3  大崎は、次に掲げる諸事情からして、亡細川が型枠取外し作業を行うことを認識していたものであり、そうでないとしても、これを予見することができたというべきである。

(一) 本件事故当日は、床掘り作業のほか、本件擁壁の外側型枠を取り外す作業も予定されていたものであり、大崎は、前記発破の後、亡細川を含む作業員らの面前で、高橋に対し右取外しを命じている。

(二) 型枠取外し作業は、一人では無理であり、大崎は、高橋のほか三、四名の者を同作業に従事させるべきであると考え、そうすることを予定していた。

(三) 亡細川は、大崎を補佐する立場にあって、日頃から積極的に仕事を進め、特段の指示がなくても型枠を取り外す作業に従事するような人柄であったが、大崎は、そのことをよく知っていた。

(四) 本件事故当日に行われた床掘り作業は、最終段階になっていて、発破の後始末を残すのみであった。

(五) 右床掘りの部分には型枠を組み立てなければならなかったが、その組立ては、本件擁壁から取り外した型枠材を利用して行うことになっていた。

(六) 本件擁壁の内側型枠は、事故前日までに取り外されており、また、その外側型枠は、事故当日の午後から翌日にかけて、現場に残った作業員が自主的に取り外している。

(七) 土木工事現場における一般的な作業形態は、次のとおりであるが、大崎は、土木工事に約一八年間従事し、現場責任者として約一〇年の経験があるから、作業形態を知悉していたと考えられる。

(1) 土木工事現場においては、毎朝、現場責任者が仕事の段取りをし、作業員別の役割を決めることが多いが、工事が進み、一定のパターンの繰返し作業又は前日に引き続いて同種の作業が予定されている場合は、格別の指示がなくても、作業員が各自の判断で作業に就くのが通例である。

(2) 本件工事は、作業員も少ない小規模なもので、本件事故の日には着工後二か月余が経過していたが、このような場合においては、各作業員に対して作業内容をいちいち指示する必要性はなく、特段の指示以外は、大まかな工事予定を告げることによって事実上各人に作業内容を指示したことになる。

(3) 本件工事現場は、擁壁の型枠材料の持込みが少なかったが、このような場合には、一箇所のコンクリートが固まれば、そこに用いていた型枠をばらして、次の擁壁設置箇所で組み立てる方法がとられる。

(4) 床掘りの最終段階において岩が露見したため発破をかけた場合、その後始末には、それほどの人手を必要としない。

(5) 本件事故の日には、発破後とりあえず高橋に型枠取外し作業が命じられたが、発破の後始末をすませた後の昼からは他の作業員らも右作業に従事することになっていたところ、このような場合、仕事に積極的な作業員が、全員による作業に先がけてその作業を行おうと判断することは、十分にあり得ることであり、殊に、本来多人数でやるべき型枠取外しを一人の作業員が行っている場合、経験のある作業員ならば、これに協力して作業しようとすることは、極めて当然のことである。

4  本件事故の発生については、次に述べるとおり、事業主である原告に重大な過失があり、労災保険法二五条一項二号に該当する。

(一) 労災保険法二五条一項二号にいう重大な過失によって事故を発生させたときとは、事業主がわずかな注意をもってすれば、事故の発生することを認識し得たにもかかわらず、そのわずかな注意を欠いたために、これを認識することができず事故を発生させたときをいい、具体的には、法令に危害防止のための直接的かつ具体的な措置が規定されている場合に、事業主が当該規定に明白に違反したため事故を発生させたと認められるときは、重大な過失があるものとして扱われる。

(二) 右の危害防止のための具体的な措置として、労安法二一条二項は「事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所……に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。」と規定し、その具体例として労安規則五一八条一項は「事業者は、高さが二メートル以上の箇所……で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。」とし、同条二項は「事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。」としている。

(三) 本件事故の現場は、前記のとおり、墜落のおそれの極めて高い場所であって、右の規定に該当することが明白であるから、事業者である原告(現場責任者大崎)は、右の規定に従い、作業床又は防網の設置若しくは安全帯の使用等の墜落防止措置を講ずべき義務があったにもかかわらず、これを怠っていた。

(四) 原告は、命綱(安全帯)を準備していたと主張するが、実際には、本件事故の現場から約二〇〇メートル下方の倉庫内にロープのみを用意していただけで、これを着用すらさせていないし、そもそも、ロープのみでは、安全対策として不十分である。

(五) 原告は、林野庁が命綱の使用を前提として本件工事の請負代金の見積りをしたと主張するが、林野庁は、本件工事の請負契約において原告に諸法令の遵守を求めているうえ、本件工事の工事費中にコンクリート擁壁作設に必要な足場等の費用としてコンクリート擁壁足場損料を見込んで積算しており、その内訳は、足場丸太及び足場板の損料、なまし鉄線並びにとび工及び普通作業員の賃金となっている。

(六) なお、原告は、昭和四九年二月一四日に本件事故と酷似する墜落死亡事故を惹起し、同五〇年一〇月七日にもドーザーショベルが転落し運転手が死亡するという事故を引き起こしているので、本件工事については、より一層の注意をはらい、危害防止義務を尽すべきであった。

四  原告の認否反論

1  被告の主張のうち、1は認め、その余は争う。

2  仮に亡細川が独自の判断で本件擁壁の型枠を取り外す作業に従事していたとすれば、現場責任者大崎には、亡細川が所定の作業場所を離れたことに注意をはらわず或は同人が型枠取外しに際し命綱を使用しているかどうかを確認しなかったという過失があるかもしれないが、これは単純過失であり、決して重大な過失といえるものではない。この点についての被告の主張は、事業者に法令の違反があり、労働者が死傷すれば、常に事業者に重大な過失があるということに帰するが、労災保険法二五条一項二号にいう重大な過失は、不法行為法上の重過失、例えば、失火責任や国家賠償法上の公務員の求償義務におけるそれと軌を一にし、要するに、保険給付に要した費用をいかなる場合に償還させるのが正義に叶うかという観点から考えるべきものであるから、故意に近いような著しく非常識な任務の懈怠を意味するというべく、通常の場合にありがちな前記のごとき大崎の過失は含まれないと考えるのが相当である。

(証拠関係)

本件記録中の書証目録・証人等目録に記載されたとおりであるからこれを引用する。

理由

一  請求原因1の事実は当事者間に争いがない。

二  そこで、本件処分に原告主張の違法が存するか否かについて判断する。

1  被告の主張1の事実は当事者間に争いがない。

2  (証拠略)によれば、本件事故に至る経緯は、被告の主張2の(一)ないし(四)のとおりであって、本件事故は、亡細川が本件擁壁の型枠を取り外していた際に発生したものであることが認められ、(証拠判断略)、他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。

3(一)  前掲証拠並びに弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められ、(証拠判断略)、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(1) 本件工事は、昭和五六年五月下旬に着手されたもので、本件事故当時には相当に進捗し、主として、谷側へ土留めの擁壁を設置する作業が行われていた。

(2) 右擁壁の設置は、設置を要する箇所の地山に床掘りをして木製の型枠を組み立てたうえ、その型枠内に生コンクリートを流し込み、それが固まれば型枠を取り外し、その型枠材を利用して別の設置を要する箇所の床掘り部に型枠を組み立てる、という手順で行われ、亡細川ら作業員は、床掘り、型枠の組立て及び取外しの各作業を繰り返していた。

(3) 亡細川は、土木工事の経験が豊富で、本件工事につき大崎を補佐する役割を務め、日頃から、積極的に仕事に取り組み、大崎から特段の指示がなくても、他の作業員の就業状況等に留意しながら、率先して仕事を進め、床掘りに従事していても、それが一段落し、その後始末にさほどの人手を必要としないときは、それを他の作業員がやっておれば、自らは型枠の取外しなど次の作業に取りかかり、仕事の能率をあげていたものであって、大崎は、そのことをよく知っていた。

(4) 本件擁壁の内側の型枠は本件事故の前日までに取り外されており、本件事故当日は、本件擁壁付近の測点三七二地点において床掘りをする作業及び本件擁壁の外側型枠を取り外す作業が予定され、段取りとしては、前者を午前中に、後者を午後から行い、取り外した型枠材をもって右床掘りの箇所に型枠を組み立てることになっていた。

(5) 本件事故の日には、始業時から、亡細川、藤尾、筒井、細川盛光は床掘り作業に従事し、高橋は大崎から指示された他の仕事をしていたが、床掘り作業が最終段階に至った午前一一時過ぎころ、床掘り部に岩が露見したため、大崎が発破をかけた。

(6) 右発破の際、作業員全員が退避して本件擁壁付近に集まったが、そのとき、大崎は、高橋が指示された仕事をすませたと言ったので、同人に本件擁壁の外側型枠を取り外すよう命じ、同人は、前記のとおり、取外しにかかった。

(7) 右発破の後始末にはさほどの人手を必要とせず、他方、型枠取外しは一人では困難であったところ、亡細川は、そのことを考慮し、後始末には大崎以下四名の者があたる様子がみられたことから、前記のとおり、型枠の取外しに従事した。

(8) 大崎は、型枠取外しが一人では困難であることを十分知っており、間もなく他の作業員らも取外し作業に従事させるつもりであった。

(二)  右認定の事実を総合して判断すれば、前記発破後に亡細川が型枠取外し作業に従事することは、大崎において、当然予見すべきであり、また、容易に予見できたと考えられる。

4(一)  本件事故の現場が墜落のおそれの極めて高い場所であることは前記のとおりであり、本件擁壁の外側型枠の取外しは正に絶壁に乗りかかってする作業であったところ、このような場合における危険防止のための具体的な措置として、労安法二一条二項、労安規則五一八条に被告主張のとおりの規定があるから、原告(現場責任者大崎)、は、その規定に従い、作業床又は防網の設置若しくは安全帯の使用等の墜落防止措置を講ずべき義務があったのであり、その義務を履行することは、事柄の性質上、安全対策の初歩であり基本であったというべきである。

しかるに、前掲証拠によれば、原告(現場責任者大崎)は、型枠取外しは比較的短時間ですむものであるからそのためにわざわざ作業床又は防網の設置等をするのは無駄であるとして、これを行わず、命綱としてロープを用意していたものの、現場から離れた倉庫に置いたままで、現実には使用していなかったことが認められる(この点につき、原告は、本件工事の注文者である林野庁が命綱の使用を前提として請負代金の見積りをしたと主張するが、(証拠略)によれば、林野庁は、本件工事につき、原告に対し諸法令の遵守を求め、かつ、工事費中にコンクリート擁壁作設に必要な足場等の費用としてコンクリート擁壁足場損料を見込んで積算していることが認められる。)。

また、(証拠略)並びに弁論の全趣旨によれば、原告の施工していた工事の現場では、昭和四九年二月一四日に本件事故と酷似する墜落死亡事故が発生し、同五〇年一〇月七日にもドーザーショベルが転落し運転手が死亡する事故が起ったことが認められるので、原告としては、これらを教訓とし、本件工事については一層の注意をはらい、危害防止義務を尽すべきであったといわなければならない。

そして、本件事故が原告の右義務の不履行に起因していることは、前記の事故状況からして、否定すべくもないというべきである。

(二)  右に検討したところよりすれば、本件事故は、原告が安全対策について基本的な義務を履行しなかった過失により惹起されたもので、その過失は重大であり、労災保険法二五条一項二号に該当すると認めるのが相当である(なお、この点につき、原告は、同業者も原告がした対策程度のことしかしていないと主張するが、そういうことは、本件事故の現場が墜落のおそれの極めて高い場所であることからして、重大な過失という評価に影響を及ぼすものではないというべきである。)。

5  以上のとおりであって、本件処分には原告主張の違法は存しない。

三  よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却すべく、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 山脇正道 裁判官 前田博之 裁判官 田中敦)

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