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青森地方裁判所 昭和50年(行ウ)1号 判決 1976年1月27日

青森県南津軽郡平賀町大字小杉字西出一一-二

原告

山谷清美

同県黒石市西ヶ丘六六

被告

黒石税務署長

野藤定吉

右指定代理人

宮北登

五十嵐徹

鈴木貞冏

奥山倫

行崎勝四郎

佐々木範三

佐藤英夫

水戸丹

山田登

右当事者間の所得税更正処分取消請求事件につき、当裁判所は、昭和五〇年一二月九日終結した口頭弁論に基づき、次のとおり判決する。

主文

本件訴えを却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  請求の趣旨

被告が原告の昭和四七年分所得税につき昭和四八年一〇月二三日付でなした更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

1  本案前の答弁

主文と同旨の判決

2  本案に対する答弁

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告は、昭和四八年二月二四日、昭和四七年分の所得および所得税につき、別紙(一)の申告欄記載のとおり申告した。

2  被告は、昭和四八年一〇月二三日原告の右申告に対し同別紙更正欄記載のとおり更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分をなした。

3  原告は、同年一二月三日被告に対し右各処分に対し異議申立をなしたところ、被告は昭和四九年二月六日同別紙異議決定欄記載のとおり一部取消減額の異議決定をなした。

4  原告は、同年三月七日右異議決定に対し仙台国税不服審判所長に対し審査請求をなしたところ、同所長は同年九月二五日同別紙裁決欄記載のとおり右決定の一部取消減額の裁決をなした。

5  しかし、被告のなした更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分はいずれも理由がなく違法であるからこれの取消を求める。

二  被告の本案前の主張および請求原因に対する認否

1  本案前の主張

出訴期間の徒過

原告の審査請求に対する裁決書謄本は昭和四九年一〇月一〇日原告方へ送達され、同人の長女山谷栄子(昭和二七年一一月一〇日生)が原告を代理して受領した。従って、原告は右送達の時において右裁決の内容を了知しうる状態におかれたということができる。よって、本件訴えは右送達の日の翌日である昭和四九年一〇月一一日から三か月の出訴期間経過後に提起された不適法な訴えであるから却下さるべきである。

2  請求原因に対する認否

請求原因事実は全て認める。

三  抗弁

原告の昭和四七年分の所得は次のとおりである。

1  短期譲渡所得 金二二三万六五七〇円

原告は昭和四七年四月二五日青森地方裁判所弘前支部の任意競売において別紙(二)物件目録記載の物件を金四一四万五〇〇〇円で競落、取得したうえ同年四月二六日該物件を有限会社協同壁材店に金六七〇万円で売り渡した。よって原告は右売買で金二二三万六五七〇円の短期譲渡所得(租税特別措置法三三条参照)を得た(但し、必要経費金三一万八四三〇円)。

2  1以外の所得 金七六万円

内訳 事業所得 金五〇万円

一時所得 金二六万円

よって、被告のなした更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分のうち、所得税五三万二四〇〇円、過少申告加算税二万六六〇〇円を各超えない部分は適法である。

四  本案前の主張に対する反論および抗弁に対する認否

1  本案前の主張に対する反論

本案前の主張欄記載の事実中、裁決書謄本が被告主張の日時頃原告宅へ送達されたことは認めるが、その余の事実は否認する。右裁決書謄本を受領したのは原告の弟の長男山谷勝利(昭和三九年八月三〇日生)であり、未成年者の同人が受領したとしても送達の法的効力は生じない。また山谷栄子は昭和四九年一〇月一〇日当時静岡県清水市に出稼中で不在であるから同人が右裁決書謄本を受領する筈はない。なお、原告が右裁決書謄本を受領したのは同年一二月一三日である。

2  抗弁に対する認否

全て否認する。

第三証拠関係

一  原告

1  甲第一・第二号証

2  乙第一ないし第一〇号証、第一二ないし第一六号証の成立は認める。その余の乙号各証の成立は知らない。

二  被告

1  乙第一ないし第一九号証

2  甲第一・第二号証の成立は認める。

三  職権

原告本人(第一・二回)

理由

一  被告の本案前の主張について

1  本件裁決書の謄本(以下、本件裁決書という。)が昭和四九年一〇月一〇日原告方に送達されたことは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第二号証、乙第一・第二号証、第一〇・第一一号証によると、同日原告と同居している同人の長女山谷栄子(昭和二七年一一月一〇日生)が原告の代人として本件裁決書を受領したことを認めることができる。右認定に反する原告本人の供述(第一回)は容易に措信できず他に右認定を左右するに足る証拠はない。

2  右のように、本件裁決書の謄本が原告の同居者であって事理を弁識するに足る知能を具えていると解される原告の長女栄子に交付されたのであるから原告に対する送達として有効であり、原告は同日本件裁決のなされたことを了知し得たことになる。

3  本件訴えが昭和五〇年一月二九日提起されたことは記録上明らかである。

二  以上述べたところから明らかなように、本件訴えは裁決のあったことを知った日から三か月以内との法定の出訴期間を経過した後に提起されたものであるから、不適法なものとしてこれを却下すべく、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官  原孟 裁判官 中野久利 裁判官 石田敏明)

(一)課税経過表

<省略>

(二)物件目録

一 弘前市大字取上字沢田一一番二 (宅地)

一 同番七ないし九 (各宅地)

一 同所一二番七所在 (家屋・家屋番号二番の六)

一 同所一一番二所在 (家屋・家屋番号一一番の二)

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