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福岡高等裁判所那覇支部 平成元年(ネ)104号 判決 1990年5月15日

主文

本件控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  申立て

1  控訴人ら

(一)  原判決中、控訴人らの敗訴部分を取り消す。

(二)  被控訴人は控訴人らに対し、それぞれ金五二三万八〇九五円及びこれに対する平成元年三月二四日から各支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

(三)  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

(四)  仮執行宣言

2  被控訴人

主文同旨

二  主張及び証拠

当事者双方の主張及び証拠の関係は、次のとおり付加するほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、ここにこれを引用する。

1  控訴人ら

保険契約者英司死亡の当時、生存する本件死亡保険金受取人タキの第一順位の相続人は控訴人ら三名だけであって、同人らが右保険金受取人の地位を均等割合で原始取得したものであり、すでに死亡した英司は含まれないから、同人の相続人らが控訴人らと共に右保険金受取人の地位を取得することはあり得ない。

2  被控訴人

右主張は争う。

理由

当裁判所も、控訴人らの本訴各請求は、それぞれ金一四二万八五七一円及びこれに対する平成元年三月二四日から各支払ずみまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があるから、右の限度においていずれもこれを認容し、その余は失当としていずれもこれを棄却すべきものと判断する。その理由は次のとおり付加するほかは原判決理由説示と同一であるから、ここにこれを引用する。

控訴人らは、本件死亡保険金の受取人は控訴人ら三名だけであり、英司の相続人らが控訴人らと共に本件死亡保険金受取人の地位を取得することはあり得ない旨主張する。

しかしながら、商法六七六条二項の「保険金額を受取るべき者の相続人」とは、保険金受取人の相続人または順次の相続人であって、保険契約者の死亡当時に生存する者と解すべきである。したがって、保険契約者たる英司の死亡当時に生存していた同人の相続人らも控訴人らと共に本件死亡保険金受取人の地位を均等割合で原始的に取得したと解するのが相当であるから、控訴人らの右主張は採用できない。

よって、原判決は相当であって、本件各控訴はいずれも理由がないから、民事訴訟法三八四条一項によりこれを棄却し、控訴費用の負担につき同法九五条、八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。

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