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神戸地方裁判所 昭和57年(わ)1128号 判決 1983年5月12日

本店の所在地

兵庫県神崎郡香寺町中仁野一六六番地の七

法人の名称

株式会社 大新建設

代表者の住居

本店の所在地に同じ

代表者の氏名

宮﨑新市

本籍

大分県南海部郡鶴見町大字有明浦八八〇番地

住居

前記代表者の住居に同じ

会社役員

官﨑新市

昭和五年六月五日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官村上秀夫出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社大新建設を罰金七五〇万円に

被告人官﨑新市を懲役八月に各処する。

被告人官﨑新市に対し、この裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人株式会社大新建設は、兵庫県神崎郡香寺町中仁野一六六番地の七に本店を置き、土木工事請負業を営むもの、被告人官﨑新市は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人官﨑は被告法人の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  昭和五四年四月一日から同五五年三月三一日までの事業年度における実際の所得金額が六、一〇二万七〇一円で、これに対する法人税額が二、三三九万三、六〇〇円であるのに、架空の材料費、外注費を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、同五五年五月二三日、兵庫県姫路市北条中道二五〇番地所在所轄姫路税務署において同税務署長に対し、右事業年度の所得が二、五〇八万九、九〇六円で、これに対する法人税額が九〇二万一、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右事業年度の法人税一、四三七万二、四〇〇円を免れ、

第二  同五五年四月一日から同五六年三月三一日までの事業年度における実際の所得金額が九、九八七万七、九九三円で、これに対する法人税額が三、八〇三万六、五〇〇円であるのに、前同様の方法により所得を秘匿した上、同五六年五月一九日、前記姫路税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が六、九八四万六、二二一円で、これに対する法人税額が二六一一万二、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告を提出し、もって、不正の行為により右事業年度の法人税一、一九二万四、〇〇〇円を免れ、

第三  同五六年四月一日から同五七年三月三一日までの事業年度における実際の所得金額が二、三一八万六、二七一円で、これに対する法人税額が八四六万三、〇〇〇円であるのに、前同様の方法により所得を秘匿した上、同五七年五月三一日、前記姫路税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一、三九七万二、一三六円で、これに対する法人税額が四五九万三、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右事業年度の法人税三八六万九、八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

(1)被告人官﨑新市の大蔵事務官に対する質問てん末書八通及び検察官に対する供述調書(判示冒頭部分を含む全事実について―以下「全」と略記する。)

(2)大蔵事務官中谷英適作成の「ほ脱額計算書」三通(請求番号1の分は判示第一、同2は判示第二、同3は判示第三の事実について)、「ほ脱額計算書説明資料」(全)、「査察官調査書」五通(全)

(3)西丸長太、井後広司の検察官に対する各供述調書(全)

(法令の適用)

(一)被告人会社の関係

判示第一につき、昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一五九条、一六四条一項、右改正法附則五条

判示第二、第三につき、法人税法一五九条、一六四条一項

併合罪の処理につき、刑法四五条前段、四八条二項

(二)被告人官﨑新市の関係

判示第一につき、昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一五九条(懲役刑選択)、右改正法附則五条

判示第二、第三につき、法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)併合罪の処理につき、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条

(第二の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予につき、刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 角谷三千夫)

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