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神戸地方裁判所 昭和54年(わ)255号 判決 1979年7月30日

本籍

岡山県津山市国分寺三九一番地

住居

兵庫県芦屋市松ノ内町三番一八号

無職(元弁理士)

江原秀

明治三七年三月三〇日生

罪名

所得税法違反

検察官

石田昌司出席

主文

被告人を懲役五月及び罰金一五〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から一年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪市西区江戸堀一丁目一五番地二六号において、弁理士業務を営んでいたものであるが、所得税を免れようと企て、

第一  昭和五〇年分の実際の所得金額は六、二一四万九、四二二円、これに対する所得税額は二、一八四万六、六〇〇円であるのにかかわらず公表経理上、弁理士業務の収入等の一部を除外し、経費を水増しし、よって得た資金を割引債券等として留保するなどの不正の方法により所得を秘匿した上、同五一年三月一五日、兵庫県芦屋市公光町六番二号所在の芦屋税務署において、同署長に対し、所得金額が一、五〇三万六六〇円、これに対する算出所得税額は四五七万六、九〇〇円であるが、源泉所得税額が七七六万二、二五五円であったため納付税額はなく、還付税額が三一八万五、三五五円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税二、五〇三万一、九〇〇円を免れ、

第二  同五一年分の実際の所得金額は七、四八六万五、九〇二円、これに対する所得税額は二、五四三万三、六〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じた上、同五二年三月一四日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が一、九三七万六、四〇二円、これに対する算出所得税額は六七〇万五、五〇〇円であったため納付税額はなく、還付税額が四八八万八、〇六三円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税三、〇三二万一、六〇〇円を免れ、

第三  同五二年分の実際の所得金額は七、九三〇万二一八円、これに対する所得税額は二、七六四万九、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じた上、同五三年三月一三日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が二、六二二万五、九六〇円、これに対する算出所得税額は一、〇三九万六、六〇〇円であるが、源泉所得税額が一、三九六万五、三三五円であったため納付税額はなく、還付税額が三五六万八、七三五円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税三、一二一万七、七〇〇円を免れ、

たものである。

(証拠の標目)

第一の事実

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲一号の分)

一、大蔵事務官作成の昭和五〇年分所得税確定申告書謄本

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(検甲八号の分)

第二の事実

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲二号の分)

一、大蔵事務官作成の昭和五一年分所得税確定申告書謄本

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(検甲九号の分)

第三の事実

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲三号の分)

一、大蔵事務官作成の昭和五二年分所得税確定申告書謄本

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(検甲一〇号の分)

全事実

一、大蔵事務官作成の証明書

一、国税査察官作成の昭和五四年一月一八日付査察官調査書

一、大蔵事務官作成の昭和五四年一月一〇日付、同五三年一二月二〇日付、同年一二月二一日付、同年一一月二七日付、同五四年一月二〇日付、同年一月一〇日付(二通)査察官調査書

一、河内富夫の大蔵事務官に対する昭和五三年九月四日付、同月一三日付、同年一一月二一日付、同五四年一月一二日付、同月一九日付、同月二〇日付各質問てん末書及び検察官に対する供述調書

一、江原省吾(二通)、矢嶋延克、大島進、宮西弘、永野幸一、高原昭芳及び室溪良二の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、井手本守の大蔵事務官に対する供述書

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和五三年九月四日付、同月八日付、同月二一日付、同年一〇月一八日付、同年一一月一五日付、同月二九日付、同年一二月七日付、同月二一日付、同月二六日付、同五四年一月一〇日付、同月一二日付、同月一三日付及び同月三一日付各質問てん末書及び検察官に対する供述調書

一、被告人の当公判延における供述

(法令の適用)

各所得税二三八条一項(同項後段により懲役と罰金を併科)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(懲役刑につき犯情の最も重い第三の罪の刑に加重)、四八条二項、一八条、二五条一項

(裁判官 荒石利雄)

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