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甲府地方裁判所 平成5年(ヨ)170号 決定 1993年12月27日

債権者

甲株式会社

右代表者代表取締役

丙野太郎

右代理人弁護士

堀内茂夫

深澤一郎

債務者

乙株式会社

右代表者代表取締役

丁野次郎

右代理人弁護士

反田一富

主文

一  債務者は椎茸種菌M―B号を有償で譲渡し、有償で譲渡する旨の申出をし、または有償で譲渡する目的を持って生産してはならない。

二  申立費用は債務者の負担とする。

事実及び理由

第一事案の概要

一本件は、債権者が、債務者が債権者の許諾を得ずに、債権者が種苗法に基づき品種登録を受けた椎茸種菌A号(以下「登録種菌」という。)と同一の椎茸種菌であるM―B号(債務者における商品名、以下「本件種菌」という。)の有償譲渡、有償譲渡申出、有償譲渡目的生産を行っていると主張して、債務者に対し、種苗法一二条の五第三項に基づき、M―B号の有償譲渡、有償譲渡申出、有償譲渡目的生産の禁止を求め、これに対し、債務者が債権者の使用許諾を得た旨主張した事案である。

二債権者が種苗法に基づき本件種菌の品種登録を受けていることは、当事者間に争いがなく、<書証番号略>によれば、債務者が、本件種苗の有償譲渡、有償譲渡申出、有償譲渡目的生産を行っていることが認められる。

そこで、本件の中心的争点は、

1  登録種菌と本件種菌の同一性の有無

2  登録種菌の債権者の使用許諾の有無

である。

第二当裁判所の判断

一争点1について

登録種菌と本件種菌の特性について、<書証番号略>によって対照すると一見異なる特性を有するかのようにうかがわれる点も存在するが、<書証番号略>及び審尋の全趣旨によれば品種登録上の特性の表示と栽培のための種菌の特性のパンフレット上の表示が異なり得ることが一応認められ、これに<書証番号略>及び審尋の全趣旨を総合すると登録種菌と本件種菌とが同一性を有すること有り得ることが一応認められる。

二争点2について

債務者は、債権者が、平成三年二月、債務者に対し、登録種菌の製造販売を許諾した旨主張し、<書証番号略>はこれにそうけれども、許諾の存在を否定する<書証番号略>に照らしてにわかに採用することができない。

従って、右許諾の存在を認めるに足りない。

三よって、債権者の申し立てを相当と認め、債権者に金一〇〇〇万円の担保を立てさせ、主文のとおり決定する。

(裁判官西﨑健児)

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