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東京高等裁判所 昭和41年(ネ)2056号 判決 1968年10月17日

第一銀行

理由

当裁判所は当審における弁論及び証拠調の結果を斟酌し、更に審究した結果、控訴人の本訴請求を失当として棄却すべきものと判断するものであつて、その理由は次に附加するところを除くほかは原判決理由において説示するところと同一であるからこれを引用する。

控訴人は小野庄秉に対して単に不動産業者に本件家屋の売買の周旋方を依頼するよう頼んだだけであり、本件家屋の権利証及び印鑑を同人に渡したのも不動産業者を安心させるためであつて、控訴人と庄秉との間には何等代理関係は存しない旨主張し、当審証人小野庄秉はこれを裏付けるような供述をしているが、右供述は《証拠》と対比してたやすく措信しがたく、他に右主張を認めるに足る証拠は存しないから、右主張は採用することができない。

また控訴人は被控訴人の如き銀行業者が貸付をするに当つて債務者以外の第三者が担保を提供する場合には関係書類を担保提供者本人に示してその意思を確め、かつその者をして連帯保証をさせる商慣習があり、被控訴人がそのような手続をとらなかつたのは過失であると主張するが、右主張のような商慣習の存在を認めるに足りる証拠はなく、却つて当審鑑定人伊達良治の鑑定の結果によれば、そのような商慣習の存在しないことが認められるから、右主張も採用することができない。

よつて民事訴訟法第三百八十四条第一項の規定により控訴人の本件控訴はこれを棄却

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