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東京高等裁判所 平成9年(ネ)1342号 判決 1997年9月30日

控訴人

原浩

原伸一

右両名訴訟代理人弁護士

久連山剛正

被控訴人

今井新一

右訴訟代理人弁護士

野村正勝

主文

一  本件各控訴を棄却する。

二  当審における被控訴人の請求の趣旨の訂正により、原判決主文第一項を次のとおり変更する。

控訴人らは、被控訴人が茅ヶ崎市に対し別紙物件目録一及び二記載の各土地につき公共下水道事業による排水設備及び水洗化設備の新設工事を申請するに当たり、控訴人原浩は同目録一記載の土地につき、控訴人原伸一は同目録二記載の土地につき、それぞれ別紙公共下水道敷設承諾書記載の事項を承諾せよ。

三  控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実及び理由

一  当事者の求める裁判

1  控訴人ら

(一)  原判決を取り消す。

(二)  被控訴人の請求を棄却する。

(三)(1)  主位的請求

被控訴人は、控訴人らに対し、別紙物件目録三記載の建物を収去して、同目録一及び二記載の各土地を明け渡せ。

(2) 予備的請求

被控訴人は、控訴人らに対し、控訴人らから一一八五万一九二〇円の支払を受けるのと引換えに、別紙物件目録三記載の建物を収去して、同目録一及び二記載の各土地を明け渡せ。

(3) 三次的請求

被控訴人は、控訴人らに対し、控訴人らから二三〇一万七五〇〇円の支払を受けるのと引換えに、別紙物件目録三記載の建物を収去して、同目録一及び二記載の各土地を明け渡せ。

(四)  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

2  被控訴人

主文と同旨(なお、当審において、原判決主文第一項に係る請求の趣旨を主文第二項記載のとおり訂正した。)。

二  当事者の主張

当事者双方の主張は、次のとおり付加するほかは、原判決事実摘示記載のとおりであるから、これを引用する。

1  控訴人ら

(一)  控訴人原浩(以下「控訴人浩」という。)は、平成三年一一月三〇日、被控訴人の妻に対し、別紙物件目録一及び二記載の各土地(以下「本件一の土地」及び「本件二の土地」といい、両土地を合わせて「本件土地」という。)の賃貸借契約(以下「本件借地契約」という。)を更新しない旨述べており、その際、控訴人浩宅に配達された被控訴人訴訟代理人の差し出した本件借地契約の更新請求を内容とする内容証明郵便を開封することなく被控訴人の妻に渡しているのであるから、控訴人浩は、被控訴人の本件借地契約の更新の請求に対し、異議を述べ、また、控訴人浩は、控訴人原伸一(以下「控訴人伸一」という。)から、本件借地契約の更新拒絶及び異議の申述について委任を受けていたので、控訴人伸一を代理して、異議を述べたのである。

(二)  正当の事由について

(1) 原政吉(控訴人浩の父、以下「政吉」という。)と今井政雄(被控訴人の養父、以下「政雄」という。)は、昭和一一年一二月二四日、政雄夫婦に子がなかったことから、その存続期間を政雄夫婦一代限りのものとすることとして、本件借地契約を締結し、また、控訴人浩と政雄は、昭和四一年一一月三〇日、別紙物件目録三記載の建物(以下「本件建物」という。)の寿命(社会的経済的効用)を向後二五年とみて、その存続期間を二五年とし、右期間が満了した後はこれを更新しないものとして、本件借地契約を更新したのであって、これらについては、いわゆる特約としての直接的な効力が生じないとしても、更新拒絶の正当の事由を判断する一つの事情として考慮すべきである。

(2) 本件借地契約には増改築禁止の特約がされていないが、昭和一六年法律第五五号による改正前の借地法のもとにおいては、契約当初の建築した建物の存続だけを目的とする借地契約が一般的で、増改築禁止の特約を付する必要がなく、このことは当事者双方が認識していたところであって、控訴人浩は、被控訴人が何回か部分的な増築をしても、借地法七条が適用されて期間が更新されることはないと考えていたのであり、本件借地契約は、昭和九年に建築された本件建物の社会的経済的効用の喪失をもって終了すると考えていた。また、本件建物は、建築後六〇数年を経て著しく老朽化しているのであり、法的概念からいっても、本件建物が八年後に朽廃に至るという事情は、更新拒絶の正当の事由の判断の基礎に据えられるべき重要な事情である。

(3) 控訴人浩は、昭和四一年一一月三〇日に本件借地契約を更新するに当たり、ハツ(被控訴人の養母)の要請を受け、控訴人伸一の結婚年齢を考えて、その存続期間を二〇年から二五年にしたのであり、また、昭和五八年一〇月一日、控訴人伸一に対し、結婚して独立の所帯を持ったときに自宅を建築するため、本件二の土地を贈与した。控訴人伸一は、平成八年一二月二六日、黒沼麻由美と婚姻したが、控訴人浩の自宅は、二世帯住宅用に建築したものではなく、また、長女正美が同居していて、控訴人伸一夫婦が同居することができないので、横浜市港南区に賃料月額六万五〇〇〇円、駐車場料金月額一万五〇〇〇円で民間のアパートを賃借しているのであって、控訴人伸一においては、将に自宅を建築するため自ら土地を使用することが必要なのである。そして、控訴人浩夫婦は老齢であり、特に妻八重子は病弱であって、控訴人伸一夫婦の援助によって控訴人浩夫婦の生活が支えられる日が来ることは目に見えており、双方ともこれを望んでいる。

他方、被控訴人の子三人は、いずれも成人しており、いずれ親許を離れて独立した世帯をもつものと考えられ、被控訴人夫婦の今後の生活ということでは必ずしも本件土地に固執する必要はないはずである。

2  被控訴人

(一)  被控訴人による本件借地契約の更新の請求及びその存続期間の満了日である平成三年一一月三〇日以降の土地の使用の継続に対し、控訴人らが遅滞なく異議を述べた事実はない。また、控訴人浩が控訴人原伸一から本件借地契約の更新拒絶及び異議の申述について委任を受けていたことは知らないし、控訴人浩は、被控訴人に対し控訴人伸一を代理する旨を表示しなかった。

(二)  正当の事由について

(1) 控訴人らの主張する特約は、借地法一一条に違反し無効であるから、かかる特約があるとしても、更新拒絶の正当の事由を判断する事情とはならない。

(2) 控訴人浩において、借地法七条が適用されて期間が更新されることはないと考え、また、本件借地契約が昭和九年に建築された本件建物の社会的経済的効用の喪失をもって終了すると考えていたとしても、かかる控訴人浩の内心の意思は、更新拒絶の正当の事由の判断に何ら影響を及ぼすものではない。

(3) 控訴人らの主張(3)のうち、控訴人伸一が平成八年一二月二六日黒沼麻由美と婚姻し、横浜市港南区に居住していること、控訴人浩の自宅に長女正美が同居していることは認めるが、その余の事実は知らない。控訴人伸一は、本件借地契約があることを承知の上で控訴人浩から本件二の土地の贈与を受けたこと、控訴人浩の自宅の敷地の地積は429.75平方メートルという広大なものであること、控訴人浩は他の土地を第三者に賃貸していること、控訴人伸一夫婦が横浜市港南区に居住したのは本件借地契約があることによるものではないことなどからみて、控訴人らには、自ら本件土地の使用を必要とする事情がない。

(4) 被控訴人が茅ヶ崎市に対し下水道排水管設置工事及び水洗化工事をするについて申請するに当たっては、土地所有者の別紙承諾書の提出が必要とされている。

三  証拠関係は、原審記録の書証目録及び証人等目録並びに当審記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する。

四  当裁判所も、本件借地契約に基づき、茅ヶ崎市に対する排水設備及び水洗化設備の新設工事の申請について承諾を求め、かつ、右工事の妨害禁止を求める被控訴人の請求は理由があり、本件借地契約の終了に基づき、本件建物の収去と本件土地の明渡しを求める控訴人らの請求は理由がないものと判断するが、その理由は、次のとおり敷衍するほかは、原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。

1  当事者間に争いのない事実に、甲第一、第二号証、第三号証の一、二、第四号証の一ないし三、第五号証の一ないし四、第六号証の一ないし五、第八号証、第一〇号証、乙第一ないし第七号証、第九ないし第一二号証、第一三号証の一、二、第一四号証、第一七、第一八号証、第二一、第二二号証、第二三号証の一、二、原審における控訴人原浩及び被控訴人各本人尋問の結果、原審における鑑定の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。

(一)  政吉(控訴人浩の父)は、昭和六年二月一〇日ころ、昭和三三年二月二八日分筆前の神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎字八王子下六二八四番九の土地(以下「分筆前六二八四番九の土地」という。)を売買により取得した。同日分筆前六二八四番九の土地から同番二九、同番三五、同番三六が分筆され、昭和三八年三月三一日同番三五の土地から同番三八が分筆され、昭和五四年一月二三日同番三八の土地から同番五八が分筆され、同年三月二日同番三八の土地から同番五九が分筆されて、本件土地を除く右各土地の現在の登記簿上の表示は、神奈川県茅ヶ崎市幸町六二八四番三五畑一五二平方メートル、同番三六宅地429.75平方メートル、同番三八宅地139.04平方メートル、同番五八宅地12.59平方メートル及び同番五九宅地13.63平方メートルとなっており、その位置関係は、原判決別紙一の図面記載のとおりである。

(二)  政吉は、昭和九年ころ、斎藤西松(昭和一一年五月一五日に氏を渡辺に変更した。以下「斎藤」という。)に対し、分筆前六二八四番九の土地の一部を賃貸し、斎藤は、昭和九年九月ころ、右賃借した土地上に建物(原判決別紙二の間取図のA、B及びAの東側(北側の斜線部分を含む。)にほぼ相当する部分、以下「本件旧建物」という。)を建築した。斎藤は、政吉に対し、本件旧建物の買取りを求め、政吉とその交渉をしたが、値段が折り合わなかったため、昭和一一年一一月二七日ころ、政雄(被控訴人の養父)に対し、本件旧建物を売り渡した。

政雄は、本件旧建物に居住するため、その敷地の所有者である政吉と交渉し、昭和一一年一月二四日ころ、政吉から、本件旧建物の敷地として使用するために、分筆前六二八四番九の土地のうち一〇〇坪を期間の定めなく賃借した(本件借地契約)。右契約につき作成された契約証(乙第四号証)には、借地上の建物について、増改築を禁止するとか、増改築をするに当たっては地主の許可を要するとの約定の記載はなかった。なお、政吉と政雄が、その存続期間を政雄夫婦一代限りのものとすることを前提にして、本件借地契約を締結したかどうかは明らかでない。

政雄とハルは、昭和一二年一一月二〇日に出生した被控訴人を、その生後まもなく養子とした。

(三)  控訴人浩は、昭和三二年ころ、分筆前六二八四番九の土地上に自宅を建築しようと考え、政雄に対し、借地部分の明渡しを求めたが、政雄がこれに応じなかったので、右借地部分の北側に自宅を建築することにした(なお、政雄は、控訴人浩の要望により、控訴人浩の自宅の庭の一部として利用するために現在の本件一の土地に相当する土地のうち北東角の部分約一五坪を控訴人浩に返還した。)。そこで、政吉は、控訴人浩に対し、自宅建築用地として右借地部分の北側の土地を贈与することとし、昭和三三年二月二八日、右(一)のとおり、分筆前六二八四番九の土地から同番二九、同番三五、同番三六を分筆し、同日、控訴人浩に対し、同番三六の土地につき同月二一日贈与を原因とする所有権移転登記手続をした。控訴人浩は、同番三六の土地上に建物を建築し、昭和三七年三月ころ、妻八重子とともに右自宅に転居して、同所に居住するようになり、同年八月一三日には長男控訴人伸一が、昭和四〇年一二月一五日には長女正美が出生した。

政吉は、昭和四〇年一一月二七日死亡して、控訴人浩がこれを相続し、本件土地のほか、神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎字八王子下六二八四番三五、同番三八の各土地について相続を原因とする所有権移転登記を経由した。

(四)  控訴人浩と政雄は、昭和四一年一一月三〇日、本件借地契約を更新したが、その期間について、控訴人浩は、当初二〇年と考え、あらかじめタイプ印刷して用意した契約書用紙にも「満弐拾年」と記載していたが、政雄に代わり交渉に当たった政雄の妻ハツ(被控訴人の養母)が二〇年より長い期間を希望し、また、そのころ、政雄が控訴人浩の要望により駐車場の用地として利用するために本件二の土地のうち南西角の部分約一〇坪を控訴人浩に返還したこともあって、結局、これを二五年と定めた。なお、政雄が政吉から昭和一一年一月二四日賃借した土地の地積は、前示契約証上一〇〇坪とされていたが、実測した地積は一一九坪であり、右のとおり、本件一の土地のうち北東角の部分約一五坪及び本件二の土地のうち南西角の部分約一〇坪の合計約二五坪が政雄から控訴人浩に返還されたので、これを控除した九四坪が更新後の借地の地積とされた。右更新につき作成された契約書(乙第五号証)には、借地上の建物について、増改築を禁止するとか、増改築をするに当たっては地主の許可を要するとの約定の記載はなかった。なお、控訴人浩と政雄又はハツが、その存続期間を政雄夫婦一代限りのものとすることを確認し、あるいは、本件建物の寿命(社会的経済的効用)を向後二五年とみてその後はこれを更新しないことを前提として、更新による本件借地契約の存続期間を二五年と定めたものかどうかは明らかでない。

(五)  政雄は、本件旧建物について、昭和三五年ころ原判決別紙二の間取図のAの部分を、昭和四二年か四三年ころ同間取図の斜線部分を、昭和四四年か四五年ころ同間取図のBの部分をそれぞれ改装し、更に、昭和五〇年ころ同間取図のC部分を増築し、以上の増改築の結果、同間取図のとおりの建物(本件建物)になった。

政雄は、昭和六〇年一月二九日死亡し、被控訴人がこれを相続した。

(六)  被控訴人は、平成三年一〇月ころ、更新の際に定めた本件借地契約の存続期間の満了が迫ってきたので、控訴人浩に対し、本件借地契約の更新を求め、同年一一月二九日には、本件訴訟代理人を通じて、今後も引き続き賃貸借関係継続を望む旨の内容証明郵便(甲第三号証の一)を差し出した。

控訴人浩は、平成三年一〇月二〇日ころ被控訴人の妻隆子に対し、同月二七日ころ被控訴人及び妻隆子に対し、それぞれ、本件借地契約の更新をしない旨伝え、更に、同年一一月三〇日、被控訴人方を訪れ、被控訴人の妻隆子に対し、本件借地契約の更新をしない旨伝えたが、その際、控訴人浩の妻八重子が控訴人浩方に配達された右の内容証明郵便を持ってきたので、控訴人浩は、これを開封することなく、そのまま被控訴人の妻隆子に返した。

被控訴人は、平成三年一二月一日以降もそのまま本件建物に居住し、その敷地として本件土地の使用を継続していたが、控訴人らがこれに対し抗議をしたり、本件土地の明渡しを求めたりしたことはなく、控訴人らが本件建物の収去と本件土地の明渡しを求めたのは、被控訴人が平成六年九月二二日に本件訴訟(横浜地方裁判所同年(ワ)第三三二六号)を提起したのを受けて、同年一一月七日本件訴訟(同年(ワ)第三九三五号)を提起してからである。

(七)  原審における鑑定の結果によれば、本件建物のような木造建物の一般的な経済的耐用年数は、保全が良好な場合ほぼ五〇年程度と考えられるところ、本件建物については、仕上げ材を剥がしてわずかに見ることのできる範囲においては、屋根、小屋組、梁、外壁等全体として特に著しい腐朽は認められないが、同間取図のAの東側部分については、東側基礎部分のコンクリートの風化が認められ、また、東側から北側にかけてコンクリートの一部が地中に埋まっているため土台の一部が地表に接していて、当該部分の雨水による腐蝕が著しく、特に北東角付近の土台は空洞化が認められ、更に、柱の下部も腐蝕し、特に南東側に位置する玄関右脇の柱の下部の腐蝕が著しく、左脇柱の下部が継木により補修されていることからみて、見ることのできない他の部分も同様に腐蝕していることが推察される(外壁は、北側トタン張り部分の下部に雨水等による腐蝕が存するものの、それ以外は建物の構造に影響を及ぼすほどの目立った損傷は特に認められない。)。しかしながら、同間取図のAの東側部分は、平家建で、東側外壁が板張り、屋根及び北側外壁が鉄板張りで構造が軽量であるため、東側基礎部分のコンクリートの風化があっても、特に現状のままでも問題がなく、また、土台や柱の下部の腐蝕が進行していても、その割には、建物全体のゆがみは少なく、比較的安定しており、また、同間取図のA、B及びCの各部分には、特に目立った腐朽損傷は見受けられないところ、今後建物としての機能を維持するためには、同間取図のAの東側部分の腐蝕した土台や柱の下部について相当の修繕、補強が必要であり、その費用は概ね三〇〇万円程度と考えられるが、地域周辺の同種建物と比較して特に社会的効用が低いものではなく、比較的簡易な修繕を施すことにより、居宅として十分に利用することができ、かつ、現実に居宅として利用されているので、その経済的効用も未だ失われていない。なお、鑑定人は、「物理的、社会的及び経済的な観点から、本件建物がその機能を全うできなくなるであろう時期は、本件建物が現在のまま推移するとすれば、以上の各認定基準の項目(時間的経過、物理的腐朽度、修繕等の有無とその程度、腐朽破損部分の修繕費等、社会的効用の有無、程度、経済的効用の有無、程度)を総合的に考慮し、当初建築部分(原判決別紙二の間取図のAの東側部分)については向後ほぼ一〇年程度、増築部分(同間取図のA、B及びCの各部分)については、各部分について増築時期に隔たりが存することを考慮すると向後ほぼ二〇年程度と推定される。」としている。

本件土地は、JR東海道本線茅ヶ崎駅の北東約七〇〇メートルの地点に位置し、本件土地の南側直近をJR東海道本線とほぼ平行する市道一〇七号線に沿う地域は、店舗、飲食店、病院、事務所等のほか、一般住宅、アパート、マンション等が存する商住混在地域であるが、本件土地が所在するJR東海道本線と市道一〇七号線に挟まれた地域は、木造平家建又は二階建程度の一般住宅、アパート等が存する普通住宅地域である。茅ヶ崎市は、昭和五八年ころ、本件土地を含むその一帯について、公共下水道の供用を開始し、控訴人浩の自宅の敷地を含む周辺地域の土地においては、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備及び水洗化設備が設置されている。茅ヶ崎市下水道条例施行規則四条によれば、同市の公共下水道事業による排水設備及び水洗化設備の新設工事をしようとする者は、当該工事がなされる土地の所有者の承諾を得なければならないものとされ、具体的には、右新設工事をしようとする者が茅ヶ崎市に対しその申請をするに当たり、土地所有者の署名押印がある別紙の公共下水道敷設承諾書を提出しなければならないものであるところ、被控訴人は、昭和六二年一月ころ、控訴人浩の妻八重子に対し、右の承諾を求めたが、同人にこれを拒絶され、控訴人らの承諾が得られないために右新設工事を施工することができず、現在においても、くみ取便所を使用し、生活排水は本件土地に穴を掘ってその中にこれを流している。

(八)  控訴人浩は、少なくても、本件一の土地のほかに、神奈川県茅ヶ崎市幸町(変更前の表示神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎字八王子下)六二八四番三五、同番三六、同番五八、同番五九の各土地及び自宅としている同番三六の土地上の建物を所有し(控訴人浩は、かつて同番三八の土地を所有し、他に賃貸していたが、昭和五四年三月ころ、渋谷松子に対しこれを売り渡した。なお、控訴人浩は、原審における本人尋問において、右土地建物のほかに所有する土地建物があるかどうかについてその陳述を拒んだ。)、右自宅の敷地として、同番三六の土地のほか同番五八、同番五九の土地を使用し、同番三五の土地は、他に賃貸している(控訴人浩は、同番三五の土地の賃借人に対してはその明渡しなどは求めていない。)。また、控訴人伸一は、昭和五八年一〇月、控訴人浩から本件二の土地の贈与を受けて、これを所有している。

控訴人らの家族は、控訴人浩(昭和六年七月一四日生)、妻八重子(昭和一〇年四月七日生)、長男控訴人伸一(昭和三七年八月一三日生)及び長女正美(昭和四〇年一二月一五日生)の四人であり、控訴人浩が右自宅を建築して、昭和三七年三月ころ妻八重子と移り住み、その後出生した長男控訴人伸一及び長女正美とともに同所に居住していたが、控訴人伸一が平成八年一二月二六日に黒沼麻由美と婚姻して自宅を出たため、現在は、控訴人浩、妻八重子及び長女正美の三人が右自宅に居住し、控訴人伸一は、横浜市港南区に賃料月額六万五〇〇〇円、駐車場料金月額一万五〇〇〇円でアパートを賃借して、同所に居住している。控訴人浩の自宅については、建坪が四八ないし五〇坪くらいだと思う旨の原審における控訴人浩の供述があるものの、実際の床面積や間取り等については明らかでない。控訴人伸一は、本件二の土地上に自宅を建築して、同所に居住したいと考えている。

控訴人らは、被控訴人に対し、平成七年九月一三日の原審における口頭弁論期日において、立退料として一一八五万一九二〇円を提供する用意がある旨申し出、更に、平成八年二月二七日の原審における口頭弁論期日において、立退料として二三〇一万七五〇〇円を提供する用意がある旨申し出た。右の一一八五万一九二〇円という金額は、被控訴人が平成三年七月分以降の賃料として供託している一か月当たり一万六七四〇円をもとにして、政雄が本件借地契約を締結した昭和一一年一二月二四日から平成七年一二月二三日までの五九年間分の賃料に相当する額であり、また、右の二三〇一万七五〇〇円という金額は、本件土地の一平方メートル当たりの価格を二五万円(路線価)とし、これに地積306.90平方メートル(実測)を乗じた額の三〇パーセントに相当する額である。

(九)  被控訴人は、本件建物を所有するほかは、土地建物を所有していない。

被控訴人の家族は、被控訴人(昭和一二年一一月二〇日生)、妻八重子、長女(平成八年九月二五日現在で二八歳)、長男(同二五歳)及び二男(同二一歳)の五人であり、被控訴人は、生後まもなく政雄とハルの養子となって本件旧建物に居住するようになり、昭和四二年ころ妻八重子と婚姻して、同人が移り住み、その後出生した長女、長男及び二男とともに本件建物に居住している。

被控訴人は、昭和五七年一二月、控訴人浩が昭和五八年一月ないし六月分の賃料の受領を拒否したため、同年四月六日、横浜地方法務局藤沢出張所に右賃料合計七万七三三八円を供託し、その後も控訴人浩が賃料の受領を拒否しているので、現在に至るまでこれを供託している(平成三年七月ないし一二月分の賃料からは合計一〇万〇四四〇円に増額して供託している。)。

2  右認定の事実に基づき検討する。

(一)  前記認定の事実によると、本件借地権は、昭和一一年一月二四日ころに設定されたものであるから、借地借家法附則五条及び六条により、本件建物の朽廃による本件借地権の消滅及び本件借地契約の更新に関しては、同法附則二条二号により廃止された借地法が適用される。

(二)  本件朽廃の有無について

控訴人らは、平成三年一一月三〇日(更新された本件借地契約の存続期間の満了した日)又は平成九年八月二六日(当審における本件口頭弁論終結の日)には既に朽廃した旨主張する。

前記認定の事実によると、本件建物は、本件旧建物のうち原判決別紙二の間取図のAの東側部分においては、東側基礎部分のコンクリートの風化が認められ、また、東側から北側にかけてコンクリートの一部が地中に埋まっているため土台の一部が地表に接していて、当該部分の雨水による腐蝕が著しく、特に北東角付近の土台は空洞化が認められ、更に、柱の下部も腐蝕し、特に南東側に位置する玄関右脇の柱の下部の腐蝕が著しく、左脇柱の下部が継木により補修されていることからみて、見ることのできない他の部分も同様に腐蝕していることが推察されるなどコンクリートの風化や土台や柱の下部の腐蝕が進行しているものであるが、構造が軽量であるために、コンクリートの風化があっても、特に現状のままでも問題がなく、また、土台や柱の下部の腐蝕が進行していても、その割には、建物全体のゆがみは少なく、比較的安定しており、かつ、増改築をした同間取図のA、B及びCの各部分には、特に目立った廃朽損傷は見受けられないのであって、地域周辺の同種建物と比較して特に社会的効用が低いものではなく、しかも、修繕、補強に概ね三〇〇万円程度の費用が見込まれるものの、新築に近いほどの大改造を要するとか、同種建物を建築するのと等しい過大な費用を要するものとはいえないのであって、比較的簡易な修繕を施すことにより、居宅として十分に利用することができ、かつ、現実に居宅として利用されているので、その経済的効用も未だ失われていないのである。そして、鑑定人において、平成七年六月一〇日の時点でみて、本件建物がその機能を全うできなくなるであろう時期につき、同間取図のAの東側部分についてさえ向後ほぼ一〇年程度と推定していることを合わせ考えれば、本件建物は、平成三年一一月三〇日の時点においてはもちろん、平成九年八月二六日の時点においても、未だ建物としての社会的経済的効用を失う程度には至らない状況にあるということができるから、本件建物が朽廃したものと認めることはできない。したがって、控訴人らの右主張は理由がない。

(三)  本件借地契約の更新の有無について

(1) 前記認定の事実によると、被控訴人においては、平成三年一〇月ころ、更新の際に定めた借地権の存続期間の満了が迫ってきたので、控訴人浩に対し、本件借地契約の更新を求め、同年一一月二九日には、本件訴訟代理人を通じて、今後も引き続き賃貸借関係継続を望む旨の内容証明郵便(甲第三号証の一)を差し出し、また、控訴人浩においては、平成三年一〇月二〇日ころ被控訴人の妻隆子に対し、同月二七日ころ被控訴人及び妻隆子に対し、それぞれ、本件借地契約の更新をしない旨伝え、更に、同年一一月三〇日、被控訴人方を訪れ、被控訴人の妻隆子に対し、本件借地契約の更新をしない旨伝えるとともに、配達された右の内容証明郵便を開封することなく、そのまま被控訴人の妻隆子に返しているのであるから、更新の際に定めた借地権の存続期間の満了に当たり、被控訴人は、控訴人らに対し、本件借地契約の更新を請求し、控訴人らは、右請求に対し、遅滞なく異議を述べたものと認められる(なお、控訴人伸一は、右の交渉に直接関与していないが、弁論の全趣旨によれば、控訴人伸一は、控訴人浩に対し、本件借地契約に関し、その代理権を与えていたものと認められ、控訴人浩は交渉の際に控訴人伸一を代理する旨を明示しなかったものの、控訴人浩及び被控訴人の双方とも、本件二の土地を含む本件借地契約を一体として考えて、その更新の可否について交渉していたのであるから、被控訴人のした本件借地契約の更新の請求及び控訴人浩のした右請求に対する異議の申述は、本件二の土地に係るものについては控訴人伸一にその効果が帰属するものと認めるのが相当である。)。

(2) そこで、以下、控訴人らにおいて正当の事由があるかどうかについて検討する。

前記認定の事実によると、控訴人浩は、少なくても、本件一の土地のほかに、神奈川県茅ヶ崎市幸町六二八四番三五、同番三六、同番五八、同番五九の各土地及び自宅としている同番三六の土地上の建物を所有し(控訴人浩が、原審における本人尋問において、右土地建物のほかに所有する土地建物があるかどうかについての陳述を拒んでいること及び原審における被控訴人本人尋問の結果に照らせば、右土地建物のほかに控訴人浩が所有する不動産がないとは認め難い。)、右自宅の敷地として、同番三六の土地のほか同番五八、同番五九の土地を使用し、同番三五の土地は、他に賃貸しているのであるが、右自宅は、その実際の床面積や間取り等が明らかでないところ、建坪が四八ないし五〇坪くらいだと思う旨の原審における控訴人浩の供述によれば、控訴人浩、妻八重子及び長女正美の三人で居住するにはもちろん、更に控訴人伸一夫婦が同居したとしても、なおその居住にそれほどの支障がないことがうかがわれるのであり、また、右自宅の敷地としている同番三六、同番五八及び同番五九の各土地は、登記簿上の地積の合計が455.97平方メートルであって、そのほかに、政雄から返還してもらった本件一の土地のうち北東角の部分約一五坪及び本件二の土地のうち南西角の部分約一〇坪があるから、控訴人浩が、その上、更に本件一の土地を使用しなければならない必要性があるとは到底認められない。また、控訴人伸一は、本件二の土地を所有しているところ、平成八年一二月二六日に黒沼麻由美と婚姻し、現在は横浜市港南区にアパートを賃借していて、本件二の土地上に自宅を建築し、同所に居住したいと考えているのであるが、右のとおり、横浜市港南区にアパートを賃借していることからみて、控訴人浩の自宅の近隣に住居を定めなければならないような差し迫った現実の必要性はなく(控訴人らは、控訴人浩の妻八重子が病弱であると主張し、外来予約票(乙第二四号証)を提出するが、これは、茅ヶ崎徳洲会総合病院の内科に平成九年三月一八日午前九時三〇分に診察の予約をしたというにとどまり、このことだけから、控訴人浩の妻八重子が病弱であるということはできないし、仮に控訴人浩の妻八重子が病弱であるとしても、控訴人伸一夫婦が横浜市港南区にアパートを賃借したことからすれば、身近にいてその介護、看病等に当たらなければならないような状況にあるとは認められない。)、また、前示のとおり、控訴人浩の自宅が、控訴人浩、妻八重子及び長女正美のほか、控訴人伸一夫婦が同居したとしても、なおその居住にそれほどの支障がないことがうかがわれるのであるから、控訴人伸一において、早急に本件二の土地に自宅を建築しなければならない必要性があるものとはいい難く、その他控訴人伸一が本件二の土地を使用する必要性があることを認めるに足りる事情も格別うかがえない。他方、被控訴人は、本件建物を所有するほかは、土地建物を所有していないのであって、本件建物には、被控訴人は生後まもなく、被控訴人の妻隆子は婚姻後、長女、長男及び二男は出生後から、それぞれ生活の本拠として居住していたのであるから、本件建物に愛着を感じ、容易に明渡しに応じ難い心情でいることがうかがえるばかりか、現下の住宅事情からみて、他に移転先を求めることが不可能あるいは著しく困難であるとはいえないとしても、長年にわたる生活の本拠を離れ、新たに移転先を求めて、転居するには、かなりの困難を伴い、また、諸々の費用を要することも否定できないのであって、被控訴人及びその家族においては、生計を維持するために本件土地の使用を継続することが必要であると認められる。

以上の当事者双方の事情を比較考量するならば、控訴人らが自ら本件土地を使用する必要性は、本件土地の使用を継続することにつき被控訴人が持つ必要性に比して、極めて低いものであるといわなければならず、更に、控訴人浩が、自宅の敷地に隣接する神奈川県茅ヶ崎市幸町六二八四番三五の土地につき、他にこれを賃貸しているものの、その賃借人に対しては明渡しなどを求めていないこと、控訴人らが、平成三年一二月一日以降の被控訴人による本件土地の使用の継続に対し抗議をしたり、本件土地の明渡を求めたりしたことはなく、被控訴人が平成六年九月二二日に本件訴訟(横浜地方裁判所同年(ワ)第三三二六号)を提起したのを受けて、同年一一月七日本件訴訟(同年(ワ)第三九三五号)を提起して、初めて本件建物の収去と本件土地の明渡しを求めたこと、政雄が、控訴人浩の要望に応じて、本件一の土地のうち北東角の部分約一五坪及び本件二の土地のうち南西角の部分約一〇坪を控訴人浩に返還していること、本件建物は、原判決別紙二の間取図のAの東側部分を含めて、当審における本件口頭弁論終結の日である平成九年八月二六日の時点においても、未だ建物としても社会的経済的効用を失う程度には至らない状況にあることなどの事情を合わせ考えれば、控訴人らにおいて、更新拒絶の正当の事由があるとは認めることができない。そして、控訴人らは、被控訴人に対し、立退料として一一八五万一九二〇円又は二三〇一万七五〇〇円を提供する用意がある旨申し出たが、前示の控訴人らの本件土地の使用を必要とする事情に徴すれば、前記認定の本件の事実関係のもとにおいては、右の立退料を提供する用意があったとしても、控訴人らの更新拒絶の正当の事由を補強するには十分でないといわなければならない。

(3) したがって、控訴人らが、本件借地契約についてした更新拒絶には、正当の事由があるとは認められないから、本件借地契約は、平成三年一二月一日から、借地権の存続期間を二〇年とし、更新前の本件借地契約と同一の条件で更新されたものである。

(四)  本件排水設備等の工事の必要性について

前記認定の事実によると、本件土地が所在するJR東海道本線と市道一〇七号線に挟まれた地域は、木造平家建又は二階建程度の一般住宅、アパート等の存する普通住宅地域であり、茅ヶ崎市は、昭和五八年ころ、本件土地を含むその一帯について、公共下水道の供用を開始し、控訴人浩の自宅の敷地を含む周辺地域の土地においては、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備及び水洗化設備が設置されているのであるが、被控訴人は、控訴人らの承諾が得られないため、右排水設備及び水洗化設備の新設工事を施工することができず、そのため、現在においても、くみ取便所を使用し、生活排水は本件土地に穴を掘ってその中にこれを流しているのである。下水道法は、公共下水道の供用が開始された場合においては、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者、使用者又は占有者は、遅滞なく、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水管、排水渠その他の排水施設を設置しなければならず、本件土地のように、建築物の敷地である土地にあっては、当該建築物の所有者が、右のとおり、排水設備を設置しなければならないものとし(一〇条一項)、当該処理区域においてくみ取便所が設けられている建築物を所有する者は、当該処理区域について工事された下水の処理を開始すべき日から三年以内に、その便所を水洗便所に改造しなければならないものとしている(一一条の三第一項)。右のような下水道法による規制(前記認定の事実によると、本件土地は、右公共下水道の処理区域内の土地であると認められる。)、付近の土地の排水設備の設置状況及び本件土地の所在する場所の環境にかんがみると、本件土地につき排水設備等を設置することは、本件土地の利用に特別の便益を与えるというものではなく、むしろ、建物の所有を目的とする本件借地契約に基づく土地の通常の利用上相当なものというべきであるから、賃貸人である控訴人らにおいて、本件土地につき排水設備等を設置することにより回復し難い著しい損害を被るなど特段の事情がない限り、その設置に協力すべきものであると解するのが相当である。そして、前記認定の事実関係のもとにおいては、控訴人らにおいて、本件土地につき排水設備等を設置することによって回復し難い著しい損害を被るなどの特段の事情があることは認められないから、そうであれば、控訴人らは、被控訴人が本件土地につき排水工事及び水洗化設備の新設工事をするに当たり、これを承諾し、かつ、右工事の施工を妨害してはならないものといわなければならない。

3  以上のとおりであって、本件借地契約に基づき、茅ヶ崎市に対する排水設備及び水洗化設備の新設工事の申請について承諾を求め、かつ、右工事の妨害禁止を求める被控訴人の請求は理由があり、また、本件借地契約の終了に基づき、本件建物の収去と本件土地の明渡を求める控訴人らの請求は理由がない。

五  よって、控訴人らの請求は理由がないからこれを棄却すべきであり、被控訴人の請求は理由があるからこれを認容すべきところ、これと同旨の原判決は相当であって、本件各控訴は理由がないからこれを棄却することとし、なお、被控訴人は、当審において、原判決主文第一項に係る請求の趣旨を主文第二項記載のとおり訂正したので、その旨主文で明らかにし、控訴費用の負担について民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官宍戸達德 裁判官佃浩一 裁判官髙野輝久)

別紙物件目録<省略>

別紙公共下水道敷設承諾書

私が所有する茅ヶ崎市<番地略>の土地(以下「当該地」という。)に茅ヶ崎市が公共下水道を敷設することに伴い、次の事項を承諾します。

1 公共下水道工事及び工事完了後の管きょの維持管理を行う場合は、事前に連絡しなくても当該地に立ち入りできること。

2 当該地に公共下水道管きょの存続する期間の補償金及び使用料を無償とすること。

3 当該地に公共下水道管きょに支障となる工作物等を設置しないこと。

4 当該地を第三者に譲渡し、又は用益物権を設定する場合は、その第三者に対し当該公共下水道管きょの使用を継承させること。

5 やむをえず公共下水道管きょの廃止又は敷設替えをしなければならなくなった場合は、事前に市長の承認を得るとともに、それに要する費用は自己の負担とすること。

6 当該地でなければ下水を排除することのできない土地の所有者、賃借権者、又は地上権者が当該公共下水道管きょへ接続すること及びそれに伴い、当該地を掘削すること。

平成 年 月 日

茅ヶ崎市長様

所有者 住所

氏名     印

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