大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成7年(行ケ)251号 判決 1997年3月19日

原告 コクヨ株式会社

被告 株式会社ホウトク

主文

特許庁が、平成6年審判第19119号事件について、平成7年9月5日にした審決を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第1当事者の求めた判決

1  原告

主文と同旨。

2  被告

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

第2当事者間に争いのない事実

1  特許庁における手続の経緯

被告は名称を「テーブルにおける支脚構造」とする実用新案登録第1693084号考案(昭和58年4月28日出願、昭和62年1月8日出願公告、同年8月26日設定登録。以下「本件考案」という。)の実用新案権者である。

原告は、平成6年11月16日、本件考案につき、その実用新案登録を無効とする旨の審判の請求をした。

特許庁は、同請求を平成6年審判第19119号事件として審理したうえ、平成7年9月5日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、その謄本は、同年9月21日、原告に送達された。

2  本件考案の要旨

両側方の両支脚A1、A2の上部にまたがる平板製甲板Bを水平の使用状態から両支脚A1、A2の上部前後側で垂直にした収納状態に変化できるようにして両支脚A1、A2により支持するように装設し構成するテーブルにおいて、両支脚A1、A2とも上部1が垂直で下部2が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆a1、a2よりそれぞれ形成し、両支脚A1、A2における外側方と内側方の脚杆a1、a2の下部が前後方向の同一方向に向くようにしてそれぞれ両脚杆a1、a2の上部1、1を左右に並設して結合し構成したことを特徴とする支脚構造。

3  審決の理由

審決は、別添審決書写し記載のとおり、本件考案が、米国特許第2762669号明細書(審決甲第1号証、本訴甲第10号証、以下「引用例1」という。)、米国特許第3087755号明細書(審決甲第2号証、本訴甲第9号証、以下「引用例2」といい、そこに記載された考案を「引用例考案2」という。)、実公昭45-13080号公報(審決甲第3号証、本訴甲第11号証、以下「引用例3」という。)、米国特許第3796169号明細書(審決甲第4号証、本訴甲第3号証、以下「引用例4」という。)、特開昭52-123760号公報(審決甲第5号証、本訴甲第4号証、以下「引用例5」という。)、登録第157653号意匠公報(審決甲第6号証の1、本訴甲第5号証、以下「引用例6」という。)、実公昭36-27244号公報(審決甲第6号証の2、本訴甲第6号証、以下「引用例7」といい、そこに記載された考案を「引用例考案7」という。)、登録第240066号意匠公報(審決甲第7号証、本訴甲第7号証、以下「引用例8」という。)、登録第448821号意匠公報(審決甲第8号証、本訴甲第8号証、以下「引用例9」という。)に記載された考案に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとする請求人(原告)主張の無効理由につき、本件考案は、これらの証拠に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできないとし、請求人が主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件登録実用新案を無効にすることはできないとした。

第3原告主張の審決取消事由の要点

審決の理由中、本件考案の要旨(審決書2頁10行~3頁2行)、その目的及び効果の認定(同4頁9行~5頁18行)は、認める。

引用例1~9の各記載事項の認定並びに本件考案との共通点及び相違点の認定(審決書5頁19行~9頁18行)のうち、引用例2、8及び9に記載された考案が、本件考案と支脚の構成又は構造において相違するとの認定(同7頁16~17行、同9頁11~12行、16~17行)、引用例6及び7に記載された考案が、本件考案の「両支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆よりそれぞれ形成」される構成を有していないとの認定(同9頁2~4行)は争い、その余は認める。

各引用例には、本件考案の支脚構造に関していずれも記載がなく、それに係る考案はいずれも本件考案と技術的課題が相違し、本件考案の効果を奏するものではないとする審決の判断(同9頁19行~10頁2行)は争う。

本件考案は、引用例考案7に示された折り畳みテーブルの支脚構造に、引用例考案2に示されている入れ子支脚構造を適用することにより、当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、審決は、違法として取り消されなければならない。

1  引用例7(審決甲第6号証の2、本訴甲第6号証)には、甲板を水平の使用状態から垂直の収納状態に変化できるように、甲板の下方左右両側部において一対の支脚で支持するように構成され、その一対の支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆より形成され、両脚杆の上部が並設して結合された、会議用テーブルが記載されている。この記載によれば、会議用テーブルとして左右に連結して用いるためには、甲板の下方左右両側部に支脚を取り付ける必要があること、甲板を水平の使用状態から回動して垂直の収納状態に変化させるためには、支脚上部の一定の長さを垂直に構成しなければならないこと、上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆の上部を並設して結合することにより、簡単な構造にして製作が容易に実施できるテーブル支脚が得られ、その前後方向に偏位して屈曲し垂下する部分を低い位置とすることにより、脚の出し入れが容易なテーブルが得られることが、それぞれ開示されている。

この引用例考案7と本件考案とを対比すると、両考案は、「両側方の両支脚の上部にまたがる平板製甲板を水平の使用状態から両支脚の上部前後側で垂直にした収納状態に変化できるようにして両支脚により支持するように装設し構成するテーブルにおいて、両支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆よりそれぞれ形成し、両脚杆の上部を並設して結合した構成」を有する点で一致するが、本件考案が、「両支脚における外側方と内側方の脚杆の下部が前後方向の同一方向に向くようにしてそれぞれ両脚杆の上部を左右に並設して結合した」のに対し、引用例考案7では、両脚杆の上部が前後に並設して結合されている点で相違する。

2  この本件考案が有する「両支脚における外側方と内側方の脚杆の下部が前後方向の同一方向に向くようにしてそれぞれ両脚杆の上部を左右に並設して結合した」といういわゆる入れ子式の支脚構造は、引用例考案2のいすの支脚構造に開示されている。

すなわち、引用例考案2は、有名なフィンランドのボーマン氏の横方向に積み重ね可能ないすに関する発明であって、引用例2(審決甲第2号証、本訴甲第9号証)には、左右一対の前脚を内側に配置し、同後脚を外側に配置して、前脚と後脚とが上方部で左右に並設して結合することによって、前後のいすを横方向に積み重ねて収納する際、前に位置するいすの後脚が後ろに位置するいすの前脚の外側を通って後ろに位置するいすの後脚と互いに接触するように押し込むと、前後のいすの前脚どうしも互いに接触するように、入れ子式に収納されることが記載されている。この記載によれば、引用例考案2は、前後の脚杆を左右に並設して取り付け上方で一体的に結合することにより、前後の脚杆が入れ子式にかみ合い収納スペースが節約できるという本件考案と同一の技術課題及び解決原理を開示している。

もっとも、本件考案と引用例考案7がテーブルの支脚であるのに対し、引用例考案2はいすの支脚に関するものであるが、引用例2(甲第9号証)には、「またいすの上部を取りはずし、回動自在な座部をテーブル天板として設計する場合には、テーブルとしても設計できる。」(同号証訳文4頁6~8行)と記載され、上記入れ子式の支脚構造をテーブルに応用して、天板を折り畳む構造のテーブルに上記支脚構造を採用することにより、収納スペースを節約できる折り畳みテーブルが得られることが開示されており、いすの入れ子式支脚構造をテーブルの入れ子式支脚構造に応用できることが示唆されている。

被告は、従来のテーブルの支脚構造における常識を破って、シンメトリーでない支脚構造を採用した点に進歩性があるかのような主張をするが、その構成は、デザイン上一般に受け入れ難いのではないかとの抵抗感により、永年採用されなかっただけのことであり、スペースの節減という機能を優先し、デザイン上の犠牲を覚悟すれば、引用例考案7の折り畳みテーブルにおいて脚杆の上方部を前後にずらして接合していたものを、引用例考案2のように左右にずらした形として入れ子式の支脚構造とすることは、当業者がきわめて容易になしうることであって、何らの考案力を必要とするものではない。

したがって、本件考案は、当業者が、引用例考案7に示された折り畳みテーブルの支脚構造に、引用例考案2に示されている入れ子式の支脚構造を適用することにより、きわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法3条2項により実用新案登録を受けることができないものであり、同法37条1項1号(昭和62年法律第27号による改正前のもの)に該当し無効とされるべきである。

第4被告の反論の要点

審決の認定判断は正当であって、原告主張の審決取消事由は理由がない。

原告主張のうち、引用例2及び7の記載事項の認定、本件考案と引用例考案7との一致点及び相違点の認定は認める。しかし、当業者にとって、引用例考案7に示された折り畳みテーブルの支脚構造に、引用例考案2に示されている入れ子式の支脚構造を適用することは、以下の理由により、きわめて容易に考案することができたものとはいえない。

1  引用例考案2においては、前脚及び後脚が座部(座面)の左右の外側に設けられている。これに対して、本件考案のテーブルでは、その甲板を互いに接して並べることのできる形状でなければならないから、甲板の外側にフレーム等の付加物が設けられていないことを要する。したがって、引用例考案2のいすの技術は、テーブルに関する本件考案とは基本的に異なるものであり、直ちに転用することはできない。

また、本件考案のようにテーブルの甲板の下側に、引用例考案2における前脚及び後脚を設けた場合には、甲板は前脚及び後脚によって回動を妨げられるから、引用例考案2における前脚及び後脚を本件考案に直ちに転用することはできない。

しかも、引用例考案2において、前脚b1と後脚b2は、互いの上部において左右に並設されているが、上部が後脚b2寄りの位置であり、座部cの上方において左右に並設されているから、これらの前脚及び後脚をほぼ中央の位置に移動させ、座部cの下方において並設させなければ、本件考案の形状に達することはできない。したがって、当業者が、このような引用例考案2をみても、本件考案を想到することはきわめて困難である。

原告が、いすの入れ子式支脚構造をテーブルの入れ子式支脚構造に応用し得ることが示唆されていると主張する引用例2(甲第9号証)の記載は、引用例考案2のいすの座部の代わりに甲板を備え、甲板の外側に入れ子式の脚杆を設け、背もたれ部を除き、甲板をはね上げ式にしたテーブルを示唆しているものと認められる。このようなテーブルは、複数の人が集まって使用する会議用のテーブルではなく、一人用の個人向けのテーブルであり、多数のテーブルを並べて使う必要もないし、脚の出し入れの不便さも問題とならないから、本件考案とは、その技術的課題及び構成を異にするものである。

また、仮に、上記の記載が、一般的にいすの技術をテーブルにも用いることができる旨を示唆するものであるとしても、いすとテーブルは、それぞれ使用目的を異にし、しかも人体の動きに即応して最適の状態となる構成にあることを要するものであって、両者は基本設計を異にするものであるから、引用例考案2の座部を甲板に変更して、全体的構成を本件考案のように形成することは、きわめて容易にできることではない。

2  従来の会議用テーブルにおいては、引用例6及び7に示されるように、甲板を支持するために脚杆が床に接する箇所をシンメトリー(対称)に配置するのが、普遍的な常識であった。これは、単なるデザインとしての視点からではなく、会議用テーブルにおいて両サイドから座席につく場合に、脚杆の位置によって両サイドの脚杆間の距離に差が発生するのを回避するという要請から生じたものである。そして、シンメトリーの場合の脚杆の上部は、引用例考案7のように前後方向に接している(背中合わせになっている)のであって、脚杆はテーブルの甲板の前後方向の中心線に達していない。これに対し、本件考案の脚杆においては、シンメトリーに配置される従来の脚杆の形状に修正を加え、脚杆の上部の中心線が、すべてテーブルの甲板の中心線と(ほぼ)一致するように変更がなされている。

このように、会議用のテーブル製作においては、シンメトリーに配置するのが当然の技術的な常識であり、脚杆の形状が、引用例考案7のように前後方向に配置(背中合わせ)されるものか、本件考案のように左右方向に配置されるものかは、技術的構成及び系列を全く異にしているから、当業者が、前記のような引用例考案2をみても、脚杆を左右に並設してその上部の中心線がテーブルの甲板の中心線と一致するような形状を採用することは、きわめて困難である。

引用例考案2のボーマンのいすを知っている人が多く、また、会議用テーブルの収納面積を狭くすることが、会議用テーブルの開発の重要目的の一つであるにもかかわらず、本件考案の構成を、長年の間、誰も思いつかなかったこと自体が、本件考案の進歩性を顕著に表しているものである。

第5証拠<省略>

第6当裁判所の判断

1  本件考案と引用例考案7とが、「両側方の両支脚の上部にまたがる平板製甲板を水平の使用状態から両支脚の上部前後側で垂直にした収納状態に変化できるようにして両支脚により支持するように装設し構成するテーブルにおいて、両支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆よりそれぞれ形成し、両脚杆の上部を並設して結合した構成」を有する点で一致することは、当事者間に争いがない。

そうすると、審決が、引用例考案7の構成について、「甲第6号証の2(注、本訴甲第6号証)には、・・・本件考案の『両支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆よりそれぞれ形成・・・』した構成を有するものではなく」(審決書8頁20行~9頁7行)と認定したことは、明らかに誤りである。

2  本件考案が、「両支脚における外側方と内側方の脚杆の下部が前後方向の同一方向に向くようにしてそれぞれ両脚杆の上部を左右に並設して結合した」のに対し、引用例考案7では、両脚杆の上部が前後に並設して結合されている点で相違すること(なお、引用例考案7の両支脚の脚杆には、外側方と内側方の区別はないが、両脚杆の下部が前後方向の同一方向に向いている点では本件考案と一致している。)は、当事者間に争いがない。

(1)  引用例2(審決甲第2号証、本訴甲第9号証)には、「横方向に積み重ねる可能ないす」に関して、「本発明は横平面に積み重ねる可能性を改善することを目的とする。いすの前脚と後脚が、正面視において、いすの上部と、いすの後脚を構成する外側といすの前脚を構成する内側の二つの部分に分割されることにより製作される点、および座部が配置される箇所のわずか上方で当該分割が行われる点で、本発明は主として特徴づけられる。内側の脚を前方に曲げ、外側の脚を後方に曲げることによって、また積み重ねた際にそれぞれが接触するいすの各部に同一の形状を与えることにより、デッド・スペースがなくなる。」(同号証訳文1頁19行~2頁1行)、「本発明によるいすは上で説明した詳細な形態に限られるものでなく、本発明の範囲から逸脱しなければ、直面するさまざまな条件と要求を満たすために、変更することができる。・・・いすの上部を取りはずし、回動自在な座部をテーブル天板として設計する場合には、テーブルとしても設計できる。」(同4頁2~8行)との記載が認められ、同号証第2図、第9図及び第10図には、複数のいすの座部を収納の障害にならないように上方に約90度回動したうえ、同一形状を有するいすの前脚同士及び後脚同士を、前後においてほとんど隙間なく接触させて横方向に積み重ねた状態、すなわち入れ子式に重なった状態が開示されている。

これらの記載によれば、引用例考案2では、横方向にいすを積み重ねた際にデッドスペースが生ずることを改善するため、座部を上方に回動自在とするとともに、左右各1本の脚を分割して、内側の脚を前方に曲げて前脚とし、外側の脚を後方に曲げて後脚とする、いわゆる入れ子式の支脚構造が開示され、さらに、この入れ子式の支脚構造は、いすの上部を取りはずして当該座部をテーブル天板とする場合には、テーブルの支脚構造としても利用できる旨が示唆されているものと認められる。

(2)  他方、引用例7(甲第6号証)には、折畳式テーブルについて、「本案を折畳するには・・・全体の幅はΠ状脚杆1の幅とほぼ等しくなり、狭い場所へ収納することが出来る。・・・本実用新案によれば、折畳組立簡単容易であると共に、折畳時は著しく幅狭くなり、かつ衝立等に利用し得る等の諸効果がある。」(同号証1頁右欄10~21行)との記載があり、この記載によれば、引用例考案7においても、できるだけ狭い場所へ収納することが技術課題とされているものと認められる。

したがって、引用例考案7及び引用例考案2は、収納性の改善という共通の技術課題を有しているのであるから、引用例考案7の両支脚における脚杆の下部が前後方向の同一方向に向くようにしてそれぞれ両脚杆の上部を前後に並設して結合した構造に代えて、テーブルへの利用が示唆されている引用例考案2の入れ子式の支脚構造を採用し、両脚杆の上部を左右に並設して結合した構造とすることは、当業者がきわめて容易に想到できるものということができる。

なお、引用例考案2のいすの入れ子式の支脚を、本件考案のようなテーブルの支脚として使用しようとする場合、通常の会議用テーブルの支脚の位置を想定すれば、その左右の支脚を甲板の下部に移動させてそのほぼ中央の位置に配置しようとすることは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。また、従来の会議用テーブルにおいて、甲板を支持する脚杆をシンメトリー(対称)に配置するのが、普遍的な技術上の常識であることは、本件全証拠によっても明らかでなく、引用例考案7のように前後方向に配置された脚杆を、わずかに移動させて左右方向に配置することが、当該技術常識からみてきわめて困難であるとも認められない。

その他被告の各主張がいずれも採用できないことは、前記説示に照らして明らかであり、本件全証拠によるも、引用例考案7のテーブルについて引用例考案2に開示された入れ子式の支脚構造を適用することが、明らかに容易推考性を欠くものとは認められない。

(3)  以上によれば、審決が、引用例考案7について、本件考案の「両支脚とも上部が垂直で下部が前後方向に偏位して屈曲し垂下する形状の2本の脚杆よりそれぞれ形成」した構成を有するものではないと認定して、両考案が相違するとしたことは誤りであり、前示認定の本件考案と引用例考案7との一致点及び相違点を踏まえて、両考案の相違点に関し、引用例考案2に開示された入れ子式の支脚構造を適用することがきわめて容易であるか否かについて、さらに審理を尽くさせる必要があるから、審決は取消しを免れない。

3  よって、原告の本訴請求は理由があるから、これを認容することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法89条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 牧野利秋 芝田俊文 清水節)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例