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東京地方裁判所 昭和63年(ワ)17785号 判決 1991年5月23日

原告

田中須美子

福喜多昇

田中花子

右法定代理人親権者母

田中須美子

右原告ら訴訟代理人弁護士

榊原富士子

福島瑞穂

被告

武蔵野市長土屋正忠

武蔵野市

右代表者市長

土屋正忠

右被告ら訴訟代理人弁護士

中村護

中川幹郎

関戸勉

林千春

岡部瑞子

同訴訟復代理人弁護士

永縄恭子

右被告両名指定代理人

天野巡一

主文

一  原告田中須美子及び同福喜多昇の被告武蔵野市長に対する請求をいずれも却下する。

二  原告らの被告武蔵野市に対する請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、原告らの負担とする。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  原告田中須美子(以下「原告田中」という。)及び同福喜多昇(以下「原告福喜多」という。)に対し、被告武蔵野市長(以下「被告市長」という。)が昭和六〇年八月二九日に原告田中花子(以下「原告花子」という。)の住民票の世帯主との続柄欄を記載するに当たり世帯主である原告田中との続柄を「子」と記載した処分を取り消す。

2  被告市長は、原告田中及び同福喜多に対し、原告花子の世帯主との続柄欄を嫡出子と非嫡出子の区別なく記載した住民票を発行せよ。

3  被告武蔵野市(以下「被告市」という。)は、原告田中及び同福喜多に対し、各金七〇万円ずつ及びその内金五〇万円ずつに対するいずれも昭和六三年五月二九日から支払済みに至るまで各年五分の割合による金員を、原告花子に対し、金二〇〇万円及びこれに対する昭和六四年一月七日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を、それぞれ支払え。

4  訴訟費用は、被告らの負担とする。

5  右3項についての仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  請求の趣旨1項及び2項の各請求に対する本案前の答弁(被告市長)

被告市長に対する請求の趣旨1項及び2項の訴えをいずれも却下する。

2  本案に対する答弁(被告両名)

(一) 原告らの請求をいずれも棄却する。

(二) 訴訟費用は、原告らの負担とする。

第二  当事者の主張

一  本案前の主張(請求の趣旨1項及び2項の各訴えの適否について)

1  被告市長

(一) 原告田中及び同福喜多がその取消しを求めている被告市長による本件住民票の続柄欄の記載行為は、戸籍筆頭者である原告田中の戸籍によって既に公証されている母原告田中とその子原告花子の身分関係を、住民基本台帳法の規定に基づく住民票の作成に際して、住民である原告花子の個人としての同一性を明らかにするための記載事項として、その世帯主原告田中との続柄欄に表示する行為に過ぎず、これによって何らかの新たな法的効果を生じさせるものではない。

確かに、住民基本台帳法(以下「法」という。)等の規定によれば、住民が住民基本台帳に記載されていることが、選挙人名簿に登録され選挙権を行使する資格を発生させる要件となる等の法的効果につながることとなる場合がある。しかし、このような法的効果は、法八条の規定によって特定の住民が住民基本台帳に記録されること(当該個人の住民票が、一定の手続を経て調整又は記載されること)によるものであって、本件で問題とされている世帯主との続柄等の個々の記載事項の記載によって生ずるものではない。例えば、特定の住民について住民票が作成され、住民基本台帳に当該住民が記録されたときは、個々の記載事項に記載漏れや誤記があっても、その個人の同一性が認められる限り、右のような法的効果は発生することとなるのである。すなわち、住民票の記載のうち本件で問題とされている「世帯主との続柄」の記載自体は、何らの法的効果を生じさせるものでもないのである。

したがって、この行為は、抗告訴訟の対象となる「処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当せず、原告田中及び同福喜多の請求の趣旨1項の訴えは、不適法な訴えとして却下を免れないものというべきである。

(二) 原告田中及び同福喜多の請求の趣旨2項の訴えは、行政庁たる被告市長に対し一定の作為を求めるものであるが、このような訴訟は、三権分立の原則からして、行政庁が当該作為をすべきことを法律上覊束されており、どのような行為をすべきかについて行政庁の自由裁量の余地が残されていない等の要件が充たされる場合に限って、例外的に許されるものである。

ところが、住民基本台帳法七条四項は、住民票の続柄欄の具体的な記載方法については定めを置いておらず、どのような方法による記載をするかを担当行政機関の裁量に委ねている。しかし、法律婚主義を建前とする現行法下の家族制度を前提とすると、担当行政機関がこの欄の記載を行うに当たっても、これを法律上の身分関係に対応してそれと整合するように、嫡出である子と嫡出でない子とを区別して表示せざるを得ないこととなる。すなわち本件にあっては、行政庁はむしろ原告らの主張するような行為をなすべからざることを覊束されていることとなるのである。

したがって、本件では、このような訴訟が例外的に許されるための要件が充たされていないことになるから、原告らの請求の趣旨2項の訴えも、不適法な訴えとして却下を免れないものというべきである。

(三) 法は、個人単位による住民票の調整を原則としており(法六条一項)、氏名、生年月日等の住民個人の同一性を明らかにする事項(法七条一号から三号まで、五号)とともに、住民の住所に関する事項(同条六号から八号まで)及び世帯等の住居に関連した生活関係の事項(同条四号)を住民票に記載することにより、当該住民の居住関係の公証を図っている。したがって、特定の世帯員に関する右記載事項(例えば世帯主との続柄)は、当該個人の居住関係を公証するために必要とされるのであり、世帯主または他の世帯員の居住関係の公証に直接関係するものではない。

ところで、本件住民票の続柄欄の記載行為は、専ら原告花子についてなされたものであるから、その記載による公証が適法に行われることによって得られる法的な利益は、原告花子のみがこれを有するのであって、その世帯主あるいは世帯員であるに過ぎない原告田中及び同福喜多がこれを有するものではないといわなければならない。

そうすると、原告田中及び同福喜多の請求の趣旨1項及び2項の各訴えは、仮に本件住民票の続柄欄の記載行為が抗告訴訟の対象となる行為に該当するものとしても、いずれも原告適格を有しない者の提起した不適法な訴えとして、却下を免れないものというべきである。

2  原告田中及び同福喜多

(一) 被告市長は、本訴提起前の異議申立及び審査請求の手続においては、一貫して本件住民票の続柄の記載行為が行政処分に当たるものとし、また、原告田中及び同福喜多の不服申立適格を肯定して、決定を下し、弁明書を提出してきた。したがって、本訴の段階に至って、これが行政処分に当たらない等として、訴えの却下を求めることは、信義則に反し、許されないものというべきである。

(二) 地方自治法等の関係法規の規定によれば、住民票の記載を要件として、選挙人名簿への登録が行われて選挙権の行使が可能となり、国民健康保険や国民年金に関するさまざまな法的効果が発生する等、住民票の記載は、種々の法律効果の発生のいわば源となっている。

また、住民票の世帯主との続柄の記載自体についても、独立してその記載の修正が行われることがあり、この続柄欄の記載内容を要件として児童手当の受給権が発生する等、その記載が独自に住民の権利義務を形成する法律効果を持つ場合がある。

更に、住民票の記載は、それ自体、住民の居住関係を公証するという法律効果を持つものであり、その世帯主との続柄の記載も、そのような続柄にある者が同一の居住関係にあることを公証するという法律効果を持つものである。

したがって、本件住民票の続柄の記載行為は、抗告訴訟の対象となる「処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当するものというべきである。

(三) 住民票の世帯主との続柄の記載は、住民基本台帳制度の主たる目的が住民の居住関係の公証にあることからして、その公証のために必要な限度の記載に止めるべきである。そのような観点からすると、後記二の請求原因に主張するとおり、住民票の続柄欄に非嫡出子の場合と嫡出子の場合とを差別する記載をすることは、違法なものとして許されないものというべきである。すなわち、被告市長は、本件住民票の続柄欄の記載に当たって、原告田中及び同福喜多が前記請求の趣旨2項で主張するように、嫡出子と非嫡出子とを区別しない記載を行うよう覊束されているのである。

したがって、右請求の趣旨2項の訴えは、いわゆる義務付け訴訟の適法要件を充たしており、適法なものである。

(四) 法六条二項は、世帯を単位として住民票を作成することを認めており、本件住民票は、この世帯単位で作成されたものである。原告田中及び同福喜多の請求の趣旨1項及び2項の訴えは、いずれも自分自身の住民票内に存する違法な記載の取消し等を求めるものであるから、原告らが右訴えの原告適格を有することは明らかである。

また、住民票の続柄欄の記載は、本人と世帯主との関係を示すものであるから、その記載については、本人と世帯主とが共にその当事者の立場に立つものであり、更に、法二六条は、世帯主の固有の権利義務として、世帯員の住民票に関する届出の権利と義務を規定している。このような法の建前からすれば、少なくとも世帯主である原告田中については、本件住民票の原告花子の世帯主との続柄欄の違法な記載について、その取消し等を求める訴えの原告適格が認められるものというべきである。

二  原告らの請求原因

1  原告花子は、原告田中を母とし、原告福喜多を父として、昭和六〇年八月一七日に出生した。

東京都中野区長は、昭和六〇年八月二三日、原告田中から原告花子に係る出生届を受理し、同月二四日付けで、その住所地の被告市長に対し住民票に記載すべき事項の通知をした。これを受けて、被告市長は、同月二九日、職権で原告田中の世帯票(住所 武蔵野市桜堤一丁目二番五四−一号)に、原告花子をその世帯に属する者として所要の事項を記載し、本件住民票の記載を行った。

その際、被告市長は、原告花子の世帯主原告田中との続柄を「子」と記載した。

2  この続柄の記載については、嫡出子の場合には「長男(女)、二男(女)、三男(女)」の例によって記載されることとなっているのに対比すると、本件では、原告花子が非嫡出子であるため、それとは異なった記載方法が取られたものである。

3  しかし、このような方法による嫡出子と非嫡出子とを区別した続柄の記載は、次のような理由で違法なものというべきである。

(一) 住民基本台帳法違反

法による住民基本台帳制度の基本的な目的は、住民の居住関係を公証することにあり、その身分関係を公証することは、むしろ戸籍制度に委ねられている。したがって、住民票に世帯主との続柄を記載するに当たっても、その記載は、住民の居住関係の公証のために必要な限度の記載に止められるべきである。

住民票がこれを第三者も容易に閲覧謄写することのできるものであることからすると、その続柄欄に嫡出子と非嫡出子の区別が明らかになるような記載をすることは、非嫡出子一般に対する社会的差別を助長するものであって、法一条、七条に反するものである。

(二) 憲法一四条違反

親子が嫡出関係にあるか非嫡出関係にあるかで住民票の続柄の記載の仕方を差別することは、すべて国民が「社会的身分」又は「門地」によって差別されないことを定めた憲法一四条一項の規定に違反する。

(三) 憲法一三条違反

一般人に容易に了知可能な住民票の記載において、嫡出子と非嫡出子とを区別した記載方法を取ることは、個人の人格的な尊厳を理由なく侵害し、個人のプライバシーを不必要に侵し、非嫡出子に対する差別を助長して、その人格的発展を妨げるものであるから、個人の人格的利益そのものを保障した憲法一三条の規定に違反する。

また、このような扱いは、「何人も、自己の私事、家庭、家族もしくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。」とする世界人権宣言一二条の精神にも反するものである。

(四) 市民的及び政治的権利に関する国際規約(国際人権規約)違反

住民票の記載に当たっての本件のような扱いは、「すべての児童は」「出生によるいかなる差別もなしに…家族、社会及び国による措置についての権利を有する。」と定めた国際人権規約二四条の規定に違反し、また、法の下の平等を規定した同規約二六条、私生活、名誉及び信用の保護を規定した同規約一七条の各規定にも違反する。

(五) 児童福祉法違反

児童福祉法二条は、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」と規定している。

住民票の記載に当たっての本件のような扱いは、地方公共団体自らが、児童が嫡出子である場合と非嫡出子である場合とで異なる記載をすることにより、児童への差別を助長し、児童を心身ともに健やかに育成することを阻害するものであり、この規定に違反する。

(六) 地方自治法違反

地方自治法一条は、地方公共団体における民主的な行政の確立をその目的として掲げているが、この民主的な行政の確立は、個人の自由と平等という基本的人権の確保なしにはあり得ないものである。また、同法二条一三項は、地方公共団体がその事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めなければならないものと定め、同条一五項は、地方公共団体は法令の違反してその事務を処理してはならないものと規定している。

住民票の記載に当たっての本件のような扱いは、非嫡出子とその親に苦痛を強いるだけで、誰にとっても利益をもたらさず、非嫡出子差別の根拠を行政が作出するようなものであるから、右の各規定に違反する。

(七) 世界人権宣言違反

世界人権宣言二五条二項は、「すべての児童は、嫡出であると否とを問わず、同じ社会的保護を受ける。」と規定し、明白に嫡出子と非嫡出子の差別を禁止している。

住民票の記載に当たっての本件のような扱いは、右の規定に違反する。

(八) 子どもの権利に関する条約違反

平成元年一一月に国連で採択された「子どもの権利に関する条約」は、その一一条で、子どもの出生上の地位による差別を禁止しており、これが嫡出子であるか非嫡出子であるかによる差別を禁止する趣旨を含むものであることは明らかである。

住民票の記載に当たっての本件のような扱いは、右の規定に違反する。

(九) 武蔵野市電子計算組織に係る個人情報の保護に関する条例違反

同条例六条二項は、「人種及び社会的差別の原因となる社会的身分に関する事項」に関する情報は電子計算組織に記録してはならないと規定している。

住民票の嫡出子と非嫡出子とで異なる記載は、この「社会的差別の原因となる社会的身分に関する事項」に該当するものというべきであるから、本件の扱いは右の規定に違反する。

4  以上のとおり、被告市長のした本件住民票の続柄欄の記載処分は、違法として取り消されるべきものであるが、本件においては、原告田中及び同福喜多がその目的を達成するためには、更に、被告市長に対し、嫡出子と非嫡出子とを区別しない新たな続柄欄の記載方法による住民票の発行処分の義務付けを求める必要がある。

5  原告田中及び同福喜多は、婚姻の意思を有し、共同生活を営んできているが、双方とも婚姻に際して氏を変更することを望まないため、婚姻の届出をせず、あえて事実婚を選択している。

被告市長のした本件違法な住民票の記載により、原告田中及び同福喜多は、その子原告花子が、将来社会生活の上でさまざまないわれのない偏見と差別に苦しめられるのではないかとの不安を抱き、苦痛を被っている。また、これによって、原告花子も、将来社会生活の上でいわれのない偏見と差別に苦しめられ、不安、苦痛を被ることは必至である。

この苦痛を慰謝するための慰謝料の額は、原告田中及び同福喜多については各金五〇万円を、原告花子については金二〇〇万円を、それぞれ下ることはない。

また、原告田中及び同福喜多は、本件訴訟の追行を原告訴訟代理人らに依頼し、その費用として各二〇万円を支払った。右の費用も、被告市長の本件不法行為と相当因果関係を有する損害に該当する。

6  よって、原告田中及び同福喜多は、被告市長に対して、請求の趣旨1項及び2項記載のとおり、本件住民票の続柄欄の記載処分の取消しと新たな続柄欄の記載方法による住民票の発行処分の義務付けを求め、また、原告らは、被告市に対して、国家賠償法一条一項による損害賠償として、請求の趣旨3項記載のとおりの金員及びその内の慰謝料分に対する各訴状送達の日の翌日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

三  請求原因に対する被告らの認否及び反論

1  請求原因1及び2の各事実は認める。

2  同3の本件住民票の続柄欄の記載方法が違法であるとの主張は争う。

3  同4の主張は争う。

4  同5の第一段の事実は知らない。その余の主張は争う。

5(一)  住民票には、世帯主でない住民については、世帯主との続柄を記載すべきものとされている(法七条四号)が、その具体的な記載方法は法定されていない。

しかし、現行法上住民基本台帳と戸籍とについて相互に密接な有機的関連を持たせ、両者が相互に連動できるような仕組みが取られていることからすると、世帯主との身分関係が戸籍に記載されているときは、住民票における世帯主との続柄の記載方法についても、身分関係を公証する公簿である戸籍簿の記載方法に合わせた方法を取ることが、社会一般の考え方にも合致して合理的であるし、最も正確でもあり、また、住民個人の同一性の確認、住民の居住関係の公証、各種行政事務処理の便益等の観点からも望ましいものと考えられる。例えば、同一世帯に嫡出子と非嫡出子とが同居している場合、非嫡出子をも嫡出子の出生の順序の中に入れて住民票の続柄を記載すると、戸籍上の嫡出子と実父母との続柄が住民票の記載の上では変更される場合が生じ、戸籍の記載との混乱が生ずることとなる。そのような観点から、現に国が定めて市町村長等に示達している住民基本台帳事務処理要領においても、世帯主との続柄は、非嫡出子については、父の認知があってもその子が父母の婚姻により嫡出子の身分を取得しない限り、単に「子」と記載すべきものとされているのである。

(二)  わが民法は、子の嫡出、非嫡出の別によって、その相続上、親族上の権利義務に差異を設けているが、これは、わが国における親子関係の沿革、嫡出子と非嫡出子の利益の調整等からして合理的な根拠を持つものであり、不合理な差別とはいえないものである。

このため、戸籍の記載においても両者の区別を直接明らかにする記載方法が取られているが、これは、憲法一四条の規定の法の下の平等に違反するものではない。したがって、住民票の記載においても、戸籍の記載に従い、嫡出子と非嫡出子とを区別した記載をすることは、何ら違法なものではない。

また、本件住民票の記載は、世帯主との続柄を単に「子」と表示したものであって、「非嫡出子」と表示するものではなく、これによって社会的保護等の面での差別をするものでもないから、憲法一三条、国際人権規約等の規定に抵触するものでもない。

(三)  したがって、被告市長が本件住民票の原告花子の世帯主との続柄の欄に「子」と記載したことには、何らの違法もないものというべきである。

四  原告らの再反論

1  戸籍は「身分関係」の公証を目的とする制度であるのに対して、住民基本台帳(住民票)は「居住関係」の公証を目的とする制度である。したがって、戸籍と住民票の続柄欄にどのような方法による記載をするかは、各制度の制度目的に沿って各別に考えられるべきものであり、戸籍の記載と住民票の記載とが当然に照応しなければならないというものではない。

現に、現行の住民票の続柄欄の記載方法には、戸籍の記載方法とは異なった扱いとなっている点が多く、戸籍の記載方法に合わせるとの理由で本件の場合の住民票の記載方法を合理化することはできない。例えば、父の先妻との長男と後妻との長男とが共に世帯主である父と同一世帯にいる場合、戸籍では父との続柄はいずれも「長男」と記載されるのに、住民票ではその出生順に「長男」、「二男」と記載されることとなっているのはその一例である。

2  そもそも、現行法が嫡出子と非嫡出子との区別を設けていること自体、法の下の平等を定めた憲法一四条及び家族間の平等を定めた憲法二四条の規定に反するものであり、戸籍の続柄欄の記載を嫡出子の場合と非嫡出子の場合とで区別していること自体が、合理的な理由がなく、憲法一四条に反するものである。したがって、この点からしても、戸籍の記載方法に合わせるとの理由で本件の場合の住民票の記載方法を合理化することはできないものというべきである。

3  また、住民基本台帳制度の目的が住民の居住関係の公証にあることからすれば、住民の世帯主との続柄欄の記載に当たって嫡出子と非嫡出子との区別が明らかとなるような記載方法を取ることには、地方公共団体の行政実務の上でも、何らの必要性も合理性も認められないものというべきである。

現に、他の市区町村の取扱いで、非嫡出子であるのに、その世帯主との続柄を「子」ではなく、「二男」、「二女」等の例によって記載している例が幾つもあるが、これによって何らの不都合も生じていないのである。

第三  証拠<省略>

理由

第一本件住民票の記載について

原告らがその請求原因1において主張するとおり、原告田中及び同福喜多の子である原告花子について被告市長の行った住民票の記載において、原告花子が非嫡出子であるため、その世帯主である原告田中との続柄が「子」と記載され、この記載方法が嫡出子である場合の記載方法とは異なったものとなっていることについては、当事者間に争いがない。

第二原告田中及び同福喜多の被告市長に対する本件住民票の記載の取消し等の請求(請求の趣旨1項及び2項の各訴え)の適否について

一本件住民票の記載行為の処分性

原告田中及び同福喜多の請求の趣旨1項の本件住民票の記載行為の取消しを求める訴えについて、被告市長は、そもそも本件住民票の記載行為は、何らの法的効果をも生じさせるものではないから、抗告訴訟の対象となる「処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しないと主張する。

しかしながら、例えば、原告らも主張するように、法一五条一項及び公職選挙法二一条一項によれば、選挙人名簿の登録は住民基本台帳に登録されている者で選挙権を有するものについて行うものとされ、選挙人名簿に登録されていない者は、原則として公職の選挙において投票をすることができないこととされている(公職選挙法四二条一項)こと等からすれば、住民基本台帳の住民票の記載が、当該住民に対して何らの法的効果をも及ぼさないものとすることは、当を得ないものと考えられる。また、法三一条の二が住民基本台帳の作成等に関する市町村長の処分に対して行政不服審査法上の不服申立てを行うことを認めていることからしても、その具体的な範囲をどのように考えるかはともかくとして、住民基本台帳の作成に関する市町村長の行為の中に、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当するものがあることは、法自体が予定しているものとも考えられるところである。

もっとも、本件において原告らがその取消しを求めているのが、住民票の記載の中の世帯主との続柄の部分のみであることからすると、被告市長の主張するように、その部分の記載のみが独立して当該住民に対して何らかの法的効果を及ぼすものといえるか否かについては、問題の余地がないではないようにも考えられる。

二原告田中及び同福喜多の原告適格

仮に本件住民票の続柄欄の記載行為が抗告訴訟の対象となる処分に当たるとされる場合にあっても、その取消し等を求める訴えを提起できる者が、その取消しを求めるについて法律上の利益を有する者に限られることはいうまでもないところである。

ところで、住民基本台帳については、被告市長の主張するとおり、原則として、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成すべきものとされており(法六条一項)、右住民票には、住民の氏名、生年月日、世帯主との続柄、戸籍の表示等が、その個人ごとに記載されることとなっている(法七条)。このような法の建前からすれば、住民基本台帳による住民の居住関係の公証や選挙人名簿の登録等の事務の処理も、あくまで個々の住民を単位として独立に行うことが予定されているものと考えられ、その住民票の記載が個々の住民に及ぼす法的効果や利益等も、その個人単位で独立に理解されるべきものと考えられる。そうだとすると、本件において取消しが求められている本件住民票の原告花子の世帯主との続柄の記載については、その記載の適否について法的な利害関係を有するのは原告花子のみであって、その世帯主あるいは世帯員であるに過ぎない原告田中及び同福喜多については、そのような法的な利害関係は認められないものといわなければならない。

この点について、原告らは、本件住民票が世帯を単位として作成されていることを理由に、あるいは世帯主との続柄の記載については本人と世帯主の両者がその当事者の立場に立つこと、更には法二六条によって世帯主に世帯員の住民票に関する届出の権利義務が付与されていることを理由に、原告田中及び同福喜多の両名あるいは少なくとも原告田中について、右住民票の記載の適否に関する法的な利害関係が肯定されるべきであると主張する。

しかし、法六条二項によれば、本来個人を単位として作成されるべき住民票を市町村長が適当であると認めるときに世帯を単位とすることができるものとされているに過ぎないことからして、たまたま世帯を単位とする住民票が作成された場合に限ってその一人の世帯員が他の世帯員に関する住民票の記載の適否についても法的な利害関係を有するに至るものとは到底考えられない。また、世帯主との続柄の記載についても、あくまで個々の世帯員ごとに独立した記載が行われる建前になっていること(法七条)からすれば、世帯主であるからといって、他の世帯員の住民票に記載されたその続柄欄の記載の適否についても法的な利害関係を有するものとは解しがたいところである。更に、法二六条の規定も、単に世帯主が世帯員に代わって法による届出をする権利と義務を有するものと定めているに過ぎないから、この規定を根拠に、世帯員の住民票の記載について世帯主にも固有の法的な利害関係が認められているとすることは困難である。

結局、原告らの右の主張は採用できない。

三結論

そうすると、原告田中及び同福喜多から提起された本件原告花子の住民票の記載の取消し等を求める請求の趣旨1項及び2項(この2項の訴えも、公権力の行使に関する不服の訴訟として、抗告訴訟に該当することは明らかであるから、その訴訟を提起することができる者の資格について、1項の訴えの場合と同一の要件が要求されることは、いうまでもないところである。)の訴えは、いずれも原告適格を有しないものから提起されたこととなり、前記一の処分性の有無の点を含むその余の点について判断するまでもなく、不適法な訴えとして却下を免れないこととなる。

なお、原告らは、被告市長が本件住民票の記載に関する原告田中らからの不服申立てを、異議申立及び審査請求の段階では適法として扱っておきながら、本訴の段階に至ってこれを不適法なものと主張することは、信義則に反し許されないと主張する。しかし、本件訴えが、適法なものであるか否かは、被告市長からの主張を待つまでもなく、当裁判所自らが職権によって判断しなければならない事項であるから、原告らの右主張は採用できない。

第三原告らの被告市に対する損害賠償請求(請求の趣旨3項の訴え)の当否について

一被告市長のした本件住民票の記載の適否の判断の基準

原告らの被告市に対する損害賠償請求が、被告市長のした本件住民票の記載が違法であるとして、国家賠償法一条一項に基づき、被告市に対して損害賠償を求めるものであることは、前記のとおりである。

そうすると、原告らのこのような請求との関係で、被告市長のした本件住民票の記載の適否あるいは被告市長の過失の有無を判断するに当たっては、その記載の方法が客観的にみて法令に違反する違法なものであったか否かという観点からではなく、むしろ、右の行為の時点において住民基本台帳の作成に関する事務を担当する一地方自治体の長としての被告市長に通常要求される職務上の法的義務の内容に照らして、その記載の方法に職務上の義務に違背したと見られる点があるか否かという観点に立って、その適否あるいは過失の有無が判断されるべきであることは、いうまでもないところである。

そのような観点からすれば、右住民票の記載方法について、行政実務上の取扱いとして広く採用されている一定の確立した方法があり、その方法にそれなりの十分な根拠があると考えられる場合には、それにもかかわらずなおその取扱いが違法なものであることが明らかに認められるといった特段の事情がある場合でない限り、被告市長がその取扱い方法に従ってした事務処理については、これをその職務上の義務に違背してなされた違法なものとし、あるいはその事務処理について被告市長に過失があったとすることはできないものと考えられる。

二住民基本台帳事務処理要領の定めとその根拠

1  住民基本台帳の住民票の記載の方法等に関しては、国において、その統一的な運用の指針として、住民基本台帳事務処理要領を定めており、この要領が、法務省民事局長、厚生省保険局長、社会保険庁年金保険部長、食糧庁長官及び自治省行政局長から各都道府県知事に通達されるとともに、市町村にも示達されている<証拠>。市町村長の行う住民基本台帳の整備、作成等に関する事務については、その性質上、全国的に統一された処理が要求されることはいうまでもないところであり、国がこのような事務処理要領を定めてこれを各地方自治体に通達することの必要性、合理性は、十分に肯認できるところである。

右事務処理要領によれば、住民票の世帯主との続柄欄の記載方法は、嫡出子については、「長男」、「二女」等の例によることとされているのに対し、嫡出でない子の場合には、単に「子」と記載することとされている。被告市長のした本件住民票の記載が、右事務処理要領の定めに従って行われたものであることは、前記被告らの主張からして明らかである。

2  住民基本台帳の制度は、「市町村において、住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図……るため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う」制度として定められているもの(法一条)であり、その住民票の記載事項として、世帯主でない住民については、世帯主との続柄を記載すべきことが法定されている(法七条四号)。

右の世帯主との続柄とは、世帯主との身分上の間柄をいうものと解されるが、わが国においては戸籍が国民の身分関係を公証する唯一の公簿としての機能を果たしていることからして、右の続柄を記載するに当たっても、戸籍の記載に照応させた記載方法をとることが、「正確かつ統一的な住民に関する記録」という住民基本台帳制度の目的、機能からしても、合理的な理由を持つものと考えられる。現に、被告らの指摘するとおり、住民基本台帳法施行令一二条二項が、市町村長が、住民票の記載事項の内の戸籍に関する事項についてその変動、訂正等の届書等を受理した場合等に、職権でこれに照応した住民票の記載等を行うべきものとし、また、法自体にも、戸籍と住民票の共通記載事項についてそれぞれの記載の一致を図り、戸籍と住民票が相互に連動できるようにするための各種の規定が置かれている(法一六条から一九条まで)こと等からすれば、法自体が、戸籍における記載と住民票における記載との間に一定の照応関係が保たれることを要求しているものとも解されるのである。

3  ところで、わが民法は、子が嫡出の子であるか嫡出でない子であるかによって、その相続法上あるいは親族法上の権利義務に差異を設けている。このような法制の在り方は、法の定めるところによって届出を行うことにより始めて婚姻の効力が発生するものとし、このような法律上の婚姻によって成立した家族の利益の保護を第一義に考えるという観点をその根拠とするものであり、それなりの合理的な根拠を有しているものと考えられる。

右のような民法上の嫡出である子と嫡出でない子の区別に応じて、戸籍上の続柄の記載方法も、嫡出子の場合が「長男」、「二女」等の例によることとされているのに対し、嫡出でない子の場合は、単に「男」、「女」の方法で行うべきものとされ(戸籍法四九条二項一号、同法施行規則付録六号ひな形)、両者で異なった記載方法が定められているのである。

前記事務処理要領による住民票の世帯主との続柄欄の記載方法は、右のような事情を踏まえて定められたものと考えられ、右の戸籍の記載方法に対応して、嫡出でない子の世帯主との続柄を、単に「子」と記載することとしたものと解される。

そうすると、右の事務処理要領の記載方法の定めは、右のようなわが民法上の嫡出子と嫡出でない子との区別を前提とする限りは、それなりに十分な根拠があるものというべきである。

もっとも、戸籍の記載方法と住民票の記載方法とを対比した場合、特殊なケースにあっては両者の記載に食い違いが生じてくる場合のあることは、原告らの主張するとおりである。しかし、このような食い違いは、被告らも主張するとおり、戸籍の記載と住民票の記載の照応ということを原則としながらも、住民票の記載の場合には、世帯主との関係という戸籍の記載の場合とは別の観点からする表示をも要求されることから、例外的な扱いの必要が生じてくることによるものと解することができるのであって、このことによって、右の事務処理要領の定めの基本となる考え方自体の合理性が否定されることとなるものではない。

三被告市長のした本件住民票の記載方法の適否等

1  右のとおり、住民票の世帯主との続柄欄の記載方法については、国の定めた統一的な要領があり、しかも、右要領の定めにはそれなりの十分な根拠があるものと考えられるのであるから、被告市長が右要領の定めに従って行った本件住民票の記載については、特段の事情のない限り、これを職務上の義務に違背してなされた違法なものとし、あるいはその事務処理について被告市長に過失があったとすることはできないものというべきである。

2  この点について、原告らは、まず、現行法が嫡出子と非嫡出子との区別を設けていること自体が法の下の平等を定めた憲法一四条及び家族間の平等を定めた憲法二四条の規定に違反するものであると主張する。しかし、嫡出である子と嫡出でない子の区別によって相続法上あるいは親族法上の権利義務に差異を設けている現行の法制が、合理的な根拠を欠くものとまで考えられないことは前記のとおりであるから、原告らの右主張は採用できない。

次に、原告らは、住民票の記載に当たって本件のように嫡出である子の場合と嫡出でない子の場合とで異なった記載をすることが、憲法一三条及び一四条の規定、国際人権規約、世界人権宣言及び子どもの権利に関する条約といった国際法規の定め、児童福祉法及び地方自治法といった法律の規定、更には武蔵野市電子計算組織に係る個人情報の保護に関する条例の規定に違反すると主張する。しかし、嫡出でない子の住民票の世帯主との続柄欄の記載について本件のような方法が取られている理由が前記のようなところにあり、その扱いにそれなりの合理的な根拠があるものと考えられることからすれば、このような扱いが憲法一三条及び一四条の規定に違反するものとまですることは困難であり、同様に、国際人権規約の規定や児童福祉法、地方自治法等の法律の規定に違反するものとすることも困難である。なお、原告らの援用する世界人権宣言は、国際義務を生ずる条約ではなく、加盟国を法的に拘束する国際法規ではないし、子どもの権利に関する条約は、本件住民票の記載が行われた昭和六〇年八月の時点では、わが国による批准はもとより、未だ国連における採択自体が行われていなかった条約であることが明らかであり、これらの条約等の違反をいう原告らの主張は、その主張自体において失当なものというべきである。更に、武蔵野市電子計算組織に係る個人情報の保護に関する条例についても、同条例が本件のような住民票の記載を電子計算組織に記録することまでを禁止しているものとは到底解し得ないところである。

いずれにしても、原告らの主張する右のような点からしては、前記住民基本台帳事務処理要領の定めによる取扱いが違法なものであることが明らかに認められるような事情があったものとまですることは、到底困難なものといわざるを得ない。

3  次に、原告らは、住民票の世帯主との続柄欄の記載は、住民基本台帳制度の目的である住民の居住関係の公証のために必要な限度に止められるべきであり、第三者が容易に閲覧謄写することのできる住民票に、嫡出子と非嫡出子との区別が明らかになるような記載をすることは、地方自治体の行政事務処理の上でも何らの必要もないことであり、むしろ、非嫡出子に対する社会的差別を助長することにつながるという弊害が考えられるだけであるから、このような記載は、法一条及び七条の規定に違反すると主張する。

確かに、<証拠>等にもあるとおり、社会において、就職や結婚等の機会に、非嫡出子に対するいわれのない差別的扱いが行われる例があることは否定できないところであり、また、戸籍簿に比べて第三者による閲覧等が比較的容易に認められている住民票の場合には、その子の世帯主との続柄に関する記載が第三者の目に触れることとなる可能性も相対的に高くなるものと考えられるところである。現に、このような点に配慮してか、自治体によっては、住民票の続柄欄の記載について、嫡出の子である場合と嫡出でない子である場合とで区別しない記載方法をとっている例もあり、被告市の窓口においても、かつてそのような扱いが行われた実例があることが認められる<証拠>。また、住民票の世帯主との続柄欄の記載について、子が嫡出子であるか非嫡出子であるかの別が判明しないような記載方法を取ることとなった場合に、これによって自治体の行政事務の処理等の面でどのような支障が生ずることとなるかの点については、被告らから特段の主張、立証はなされていない。

右のような事情からすれば、住民基本台帳制度の運用上、住民の世帯主との続柄欄に子の嫡出と非嫡出の別が判明するような記載をすることの必要性がおよそ考えられないものであれば、その記載方法について両者の区別を廃した、現行の事務処理要領の定めとは異なる記載方法を工夫するということも、考えられないことではない。

しかし、右のような新たな記載方法を工夫するということになれば、例えば被告らも主張するとおり、非嫡出子をも嫡出子の出生順序の中に組み入れてその続柄を記載することとすると、嫡出子と実父母との続柄の記載が戸籍上のそれと合致しないことになるといった難点も考えられ、また、前記のとおり全国的に統一した事務処理が要求される制度の性質からして、一部の自治体のみが住民票の世帯主との続柄欄について全国的な扱いとは異なる記載方法を採用した場合には、これによって他の面での種々の不都合が生じてくるというおそれも十分に考えられるところである。

そうすると、住民票の世帯主との続柄欄の記載について、仮に子の嫡出と非嫡出との別が明らかにならないような記載方法が望ましいと考えられる面がある場合であっても、前記のとおりこれと異なる統一的な記載方法の定めが国から通達されており、全国の市町村においてそれに従った扱いが行われているという状況の下では、被告市長が右の統一的な定めに従った記載方法による事務処理を行ったことをもって、被告市長に職務上の義務に違背する違法があり、あるいは被告市長に過失があるとまですることは、困難なものといわなければならない。

4  結局、被告市長のした本件住民票の記載について違法な点があり、あるいはその事務処理について被告市長に過失があったものとすることはできないこととなる。

四結論

そうすると、原告らの被告市に対する請求の趣旨3項の損害賠償の各請求は、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がないものとして、棄却を免れない。

(裁判長裁判官涌井紀夫 裁判官市村陽典 裁判官小林昭彦は、転官のため、署名押印することができない。裁判長裁判官涌井紀夫)

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