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東京地方裁判所 昭和61年(ワ)2964号 判決 1988年12月09日

原告

株式会社 写研

右代表者代表取締役

石井裕子

右訴訟代理人弁護士

花岡巌

阿部正幸

新保克芳

被告

リョービ株式会社

右代表者代表取締役

浦上浩

被告

リョービイマジクス株式会社

右代表者代表取締役

吉田市郎

右両名訴訟代理人弁護士

佐藤正昭

右輔佐人弁理士

渡辺望稔

主文

一  被告リョービ株式会社は、別紙目録記載の文字枠固定装置及び同装置を使用した写真植字機を製造販売してはならない。

二  被告リョービイマジクス株式会社は別紙目録記載の文字枠固定装置及び同装置を使用した写真植字機を販売してはならない。

三  被告両名は、その占有に係る別紙目録記載の文字枠固定装置及び写真植字機に使用されている同文字枠固定装置を廃棄せよ。

四  原告のその余の請求を棄却する。

五  訴訟費用は、被告らの負担とする。

六  この判決は、右一ないし三について仮に執行することができる。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  主文第一、第二項と同旨。

2  被告両名は、その占有に係る別紙目録記載の文字枠固定装置及び同装置を使用した写真植字機を廃棄せよ。

3  主文第五項と同旨。

4  右1、2について仮執行の宣言。

二  請求の趣旨に対する答弁

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

第二  当事者の主張

一  請求の原因

1  原告は、次の特許権(以下「本件特許権」といい、その特許発明を「本件発明」という。)を有する。

特許番号  第一〇八七五七八号

発明の名称  写真植字機における文字枠固定装置

出願  昭和四八年三月二〇日

出願公告  昭和五二年一一月一六日

登録  昭和五七年二月二六日

2  本件発明の特許出願の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の記載は、本判決添付の特許公報(以下「本件公報」という。)の該当項記載のとおりである。

3(一)  本件発明は、次の構成要件からなるものである。

A コイルへの通電によって励磁する磁極をもつステーターと、あらかじめ角θに相当する負荷がかけられ前記ステーターの励磁によって角θだけ回転するローターから成る駆動源と、

B 右ローターの回転軸に揺動するよう取付けたラック押えから成り、

C 右駆動源で右ラック押えを動作して文字枠のラックと係合するようにした写真植字機における文字枠固定装置。

(二)  本件発明は、次の作用効果を奏する。

文字枠固定装置には、従来から電磁的なものと機械的なものとがあったが、電磁的なものは、文字枠を軽快に操作し固定することができるが、文字枠を固定するたびに電磁石とその吸引片との衝突音が発生し、かなりの騒音となって、オペレータに不快感を与えてしまうという欠点があり、他方、機械的なものは、騒音をかなり除去することができるが、部品数が多くなったり、経年変化が現れたりするだけでなく、オペレータの文字枠固定操作に軽快さを欠いてしまうという欠点があったところ、本件発明による文字枠固定装置は、電磁的なものによる操作性と機械的なものが持つ静粛性などの特徴を併せて持つものであって、従来のこの種の装置に存した前述のような欠点を解消したものである。

4  被告リョービ株式会社(以下「被告リョービ」という。)は、別紙目録記載の文字枠固定装置(以下「被告装置」という。)を製造販売し、更に、被告装置を使用した写真植字機を製造販売している。また、被告リョービイマジクス株式会社(以下「被告イマジクス」という。)は、被告装置及び被告装置を使用した写真植字機を販売している。

5  被告装置は、次に述べるとおり、本件発明の構成要件をすべて充足し、本件発明の技術的範囲に属する。

(一) 被告装置の駆動源は、別紙目録の(1)記載のとおり、コイルへの通電によって励磁する磁極を持つステーター1A(数字又は符号は、別紙目録記載の数字又は符号を示す。被告装置につき以下同じ。)と、同ステーターの励磁により回転するローター1Bとから構成されている。そして、右ローター1Bの回転軸に装着された揺動杆2は、別紙目録の(2)記載のとおり、スプリング5により常に上方向、すなわち、別紙目録の第2図でいえば、時計の針と逆方向に、一定の角度θに相当する分付勢されており、ローター1Bは、ステーター1Aの励磁により角θだけ時計の針の方向に回転する。したがって、被告装置の駆動源は、本件発明の構成要件Aを充足する。

(二) 被告装置は、別紙目録の(3)記載のとおり、本件発明のラック押えに該当するラック固定爪10が、ローター1Bの回転軸3に装着されている揺動杆2及びプルロッド7を介して、右ローター1Bの回転軸3の回転により揺動するようになっているところ、本件発明の構成要件Bは、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられている場合に限らず、駆動源とラック押えを連結させる何らかの装置を介して回転軸の回転がラック押えの揺動となるように連結している構成のものも含むものというべきであるから、被告装置のラック固定爪10は、本件発明の構成要件Bを充足する。すなわち、本件発明の構成要件Bを右のように解すべきことは、本件発明の特許請求の範囲の記載自体から明らかであり、更に、本件明細書の発明の詳細な説明の項及び本件発明の特許出願の願書に添付した図面には、本件発明の実施例として、ラック押えが偏心輪と回転ローラーを介してローターの回転軸に取付けられている構成のものが明示されているから(本件公報三頁六欄八行ないし三三行及び第5図参照。以下右実施例を「第5図の実施例」という。)、この第五図の実施例からも、本件発明がラック押えをローターの回転軸に直接取付けた構成のものに限られるものではなく、何らかの装置を介して間接的に取付けられた構成のものも含むことが明らかである。

(三) 被告装置は、別紙目録の(4)記載のとおり、駆動源1のローター1Bがステーター1Aの通電により回転し、そのため揺動杆2がプルロッド7を下に引張る方向に揺動し、それによりラック固定爪10の先端部が下降し、ラック14と係合して文字枠が固定されるようにした写真植字機における文字枠固定装置であるから、本件発明の構成要件Cを充足する。

6  よって、原告は、本件特許権に基づき、被告リョービに対し、被告装置及び被告装置を使用した写真植字機の製造販売の差止め、被告イマジクスに対し、被告装置及び被告装置を使用した写真植字機の販売の差止め、並びに、被告両名に対し、その占有に係る被告装置及び被告装置を使用した写真植字機について、侵害行為を組成したものとして、その廃棄を求める。

二  請求の原因に対する被告らの認否及び主張

1(一)  請求の原因1ないし4の事実は認める。

(二)  同5(一)、(三)の事実は認め、同(二)の事実は否認する。

2 本件発明の構成要件Bのラック押えは、次に述べるとおり、ローターの回転軸に直接取付けられている構成のものに限られると解すべきところ、被告装置のラック固定爪10は、ローター1Bの回転軸3に直接取付けられている構造のものではないから、被告装置は、本件発明の構成要件Bを充足せず、本件発明の技術的範囲に属しない。すなわち、本件明細書の特許請求の範囲には、「ローターの回転軸に揺動するよう取付けたラック押え」との記載があるが、右記載中「揺動するよう」とは、ラック押えの挙動を示すものであるから、右記載は、「ローターの回転軸に取付けたラック押え」と解すべきであり、そして、「取付けた」という文言は、ある部材A自体を部材Bに対しそのまま取外し可能に固着するという意味の用語であるから、「取付けた」という文言の中には、本来「直接固定した」という意味が含まれているのであり(「取付」という語が「固着」という意味の語であることは、日刊工業新聞社発行の「機械用語辞典」三七一頁において、「取付具」はfixture〔フィクスチュア〕、「取付ベルト車」はfast pulley〔固定車〕と説明されているところ、右の「fixture」及び「fast」が「固着」、「定着」又は「固定」という意味であることからも明らかである。)、したがって、本件明細書の特許請求の範囲の右記載によれば、本件発明は、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられているものに限られ、その間に中間介在物を有しない構成のものであることが明らかである。また、原告は、昭和五三年八月三日付特許異議答弁書の中で、「本願発明は、……このローターの回転軸に取付けられたラック押えを揺動させて……構成したことを要旨とする」(同答弁書六頁一七行以下)と述べており、右記載からも、前述のとおり、本件発明のラック押えは、ローターの回転軸に直接取付けられたものであることが明らかである。

原告は、本件発明のラック押えは、ローターの回転軸に直接取付けられている構成のものに限られない旨主張し、その理由として、第5図の実施例を挙げるが、第5図の実施例では、スプリングが存在せず、したがって、ラック押え24a(数字又は符号は、本件公報記載の数字又は符号を示す。本件発明につき以下同じ。)をスプリングにより上方向に付勢していないので、駆動源27の電源を切っても、ラック押え24aが元の位置まで戻らず、ラック14(21)との係合を解除することができないのであって、右実施例は、文字枠固定装置として実際上利用しえない未完成発明であるから、本件発明の実施例ということはできない。また、第5図の実施例は、前述のとおり、ラック押え24aをスプリングにより上方向に付勢していないので、ローターに対しあらかじめ角θに相当する負荷がかけられているということはできないから、本件発明の構成要件Aを充足せず、したがって、本件発明に含まれる実施例とはいえない。原告は、後記三1のとおり、本件発明の特許出願の願書に添付した図面の第5図中にスプリングが記載されていないのは、単にその記載が省略されているにすぎない旨主張するが、第5図の実施例においては、ラック押え24aがスプリングの収縮力により上方へ付勢され、元の位置まで自動的に戻されるのであれば、取付部41の上側の梁は、ラック押え24aの上昇下降にとって何の役割も果たさず不要であり、したがって、取付部41に上側及び下側の梁を有する第5図の実施例では、スプリングを設けることは不自然であり、機械的常識に反する。また、原告は、右図面の第5図では、ラック14(21)及び受台28も、スプリングと同様にその記載が省略されている旨主張するが、これらは、本件発明の必須の構成要件であるスプリングと異なり、本件発明の必須の構成要件ではないために省略されているとも考えられるのであるから、これらとスプリングとを同一に論ずることはできないし、また、ラックについては、本件明細書に、第5図の実施例の説明として、「文字枠Dのラックと係合させれば」(本件公報三頁六欄一九行、二〇行)と記載され、その存在が開示されているから、図面上ラックが省略されていることが分かるが、スプリングについては、右のような記載は全く存しないので、図面上省略されているともいえない。更に、原告は、後記三1において、本件明細書の発明の詳細な説明の項には、第5図の実施例の説明として、「駆動源27が前述したような要領で動作すると」(本件公報三頁六欄一五行、一六行)と記載され、そして、右の「前述したような要領」の中に、「ここでコイル31への電気を切れば、ステーター33の磁力がなくなるのでローター34はスタート位置へスプリング29の力によって復帰する」(本件公報二頁四欄二九行ないし三二行)と明示されているから、スプリングは図面上省略されているにすぎない旨主張するが、「前述したような要領」とは、ラック押え24aを図面上時計方向に揺動させ、ラックと係合させるまでの動作を指すのに対し、原告が明示されていると主張する部分は、右動作の後に続く文字枠固定の解除動作を示す部分であるから、この部分が「前述した要領」に含まれないことは本件明細書上明らかである。

3  本件特許権は、次に述べるとおり、当然に無効であって、実質的に効力を有しないから、このような本件特許権に基づき差止請求権は発生しない。

(一) 本件発明の構成要件Aは、昭和四八年一月二二日発行の日刊工業新聞の一七面に掲載された「アクト技研 スタート時点で最大トルク 新型の回転型電磁石、三月に市販」との見出しの株式会社アクト技研(以下「アクト技研」という。)製の商品名をソラックとする新型ロータリーソレノイド(以下「ソラック」という。)に関する記事に記載されている。ただ、右記事には、ソラックを写真植字機の文字枠固定装置に使用することは直接記載されていないのであるが、従来から存するロータリーソレノイドを写真植字機の文字枠固定装置の駆動源として用いることは、本件発明の特許出願前に、業界において公然知られ、又は公然実施されていたことであるから、本件発明は、ロータリーソレノイドを駆動源とする公知又は公用の文字枠固定装置において、そのロータリーソレノイドを前記公表されていたソラックに置き換えただけの発明であり、また、本件発明の駆動源の作用効果も、トルク特性によりラックの係合の際の騒音を防止するというものであって、前掲新聞にソラックの特性として紹介されているものにすぎず、したがって、本件発明は、単に公知技術を組み合わせたものであって、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法二九条二項の規定に違反して特許されたものとして無効である。

(二) アクト技研の代表者である上野利夫は、昭和四八年二月頃、原告の社員であり、本件発明の発明者の一人でもある榎本親房から、本件発明についての明細書及び図面の案を見せられ、その内容をチェックし、本件明細書の作成に協力しているが、そのとき、本件発明の内容を知得しており、かつ、本件発明に関する秘密を保守すべき者ではないため、本件発明は、特許出願時において新規性を喪失しており、特許法二九条一項一号の規定に違反して特許されたものである。また、仮に、右上野が、本件明細書の作成に実質的に関与していたとすれば、上野は、本件発明の完成に貢献しているから、本件発明についての共同発明者ということになり、本件発明は、上野から特許を受ける権利を承継していない原告により出願されたものであって、特許法三七条の規定に違反して特許されたものであり、無効である。

三  被告らの主張に対する原告の反論

1  被告らの主張2について

本件明細書の特許請求の範囲の「ローターの回転軸に……取付けたラック押え」との記載及び前記特許異議答弁書の記載からは、本件発明はラック押えがローターの回転軸に直接取付けられた場合に限定されるとする理由は全くない。被告らは、「取付けた」という文言は、ある部材A自体を部材Bに対しそのまま取外し可能に固着するという意味の用語であるから、「取付けた」という文言の中には、本来「直接固定した」という意味が含まれている旨主張するが、「取付ける」という文言は、「ある物を他の物に装置する」(広辞苑第三版)という意味の用語であるから、被告らのように、「固着する」とか、「直接固定した」という意味に解するのは、日本語の解釈として正しくない。また、被告らが引用する「機械用語辞典」においても、「取付具」を「工作物を加工できるように機械に取付ける装置」と説明しているのであって、取付具を介して工作物を機械に設置することを、「取付ける」という用語で表明しているのであるから、「取付ける」という用語が、「直接取付ける」という意味に限られるとする被告らの主張の理由がないことは、この点からも明らかである。

被告らは、第5図の実施例では、スプリングが存在せず、したがって、ラック押え24aをスプリングにより上方向に付勢していないことを理由として、(1)第5図の実施例は、未完成発明であるから、本件発明の実施例ということはできない、(2)第5図の実施例は、本件発明の構成要件Aを充足しないものであるから、本件発明に含まれる実施例とはいえない旨主張するが、本件発明の特許出願の願書に添付した図面の第5図にスプリングが記載されていないのは、単にその記載が省略されているにすぎず、したがって、被告らの右主張は失当である。すなわち、本件発明のもう一つの実施例が同図面の第2図に記載されていて(以下「第2図の実施例」という。)、右第2図に記載されているラック14(21)、受台28及びスプリング29は、いずれも同図面の第5図では記載されていないが、別の実施例を説明する際に、実施態様の異なる部分だけを取り上げて説明し、前の実施例と共通する構成の部分の記載を省略することは、明細書の記載方法として一般的に行われていることであって、第5図においても、第2図に記載されているラック、受台及びスプリングの記載が、その構成を共通にするものとして省略されているにすぎないのである。しかも、本件明細書の発明の詳細な説明の項には、第5図の実施例の説明として、「駆動源27が前述したような要領で動作すると」(本件公報三頁六欄一五行、一六行)と記載され、そして、右の「前述したような要領」の中に、「ここでコイル31への電気を切れば、ステーター33の磁力がなくなるのでローター34はスタート位置へスプリング29の力によって復帰する」(本件公報二頁四欄二九行ないし三二行)と明示されているから、スプリングは図面上省略されているにすぎないのであり、また、本件明細書には、「この第5図によるラック押えの揺動量は偏心輪42の偏心量や第3図で述べた角θ値、軸40から回転軸26までの距離などを適宜選んでやれば任意に定めることができる」(本件公報三頁六欄二一行ないし二五行)と記載されていて、第5図の実施例の場合も、第2図の実施例の場合と同様に、角θの負荷をかけることが明示されているのであるから、第5図の実施例が本件発明の構成要件Aを充足しないという被告らの主張も失当である。また、被告らは、前記ラック14(21)及び受台28は、本件発明の必須の構成要件であるスプリングと異なり、本件発明の必須の構成要件ではないために省略されているとも考えられるのであるから、これらとスプリングとを同一に論ずることはできない旨主張するが、構成要件Cから明らかなように、ラックの存在は本件発明の必須の構成要件であり、したがって、被告らの右主張もまた失当である。

2(一)  被告らの主張3(一)について

被告らが掲げる新聞から明らかなように、同新聞には、ソラックの構成は明らかにされてはいない。また、本件発明は、被告らが掲げるほかに、ラック押えの正確性、安定性及びラックとラック押えの接触によって生ずる音の改善も、その目的及び作用効果としているのである。したがって、本件発明が公知技術から容易に発明をすることができた旨の被告らの主張は、失当である。

(二)  被告らの主張3(二)について

アクト技研の代表者の上野は、仮に、本件発明の内容を本件発明の特許出願前に知らされていたとしても、社会通念上それを秘密にすることが暗黙のうちに求められ、しかも、これを期待することができる状況にあった者であるから、被告らの主張は、失当である。

第三  証拠関係<省略>

理由

一請求の原因1の事実は、当事者間に争いがない。

二同2の事実も当事者間に争いがなく、右争いのない事実及び成立に争いのない甲第二号証によれば、本件発明は、請求の原因3(一)記載の構成要件からなるものであることが認められる。

三同4の事実は、当事者間に争いがなく、右事実によれば、被告リョービは、被告装置及び被告装置を使用した写真植字機を製造販売し、また、被告イマジクスは、被告装置及び被告装置を使用した写真植字機を販売していることが認められる。

四そこで、本件発明と被告装置とを対比する。

前掲甲第二号証によれば、(1)従来、文字枠固定装置には機械的なものと電磁的なものとがあるところ、電磁的なものでは、文字枠固定操作を軽快に行うことができるが、文字枠を固定するたびに電磁石とその吸引片との衝突音が発生し、かなりの騒音となって、オペレーターに不快感を与えてしまうとの欠点があり、また、機械的なものでは、騒音をかなり除去することができるが、部品数が多くなったり、経年変化が現れたりして、オペレーターの文字枠固定操作に軽快さを欠いてしまうという欠点があったこと、(2)本件発明は、右欠点を解消し、コイルへの通電によって励磁される磁極をもったステーターで、あらかじめ角θに相当する負荷をかけてあるローターの凸部を吸引して回転させ、それによってローターの回転軸でラック押えを揺動してラックと係合させ、文字枠を固定して所望の位置に印字しようとする文字の位置を定めるようにすることを目的として、特許請求の範囲記載のとおりの構成を採用し、これにより、オペレーターは、騒音に悩まされることなく、軽快に作業を進めることができ、しかも、文字枠固定操作により規定する位置は、経年変化を受けず、かつ、ラック押え装置の影響を受けない正確なものであり、更に、ラック押え装置の駆動源は、無接触で運動するから音を発したり故障が起きたりせず、動作する質量も少ないから高速作動が可能となるなどの効果を奏するものであることが認められる。

これに対して、被告装置は、別紙目録記載の構造のものであるところ、このうち、同目録の(1)、(2)記載の構造が本件発明の構成要件Aを、同目録の(4)記載の構造が本件発明の構成要件Cをそれぞれ充足することは、当事者間に争いがない。そこで、被告装置が構成要件Bを充足するか否かについて判断するに、被告装置は、別紙目録の記載によれば、本件発明のラック押えに該当するラック固定爪10が、ローター1Bの回転軸3に装着されている揺動杆2及びプルロッド7と連結され、ローター1Bの回転軸3の回転により揺動するようになっている構造のものであることが認められるところ、前掲甲第二号証によれば、本件発明の構成要件Bの「ローターの回転軸に揺動するよう取付けたラック押え」とは、次に述べるとおり、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられている構成のものに限られず、ラック押えとローターの回転軸とが何らかの装置を介して連結され、ローターの回転軸の回転がラック押えの揺動となるように構成されているものも含むものと認められるのであり、したがって、被告装置は、本件発明の構成要件Cを充足するものである。すなわち、前掲甲第二号証によれば、(1)本件明細書の特許請求の範囲には、「ラック押え」が「ローターの回転軸に揺動するよう取付け」られるものと記載されているにすぎず、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられるものと記載されていないこと、(2)本件明細書の発明の詳細な説明の項には、第2図の実施例として、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられている構成のものが示されているが(本件公報第2図参照)、第5図の実施例として、ラック押えが、偏心輪及び回転ローラーを介してローターの回転軸に連結され、間接的にローターの回転軸に取付けられている構成のものが示されている(本件公報第5図参照)ことが認められ、右認定の事実によれば、本件発明の構成要件Bにいう「ローターの回転軸に揺動するよう取付けたラック押え」における「取付けた」とは、ラック押えが、ローターの回転軸に直接取付けられている構成のもののみならず、他の部材を介してローターの回転軸に連結され、間接的にローターの回転軸に取付けられている構成のものも含むことが明らかである。被告らは、「取付けた」という文言の中には、本来「直接固定した」という意味が含まれている旨主張するが、被告らが右主張事実を立証する証拠として提出する成立に争いのない乙第一号証によれば、日刊工業新聞社発行の「機械用語辞典」には、「取付具」について「部品加工の際、工作物を加工できるように機械に取付ける装置」と説明されていることが認められ、右認定の事実によれば、工作物を取付具を介して機械に固定する場合にも「取付ける」との文言が使用されていることが認められ、したがって、右乙第一号証によっても、「取付けた」との文言が被告らの右主張する意味に限られるものとは認められず、また、他に右主張事実を認めるに足りる証拠はないから、被告らの右主張は、採用の限りではない。更に、被告らは、本件発明の特許出願の願書に添付した図面の第5図(本件公報の第5図)にスプリングが図示されていないことを根拠として、第5図の実施例は、文字枠固定装置として実際上利用しえない未完成発明であるとか、本件発明の構成要件Aを充足しないものであるから、本件発明に含まれる実施例とはいえない旨主張するが、前掲甲第二号証によれば、第5図の実施例のなかで第2図の実施例と異なる構成については、第5図に図示されているものの、第2図の実施例と共通する構成であるラック14(21)、受台28、及びスプリング29については、第5図においては図示されず省略されているにすぎないことが認められ、したがって、第5図の実施例にスプリングが図示されていないことを前提とする被告らの右主張は、採用することができない。なお、被告らは、この点について、更に、(1)第5図の実施例において、スプリングを設けることは、取付部41の上側の梁が不要なものとなるから不自然であり、機械的常識に反する、(2)ラック及び受台は、本件発明の必須の構成要件ではないから、スプリングと同一に論ずることはできない旨主張するが、被告らの右(1)の主張事実は、本件発明の構成要件Cの「取付けた」という構成は、ラック押えがローターの回転軸に直接取付けられている構成のものに限られないとの前認定判断を左右するものとは認められず、したがって、被告らの右(1)の主張は、採用の限りではなく、また、ラックが本件発明の必須の構成要件であることは、本件発明の構成要件についての前認定から明らかであるから、被告らの右(2)の主張もまた、採用するに由ないものといわざるをえない。

以上によれば、被告装置は、本件発明の構成要件をすべて充足し、本件発明の技術的範囲に属するものと認められる。

五被告らは、本件特許権は当然に無効であって、実質的に効力を有しないから、このような本件特許権に基づき差止請求権は発生しない旨主張するが、特許権は、本来、特許を無効にすべき旨の審決が確定したときに、初めから存在しなかったものとみなされるものであるところ(特許法一二五条)、本件においては、本件特許権について特許を無効にすべき旨の審決が確定したことを認めうる証拠はない。また、そもそも、特許権が当然に無効になるような場合があるか否かはともかくとして、被告らは、本訴において、単に特許の無効審判の請求において主張しうる無効理由を主張するのみであるから、本件特許権が当然無効であることを理由として原告の請求を排斥すべきことを求める被告らの主張は、その主張自体から理由がないことが明らかであり、採用することができない。

六以上によれば、原告の本訴請求のうち、被告らに対する被告装置の製造若しくは販売行為及び被告装置を使用した写真植字機の製造(被告装置の使用行為に該当する。)若しくは販売行為の差止請求並びに被告らの占有に係る被告装置及び写真植字機に使用されている被告装置についての廃棄請求は、いずれも理由があるから、これを認容し、被告装置を使用した写真植字機の被告装置を除いた部分は、侵害の行為を組成した物には当たらないので、この部分についての廃棄請求を棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条、九二条及び九三条一項本文、仮執行の宣言について同法一九六条の各規定を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官清水利亮 裁判官設楽隆一 裁判官富岡英次)

別紙目録

別紙図面に示すとおり、

(1) コイルへの通電によって励磁する磁極を持つステーター1Aとステーター1Aの励磁によって回転するローター1Bとから構成されている駆動源1、

(2) 右ローターと一体となって回転する回転軸3に装着されていて、機械本体に固定した基板4との間に掛かっているスプリング5により常に上方向へ付勢されている揺動杆2、

(3) 基板4に植設した固定爪軸9に揺動可能に装着され、プルロッド7によって揺動杆2と連結されたラック固定爪10

からなり、

(4) ステーター1Aへの通電により駆動源1のローター1Bが回転し、揺動杆2がスプリング5の上方向に引張る力に抗して、プルロッド7を下に引張る方向に揺動し、それによりラック固定爪10の先端部が下降し、ラック14と係合して文字枠が固定されるようにした、写真植字機における文字枠固定装置。

別紙特許公報

特許請求の範囲

1 コイルへの通電によって励磁する磁極をもったステーターと、あらかじめ角θに相当する負荷がかけられ前記ステーターの励磁によって角θだけ回転するローター

とから成る駆動源で、ローターの回転軸に揺動するよう取付けたラック押えを動作して文字枠のラックと係合させるようにした事を特徴とする写真植字機における文字枠固定装置。

発明の詳細な説明

本発明は写真植字機における文字枠固定装置に関するものである。

写真植字機における文字枠固定装置は移動自在な文字枠を固定し、その文字枠に装着されている文字盤中の任意の文字の撮影位置を規定するものであり、特に写真植字機はタイプライターなどと異なって文字枠の位置規定精度がそのまま印字精度となるため、正確に行う必要がある。又、文字枠を固定してその位置を規定する作業は通常の手動写真植字機では一字印字するたびに一回行なうから、一日数万回の作業に耐えられなければならず、併せて精度(位置)の再現性も要求されている。

従来、この固定装置には機械的なものと電磁的なものとがあるが、いずれにも一長一短があって最良のものとは言いがたい。例えば、電磁的なものでは文字枠固定操作が軽快にいくが、文字枠を固定するたびに電磁石にその吸引片との衝突音が発生し、かなりの騒音となってオペレーターに不快感を与えてしまう。又、機械的なものでは騒音をかなり除去できるが、部品数が多くなったり経年変化が現われたり、オペレーターの文字枠固定操作に軽快さを欠いてしまう。

本発明によるものはこのような点から成したものであり、電磁的なものによる操作性と機械的なものが持つ特徴を合わせて有するものである。以下実施の一例を図にもとづいて説明する。

第一図は手動写真植字機の概略を示した一例である。光源1よりの光は、レンズ2、ミラー3、レンズ4を経て文字盤5を照射する。この照射位置にあった文字や記号の像は、口金6を通ってレンズターレット7に装着されている鏡筒8内のレンズによって任意倍率に変換され、暗箱9内のドラム10に取りつけられた感光物11に撮影される。レンズターレット7は軸12を中心にして回転できるようになっており、レンズを装填した任意数の鏡筒8が装着されている。従って文字盤5に収容した文字、記号をターレット7の回転によって任意倍率に変えて感光物11に印字することができる。文字盤5は文字盤枠13に任意数(図では4)装着されており、必要ならば他の文字盤と交換することができる。文字盤枠13の後方には文字盤枠の位置を規定するラック14が固着されてラック押え装置15と係合する。この装置15は後述する下部枠16に取付けるのが一般的であるが、機械本体の一部に取付けることもできる。下部枠16は機械本体上を矢印17方向に移動するレール18と文字盤枠13を矢印19方向に移動させるレール20とから成っている。これによって文字盤枠13をXY方向に移動させることができ、文字盤枠13に接着されている文字盤5のどの位置にある文字でも口金6の下にもっていくことができる。下部枠16のレール18にはラック21が固着されていて、ラック押え装置22と係合する。(ラック21、ラック押え装置22は下部枠の左側にも設けられているが図には示されていない)このラック押え装置22は、機械本体に取付けられるのが一般的である。

第1図に例示した写真植字機は、単なる一例であり他の方式による写真植字機であっても一向にさしつかえがないことは当然であるが、これは文字盤枠13、下部枠16、文字盤5についても同じである。例えば、下部枠が存在せず文字盤枠だけでXY方向に移動させるものや、XYのいずれか一方にだけ移動するものであってもよい。又このような文字盤枠に装着する文字盤の形状や数、装着方法などについても自由に選択することができる。そして以後どのような形式のものであれ総称して単に「文字枠D」として表現する。さらにラック押え装置15、22は原則として同じものを使用するが、従来のものと併用できることは勿論で、設置する数についても任意に定めることができる。

印字をする時は、所望の文字を口金6の下にもっていき、ラック押え装置15、22に通電してそれを動作させ、ラック14、21と係合させれば文字枠Dの移動は止められ固定される。これによって所望の文字の撮影位置が規定され、図示してないシャッターを動作させるか、光源1を点灯するなどしてその文字像を感光物11に作成する。以後、同様な作業をくり返していけばよい。

第2図は第1図に示したラック押え装置15、22の詳細図である。ラック押え24はその先端にラック14、21と係合するナイフ部25をもち、他端は駆動源27の回転軸である軸26に固着されている。駆動源27は機械本体や下部枠などに取付けられる受台28に固着されている。前述のラック押え24は、普通スプリング29によって図で反時計方向への力を受けている。30は受台28に設けたストッパーでラック押え24の位置を規定している。

駆動源27に指令を与え、それを駆動すると回転軸26はスプリング29の力に抗して回転し、ラック押え24を図で時計方向に揺動させそのナイフ部25とラック14、21と係合させる。この時、ナイフ部25とラック14、21の関係が第2図Aのようにラックの山とナイフ部が接するような状態にあったとしても、駆動源27は第2図Bのようにラックの谷とナイフ部が接するように文字枠Dを移動させるだけの力を回転軸26に与える。このようにして文字枠を固定し、その位置を規定したならば印字を行なって駆動源27への指令を解く。するとラック押え24はスプリング29の作用によって上昇し、ラックとの係合を解き文字盤Dを解放する。次いでオペレーターは文字盤Dを移動させながら、次の印字のための採字を行なう。以後同様の動作をくり返すことによって所定の印字作業を進める。尚、駆動源27への駆動及び解除の場合は従前のものと同様印字作業をつかさどる一連の主レバー或いは押ボタン(いずれも図示せず)操作に連動してなされるものである。

第3図は第2図に示した駆動源27の詳細図である。コイル31に通電するといくつかの(図では4)の磁極32をもったステーター33を励磁する。すると回転軸26に取付けたローター34がその磁極32に吸引されて回転する。そしてローター34の凸部35と磁極32が対向する位置まで回転すると磁気的なトルクがゼロとなるのでローターの回転は停止する。ここでコルク31への電気を切れば、ステーター33の磁力がなくなるのでローター34はスタート位置へスプリング29の力によって復帰する。ローター34とステーター33の磁気抵抗がゼロとなる位置を第3図ではA+A線としてあるが、この位置により角θだけずれた位置が第2図のストッパー30の位置となる。従って回転角θというのはラック押え24の最大動作量であり、ラック押え24とラック14、21が係合する位置はこの角θ内となる。

以上のようにこの文字枠固定装置は通電することによってローター34が吸引され、回転軸26が回転しラック押え24が揺動作してラックと係合しその位置を規定するのであるが、ローター34の回転力というのは以上の説明で明らかなように最も磁気抵抗を強く受ける起動時が一番強く、それから順次弱まっていってステーターとのつり合いのとれた時点でゼロとなり、その状態を以後保持することになる。そのためラックとラック押えを長時間にわたって係合しつづけたとしても、コイル31が焼けたり規定位置がずれてしまうということはなく、又ラック押え装置自身の動作も全くの無接触で行なわれるから、何らの騒音も発しないという有効なる効果を発揮するのである。

第4図は、本願のものと従前のソレノイド等を使用した電磁式の文字枠固定装置の特性を比較した説明図である。同図において縦軸は駆動源27のトルクTの大きさを、横軸にはストロークSを示してある。そしてS1~0が第3図の回転角θに相当し、カーブC1が本願の特性でC2が縦前のものである。C3のカーブは第2図のスプリング29による負荷である。この図からも明らかなように、カーブC1はストロークSがゼロに近ずくにつれてトルクTもゼロに近ずいていくが、カーブC2では逆にストロークがゼロになるにつれてトルクTは増大していく。そのためストロークS3の時、つまりトルクT2のときを仮に文字枠Dの位置を規定するために必要とする力とすれば、カーブC1では固定した文字枠の位置を保持しているために必要とする最小の力T3がS3の時に得られる。これに対しカーブC2ではトルクT2をS2のときに得られるが、S3のときのトルクはT3よりも大きなT1のトルクとなってしまう。つまり、文字枠Dの位置を規定するために必要とする力T2よりも大きな力で文字枠を固定しつづけることになる。これはラックとラック押え24の係合時に加えられた瞬間的には相当強い力T2によって生じる可能性のあるラックのたわみを除去することなく、さらに強い全く余分な力で押えつづけることになるから、文字枠Dの位置決めに少なからず悪影響を与えることになってしまう。さらにラックとの係合時にも、段々に弱くなっている力と段々に強くなっていく力で係合させるのではその接触音にかなりの差がでてしまうことになる。このように従前のソレノイド等を使用した電磁的なものはS2の時のトルクよりもS3の時のトルクを小さくするということが原理的にみても不可能であり、何らかの補助的な手段を付加して対処するか、余分な力が加えられているのを知りつつも使用せざるを得なかったのである。これに対し、本発明によるものは従来の問題をことごとく解消し、理想的な文字枠固定装置を提供することができるのである。尚、以上の説明は第1図に例示した手動写真植字機にもとづいているが、文字枠Dを自動的に駆動して文字を選択し、位置決めをしていく自動写真植字機にも本願によるものを採用することができることは明らかである。

第5図は他の実施例である。ナイフ部25をもったラック押え24aは、軸40に回転できるよう止められている。ラック押え24aの中間部には取付部41があり、駆動源27と係合する。駆動源27の回転軸26には偏心輪42が設けられ、該輪は回転ローラー43の回転軸となっている。そしてこの回転ローラー43は前記取付部41の長孔44と係合する。駆動源27が前述したような要領で動作すると、回転軸26が偏心輪42を回転させる。それによって回転ローラー43は、軸40を中心としてラック押え24aを図面上時計方向に揺動させる。これを文字枠Dのラックと係合させれば、前述の第2図と同様にその位置を規定することができる。尚、この第5図によるラック押えの揺動量は偏心輪42の偏心量や第3図で述べた角θ値、軸40から回転軸26までの距離などを適宜選んでやれば任意に定めることができる。

上述のようにこの第5図による実施例は、駆動源とラック押え24aの連結をラック押えの中間に設けた取付部41に回転軸26を取付けることによって行ない、回転軸26の回転がラック押えの揺動となるようにしたものである。そのため、第2図の実施例とは若干異っているが、いずれにせよ駆動源の運動でラック押えが揺動することは変りがない。このように第5図に例示した他にも本発明の範囲を越えない範囲で多くの実施態様が得られることは明らかなことである。

以上、種々述べてきたように本発明によるものはコイルへの通電によって励磁される磁極をもったステーターで、あらかじめ角θに相当する負荷をかけてあるローターの凸部を吸引して回転させそれによってローターの回転軸にラック押えを揺動してラックと係合させ、文字枠Dを固定して所望の印字しようとする文字の位置を定めるようにしたのである。よってオペレーターは軽快に騒音になやまされることなく作業を進めることができ、しかも規定した位置は経年変化を受けず、且つ、ラック押え装置の影響を受けない正確なものであり、さらにラック押え装置の駆動源は無接触で運動するから音を発したり故障がおきたりせず、動作する質量も少ないから高速作動が可能となるなど数々の大なる効果をもたらすものである。

図面の簡単な説明

図は本発明実施の一例を示したもので、第1図は手動写真植字機の概略を示した斜視図、第2図は第1図に示したラック押え装置の側面図、第3図は第2図に示した駆動源の断面図、第4図は説明図、第5図は他の実施例である。

5……文字盤、13……文字盤枠、14……ラック、15……ラック押え装置、16……下部枠、21……ラック、22……ラック押え装置、24……ラック押え、25……ナイフ部、26……回転軸、27……駆動源、29……スプリング、31……コイル、32……磁極、33……ステーター、34……ローター、35……凸部、40……軸、41……取付部、42……偏心輪、43……回転ローラー、44……長孔。file_3.jpg

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