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東京地方裁判所 昭和48年(むのイ)1383号 決定 1974年1月08日

被告人旭徹彦に対する兇器準備集合、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、傷害被告事件について、申立人からなされた保釈請求に対し、昭和四八年一二月二六日東京地方裁判所裁判官がした保釈請求却下の裁判に対し、申立人から準抗告の申立があつたので、当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件準抗告の申立を棄却する。

理由

一本件準抗告の申立の趣旨は、原裁判を取消す、との裁判を求めその理由の要旨は、被告人には罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由はないのにこれありとして本件保釈請求を却下した原裁判は失当であるからその取消を求めるというにある。

二まず本件準抗告申立の適否についてみると、準抗告は上訴に準ずる性質ないし機能を有するから申立権者は上訴権者に関する規定に準じて考えるべきところ、本件準抗告の申立は被告人の妻からされたものであるが、保釈許否の裁判を受けたものは被告人本人であり、申立人は刑訴法三五二条所定の「決定を受けたもの」すなわち同法四二九条一項の「不服がある者」に当らないのは勿論、同法三五三条、三五五条所定の者である旨の疎明もないので、本件保釈請求却下の裁判に対し申立人からなされた本件準抗告の申立は、申立権のないものからなされたものというほかない。

三してみれば、本件準抗告の申立は不適法であるから、同法四三二条、四二六条一項により本件申立を棄却することとし、主文のとおり決定する。

(柳瀬隆次 近藤寿夫)四宮章夫)

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