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東京地方裁判所 昭和44年(行ウ)64号 判決 1971年5月24日

原告 坂入博太郎

被告 麻布税務署長

訴訟代理人 篠原一幸 外五名

主文

原告の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

原告は「被告が別紙物件目録<省略>記載の土地および建物につき昭和四三年六月一二日付をもつて差押処分はこれを取消す。被告が原告の昭和三八年分所得税につき昭和四一年二月二八日付をもつてした更正処分は無効であることを確認する。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、被告は主文同旨の判決を求めた。

第二請求原因

一、原告は、昭和三九年三月一〇日被告に対し、原告の昭和三八年分所得税につき、総所得金額を二、一九三、三五〇円、所得税額を四二三、三〇〇円とする確定申告書を提出したが、譲渡所得の申告もれがあつたので、昭和四〇年二月一八日被告に対し総所得金額を二、八九一、六六九円、所得税額を六七二、二〇〇円とする修正申告書を提出したところ、被告は昭和四一年二月二八日付をもつて総所得金額を四、七二三、四六一円、所得税額を一、四二四、五三五円(修正申告の所得税額との差額七五二、三三〇円)とする更正処分および右更正にかかる所得税額と確定申告の所得税額との差額に対する過少申告加算税五〇、〇五〇円(修正申告に対する過少申告加算税額との差額三七、六三〇円)の賦課決定処分をした。

二、被告は、右課税処分を根拠として、原告が昭和四〇年度確定の過少申告加算税一二、四〇〇円と昭和四一年度確定の所得税七一四、六八〇円および過少申告加算税三七、六五〇円を滞納したとの理由で、昭和四三年六月一二日付をもつて原告所有の別紙物件目録記載の土地および建物に対し差押処分をなし、同月一八日宇都宮地方法務局真岡支局受付第三、〇一七号をもつてその旨の登記手続を経由した。

三、原告は、右差押処分を不服として同年七月八日被告に対し異議申立てをしたが、同月一一日被告から棄却する旨の決定を受けたので、同月二五日東京国税局長に対し審査請求をしたところ、同年一二月一〇日付をもつて同局長からこれを棄却する旨の裁決があり、その裁決書謄本は昭和四四年一月二二日原告に送達された。

四、しかしながら、右差押処分は次の点に瑕疵がある。

(一)  右差押処分の根拠となつた右課税処分は、その通知が原告に適法に送達されていないから効力がなく、したがつて、右課税処分に基づく租税債権を根拠としてした右差押処分は違法である。

(二)  かりに、右課税処分の通知が原告に適法に送達されていたとしても、原告の昭和三八年分の総所得金額は原告の提出した修正申告書記載のとおりであり、原告にそれ以上の所得はなかつたのであるから、右課税処分は所得の存在しないものに対して課税した重大かつ明白た蝦疵があり無効である。したがつて、この点からも右差押処分は違法である。

五、よつて、原告は右差押処分の取消を求めるとともに、右課税処分のうち前記更正処分の無効であることの確認を求める。

第三被告の主張

(請求原因に対する答弁)

原告主張の請求原因一ないし三の事実は認めるが、同四の事実は争う。

(抗弁)

前掲課税処分の通知は原告に適法に送達されている。

一、被告は、原告が昭和四〇年二月一八日提出した昭和三八年分所得の修正申告にかかる総所得金額を四、七二三、四六一円、それに対する所得税額一、四二四、五三五円、納付すべき税額(修正申告の税額との差額)七五二、三三〇円と更正し、右所得税額と確定申告の所得税額との差額に対する過少申告加算税五〇、〇五〇円、修正申告に対する過少申告加算税との差額三七、六五〇円と決定して、昭和四一年一月二一日原告の住所である港区麻布広尾町七番地(昭和四一年四月一日以降は土地名称・住居表示の変更によつて南麻布五丁目二番三九号となつた)にその通知書を書留郵便をもつて発送した。

二、ところが、右通知書は原告に到達せず、同年二月二日被告に返れいされたので、被告は同月六日港区役所麻布支所を調査し、住民票上原告の住所が異動していないことを確認したうえ、同月二八日前記の更正した所得金額、税額ならびに過少申告加算税額を取消すと同時に、改めて、右に取消した所得金額、税額ならびに過少申告加算税額と同等額の前掲課税処分をしてその通知書を即日書留郵便で再び原告の右住所に発送した。

三、しかしながら、再度発送した右通知書も原告に到達せず、同年三月一八日被告に返れいされたので、被告は、同年三月二九日および同年四月二三日に再び港区役所麻布支所を調査したところ、住民登録上は、原告が右の港区南麻布五丁目二番三九号に現住していることを確認した。原告の住所は、被告に対して昭和三八年分所得の確定申告をした昭和三九年三月一〇日頃には、渋谷区美竹町二八番地にあつたが、その後同年三月二七日港区麻布広尾町七番地に転入、昭和四〇年一一月一六日茨城県下館市甲六六二番の一に転入、昭和四一年一月一五日港区麻布広尾町七番地に転入と住所を転々とし、しかも家族とは別に原告のみが移転しており、かつ、被告が当初の更正処分をした昭和四一年一月頃から公示送達をした同年五月頃は、原告の住所には原告の表札が掲示されていたが、常時居住しておらず、また、留守番が居た形跡もないので、原告の居住の事実を確認することが困難な状況にあつた。

そこで、被告は原告の住所居所が明らかでたいと認め、原告の昭和三八年分所得の右通知書の送達については、公示送達をするよりほかに方法はないと判断し、国税通則法第一四条を適用して昭和四一年五月九日送達のため公示したものである。

四、被告は、右課税処分にかかる国税を徴収するため昭和四一年七月一三日督促状を発送し、さらに、昭和四三年二月二六日〇告書を発送したが、納付がなかつたので差押処分をしたのである。

第四被告の主張に対する原告の認否および反論

(被告主張の抗弁に対する認否)

被告主張の事実はすべて認める。

(原告の反論)

右公示送達は、原告の住所および居所につき充分な調査を尽さず公示送達に付した点に違法がある。すなわち、

一、被告は原告の住所および居所につき港区役所麻布支所を調査し住民票上の原告の住所を確認したと主張するが、被告は原告の住民登録上の現住所につき電話照会しただけである。

しかし、住民登録上の現住所と現実の住所とが異ることは巷間においてしばしばみられるところであるから、電話で住民登録上の現住所を照会するだけでは足りず、少くとも住民票の謄本、戸籍謄本等を取寄せて住所の異動状況を調査すべきである。

本件においても、そうした方法による調査をすれば、原告の住所は住民登録上は港区麻布広尾町七番地となつているが、現実の住所は右広尾町七番地に転入届をした直前の住所である下館市甲六六二番の一にあつたこと、しかも同所には原告の家族も居佳していたことを確認しえた筈である。

二、また、被告は住民登録上の住所に宛て書留郵便で発送したが返れいされたと主張するが、書留郵便は居住者が留守であれば直ちに返れいされ、再度配達の手続はとられないから、かりに住民登録上の住所が現実の住所と同一であつても、留守がちにしていれば、不送達の結果を招来するものであり、居住の事実を確認する方法としては充分なものではない。

三、課税処分は納税者の権利義務に重大な影響を及ぼす処分であるから、その通知を公示送達に付するには慎重な取扱いをしなければならないのに、被告は右のとおり原告の住民登録上の現住所を電話で照会しただけで他の調査をせず、しかも住民登録上の現住所宛に課税処分通知書を書留郵便で発送し、それが返れいされるや直ちに公示送達に付したものであるから、右公示送達は違法である。

ちなみに、民事訴訟法による公示送達の許可には郵便送達が返れいされたというだけでは足りず、執行官送達の方法によるとか、住民登録や配給関係の証明書を提出させるとか、本籍地に送達するとか、警察に所在調査の嘱託をする等の方法を講じてもなおその者の住所および居所が判明しない場合でなければ許可されないのが実情である。

被告の調査はこれとの比較からも充分といい難いことは明らかである。

第五原告の反論に対する被告の再反論

一、国税の賦課徴収権を確保するため、税務署長は国税に関する法律の規定に基づいて発する書類について、その送達を受けるべき者の住所居所が明らかでない場合には、その送達に代えて公示送達をすることができる(国税通則法第一四条)。

ところで、公示送達の要件として右のごとく受送達者の住所おび居所が明らかでないこととされているが、その所要の調査とは、いかなる範囲、程度のことをいうかについては、直接法の明示するところではなく、結局事案に応じて確定すべきものであり、殊に受送達者の態度、例えば送達ができないような状況を作出する等の態度がみられる場合には、右所要の調査も相手方との関連においておのずからその範囲、程度も異つてくるものと考えられる。

本件の場合、被告は単一に回だけの郵便物の返れいされた事実のみをもつて公示送達をしたものではなく、最初の郵便物が返れいされた昭和四一年二月二日の時点から公示送達をなすべく判断した同年四月二六日頃の時点までの間、港区役所麻布支所に対し、三回に亘り原告住所の異動の有無を照会し、その結果、原告の住所に変更がないことを確認し、かつ、昭和四一年二月二八日再度課税処分通知書を発送したが送達できなかつたので公示送達をしたものである。

原告は、その生活の本拠は、住民票上の前住所である茨城県下館市甲六六番地の一にあり、妻子も右住所に居住していると主張しているが、原告は当初栃木県芳賀郡二宮町大字久下田八九七番地に住所を定めてからのち、妻子とはその住所を別にして、原告のみが右久下田、東京都渋谷区美竹町二八、同中野区広町二〇、同渋谷区美竹町二八、同港区麻布広尾町七、茨城県下館市甲六六二番の一、前記広尾町七、前記下館市甲六六二番の一という具合に転々とその住所を異動しており、妻子の住所地(茨城県下館市甲六六二番の一)に転入していた期間も、昭和四〇年一一月一六日から翌四一年一月一五日まで、わずか二ケ月間だけの短期間であり、その後右住所に転入前の港区南麻布五丁目二番三九号に再転出しているのである。

したがつて、前記下館市の右住所に原告の妻子が居住していたとしても、原告自身その住所に生活の本拠があつたとはいえないから、右住所は課税処分の通知書を送達すべき場所ではない。

また、原告は住民登録上の住所に現実に本人が生活の本拠をかまえていても留守がちであれば不送達の結果を招来するというが、書留郵便物の配達については、受配達者が配達されるべき住所に現住し、配達時に家人全部が不在の場合、その郵便物はいつたん郵便局に持ち帰り、後日再度配達することになつており、再度配達のため臨場したときも不在で配達不能の場合は「不在配達通知書」(ハガキによる。その内容は配達した郵便物の種類、郵便局に受領に行くときの注意事項、配達を希望する場合は受配達者の在宅日時を連絡すること等の事項が記載されている。)を差置くのが通常の取扱いとなつている。したがつて、単に留守がちであつても不送達となるおそれはないのである。すなわち、原告が現実に原告の住所に居住していたならば、右通知書は送達された筈である。

二、被告が本件通知書を公示送達するについて、原告の住所確認の調査を港区役所麻布支所に対する調査のみであつても、法律上更正通知書を送達すべき住所は納税申告書に記載ざれている住所であり、その住所に異動があれば住民基本台帳の調査等に基づく、客観的事実によつて確認をしているのであるから、被告のなした調査方法は合理的にしてかつ妥当な手段によるものとして、当該調査方法にはなんらの瑕疵はない、

なお、原告が昭和四一年一月頃か同年五月頃までの間下館市甲六六二番の一に生活の本拠を置いていた事実はない。

三、ちなみに、原告は、被告が本件更生処分にかかる督促状を発送した事実を認めているのであるから、本件更正処分のあつたことは、少なくとも督促状を発送した翌日頃に知りえた筈である。そこで、原告がこの更処分に異議があるならば、国税通則法第七六条(昭和四五年法律第八〇号による改正前のもの)によつてその処分のあつたことを知つてから一ケ月以内に異議申立てをすることが可能であつた,しかるに、原告はその救済を受けるべき権利を自ら放棄したため、右期間の経過によつて、本件更正処分は確定したのである。

第六証拠関係<省略>

理由

一、原告の本訴請求のうち、まず差押処分の取消を求める部分について判断する。

原告主張の請求原因一ないし三の事実は当事者間に争いがない。

原告は前掲差押処分の瑕疵として、(一)右差押処分の前提である前掲課税処分の通知の送達が違法であるため、右課税処分の効力が生じていないこと、(二)かりにその送達が適法になされたとしても、右課税処分はその内容に重大かつ明白な瑕疵があり無効であることの二点を主張しているので、以下原告の指摘するところにしたがつて順次判断する。

(一)  課税処分の通知の送達が違法であるとの点について右課税処分の通知が公示送達に付されたことは当事者間に争いがない。

原告は、右公示送達は原告の住所および居所の調査を充分尽さず直ちに公示送達に付した点に違法があると主張する。

国税通則法第一四条第一項は、同法第一二条(書類の送達)の規定により送達すべき書類について、その送達を受けるべき者の住所および居所が明らかでない場合には、その送達に代えて公示送達をすることができる旨算定し、課税処分の通知についても公示送達に付しうることとしているが、右の送達を受けるべき者の住所および居所が明らかでたい場合とは、およそ考えうるあらゆる方法による調査をすべて尽してもその者の住所および居所が判明しない場合をいうのではなく、課税庁に対して通常期待しうべき方法による調査を実施してもその者の住所および居所が知れない場合をいうものと解するのが相当である。そして、右の通常期待しうべき調査方法とは具体的事案との関係において決すべきであり、いかなる場合にも一律なものと解すべきではない。

そこで、本件についてみるに、被告が原告の修正申告した昭和三八年分所得税につき総所得金額を四、七二三、四六一円、所得税額を一、四二四、五三五円とする更正処分をなすとともに、右所得税額と確定申告により確定した所得税額との差額に対する過少申告加算税を五〇、〇五〇円とする賦課決定処分(以下第一次課税処分ともいう。)をなし、その知通書を昭和四一年一月二一日住民登録上原告の住所となつている港区麻布広尾町七番地の原告宛に書留郵便で発送したが原告に到達せず、同年二月二日被告に返れいされたこと、そこで被告は同月六日港区役所麻布支所に原告の住所の照会をし、住民登録上原告の住所が右広尾町七番地から異動していないことを確認したうえ、同月二八日右更正処分および過少申告加算税賦課決定処分をいつたん取消すとともに、あらためて右に取消した課税処分と同じ内容の更正処分および過少加算税賦課決定処分(以下第二次課税処分ともいう。)をなし、その通知書を即日右広尾町七番地の原告宛に書留郵便で発送したがこれも原告に到達せず、同年三月一八日被告に返れいされたこと、そこで被告は同月二九日および同年四月二三日の二回にわたり港区役所麻布支所に照会したところ、住民登録上の住所に変更はなく、右広尾町七番地が原告の住所となつていることが確認されたこと、右第一次課税処分をした昭和四一年一月頃から右第二次課税処分の通知を公示送達に付した同年五月九日頃までの間、右広尾町七番地の原告の住所には原告の表札が掲示されていたが、原告は常時居住しておらず、また留守番の居た形跡もなかつたので、同所に原告が現実に居住しているとの事実を確認することが困難であつたこと、原告は家族と住所を別にし、確定申告書を被告に提出した昭和三九年三月一〇日頃の原告の住所は渋谷区美竹町二八番地にあつたが、その後同年三月二七日右広尾町七番地、昭和四〇年一一月一六日下館市甲六六二番の一、昭和四一年一月一五日右広尾町七番地と住所の転入転出をくりかえしていたものであること、以上の事実は当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第八号証によれば、被告は港区役所麻布支所に対する住所照会のほか、昭和四一年二月六日に原告の昭和三九年当時の勤務先である明治建設会社に原告の住所および居所の照会をし、また、同年三月二九日には電話簿による所在調査なども試みたが、結局判明する至らなかつたことがめ認られる。

なお、右につき原告は右第一次課税処分の頃から第二次課税処分の通知を公示送達に付した頃までは下館市甲六六二番の一に現実の住所を置いていた旨主張し、原告本人尋問の結果中にはそれにそう供述部分もあるが、右供述部分は成立に争いのない乙第一三号証および弁論の全趣旨にてらしてたやすく信用することはできず、他に右事実を認めるに足りる証拠もない。

そうとすれば、本件の場合、右第二次課税処分の通知当時における原告の住所および居所は前示の通常期待しうべき方法による調査を実施しても知れない場合に該当すると認めるのが相当であるから、被告が右課税処分の通知を公示送達に付した点に違法はなく、右公示送達は適法である。したがつて、この点に関する原告の主張は理由がない。

(二)  右課税処分の内容に重大かつ明白な瑕疵があるとの点について

原告は右課税処分には所得が存在しないのに課税した重大かつ明白な瑕疵があると主張する。

所得税の課税処分において所得がないのに課税することは違法であり、したがつて、そのことが課税処分の取消事由になることは明らかであるが、それだけでは当然に重大かつ明白な瑕疵として課税処分の無効原因となるものではない。右の場合、無効原因があるというためには、課税庁において所得があると認定したことに重大かつ明白な誤認がある場合でなければならず、したがつて、右の無効原因を主張する者は、右認定に重大かつ明白な誤認のあことを具体的事実に基づいて主張しなければならない。

しかるに、原告は単に原告には修正申告額以上の所得がないのに課税したのは重大かつ明白な澱疵があると主張するにとどまり、被告が原告に修正申告額以上の所得があると認定したことに重大かつ明白な瑕疵があることについてはなんら具体的事実に基づく主張がない。

したがつて、原告の右主張は無効原因の主張として充分でなく、主張自体理由がないものといわなければならない。

(三)  右のとおりであるから、前掲差押処分の瑕疵として原告の主張するところはいずれも理由がないことに帰するから、被告のした右差押処分に違法はないというべきである。

二、次に、原告の本訴請求のうち前掲更正処分(昭和四一年二月二八日付のもの)の無効確認を求める部分について判断する。

右更正処分の無効原因として原告の主張するところは、単に原告に修正申告額以上の所得がないのに課税したのは重大かつ明白な瑕疵があるというにとどまり、被告が原告に修正申告額以上の所得があると認定したことに重大かつ明白なかしがあることについてはなんら具体的事実に基づいて主張していないことは前記一、(二)に説示するところと同様であり、原告の主張は無効原因の主張として充分でなく、したがつて、原告の右無効確を求める請求は主張自体理由がないといわなければならない、

三、以上の次第であるから、原告の本訴請求はいずれも理由がないものとして棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 高津環 小木曾競 海保寛)

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