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東京地方裁判所 昭和40年(ワ)7144号 判決 1966年9月30日

原告 柴崎勝男

右訴訟代理人弁護士 桐生浪男

被告 三井物産株式会社

右訴訟代理人弁護士 柏木薫

被告 更生会社サンウエーブ工業株式会社管財人 児玉俊一郎

右訴訟代理人弁護士 藤林益三

同 中村勝美

主文

一、原告の被告更生会社サンウエーブ工業株式会社管財人児玉俊二郎に対する訴を却下する。

二、原告の被告三井物産株式会社に対する請求を棄却する。

三、訴訟費用は原告の負担とする。

事実

<全部省略>

理由

一、被告管財人に対する訴について。

本件訴は、会社更生法第一五一条に基く確定訴訟と解すべきこと本件訴状の記載から明らかであるが、右法条に基く訴訟は、異議者が異議のある更生債権または更生担保権の権利者に対して提起すべきであって、管財人を被告として提起することはできないと解すべきであるから、原告の被告管財人に対する訴は、不適法として却下を免れない。

二、被告会社に対する訴について。

1、被告会社の本案前の抗弁については、本件訴が被告会社の有する更生担保権不存在確定の訴訟であって、否認権を訴訟物とする訴ではないこと訴状の記載から明らかであるから、不適法な訴ということはできず、被告会社の右抗弁は理由がない。

2、ところで別紙訴状請求の原因一および二(4)記載の事実はいずれも当裁判所に顕著な事実である。原告は、被告会社の本件各根抵当権設定契約は、会社更生法第八〇条第一項もしくは同法第七八条第一項第三号に該当すると主張するが、否認権は、訴、否認の請求又は抗弁によって管財人が行うものであるところ、管財人が本件根抵当権設定契約について否認権を行使していないことも、当裁判所に顕著な事実である。そうとすれば、訴状において原告が、本件各根抵当権設定契約の成立を自認する以上、否認の要件に該当するということだけで右契約にもとづく更生担保権の存在を否定することはできないことはいうまでもない。

3、原告は、別紙準備書面において、右各契約およびそれに基く登記申請に関する契約は、経済社会の道義に反する公序良俗違反の行為であるから無効である、と主張しているが、その理由として右行為が詐害行為として否認権の対象となると主張するにすぎないので、主張自体理由なきものとして採用しない。

また、原告は、右準備書面において、管財人が否認権を行使しないから、詐害行為取消の請求をする、と主張するが、更生手続開始決定があった後においては、会社債権者は詐害行為取消訴訟を提起することができない(会社更生法第九三条参照)のであるから、確定訴訟における攻撃防禦の方法としても、これを主張することができないものといわなければならない。<以下省略>。

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