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東京地方裁判所 平成6年(特わ)2469号 判決 1995年1月19日

本店所在地

東京都千代田区岩本町二丁目五番一二号

株式会社協和建築積算事務所

(右代表者代表取締役 神谷一郎)

本籍

栃木県足利市永楽町三六二五番地

住居

東京都世田谷区奥沢一丁目四七番七号

会社役員

神谷一郎

大正一三年一〇月二日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官小栗健一、弁護人鈴木善和、同島田種次各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社協和建築積算事務所を罰金一四〇〇万円に、被告人神谷一郎を懲役八月に処する。

被告人神谷一郎に対し、この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社協和建築積算事務所(以下「被告会社」という)は、東京都千代田区岩本町二丁目五番一二号に本店を置き、建築積算業等を目的とする資本金五〇〇〇万円(平成三年五月一五日以前は三〇〇〇万円、平成二年五月一五日以前は一〇〇〇万円)の株式会社であり、被告人神谷一郎(以下「被告人」という)は、被告会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の給料手当を計上するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  平成元年三月一日から平成二年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三億五〇一七万七三五一円(別紙1の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、平成二年五月一日、東京都千代田区神田錦町三番三号所在の所轄神田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二億七七六五万八二七八円でこれに対する法人税額が一億〇九七五万二五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成六年押第一六九二号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億四〇一九万八六〇〇円と右申告税額との差額三〇四四万六一〇〇円(別紙3のほ脱税額計算書参照)を免れ

第二  平成三年三月一日から平成四年二月二九日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五億八四〇五万八六一二円(別紙2の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、平成四年四月三〇日、前記神田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四億八一四七万二〇九四円で、これに対する法人税額が一億七七七〇万九八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二億一六一七万九六〇〇円と右申告税額との差額三八四六万九八〇〇円(別紙4のほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書三通

一  平野泰正、渡邉季男及び鈴木直行の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の給料手当調査書、旅費交通費調査書、受取利息調査書、道府県民税利子割調査書、雑損調査書、事業税認定損調査書及び領置てん末書

一  検察事務官作成の雑損、出張費及び税務署所在地についての各捜査報告書

一  登記官作成の登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本(三通)

判示第一の事実について

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成六年押第一六九二号の1)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の接待交際費調査書、雑収入調査書、交際費の損金算入調査書

一  検察事務官作成の雑収入についての捜査報告書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(前同押号の2)

(法令の適用)

一  罰条

1  被告会社

判示第一及び第二の各事実につき、法人税法一六四条一項、一五九条一項(第一の事実の罰金刑の寡額については、刑法六条、一〇条により、平成三年法律第三一号による改正前の罰金等臨時措置法二条一項による)、二項(情状による)

2  被告人

判示第一及び第二の各所為につき、法人税法一五九条一項(第一の事実の罰金刑の寡額につき、前同)

二  刑種の選択

被告人につき、懲役刑

三  併合罪の処理

1  被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

2  被告人

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

四  刑の執行猶予

被告人につき、刑法二五条一項

(量刑の理由)

本件は、建築積算業等を目的とする被告会社の社長であった被告人が、架空の給料手当を計上するなどして、二事業年度にわたり、合計六八九一万円余の法人税を脱税したという事案であるが、ほ脱率は通算約一九・三パーセントと比較的低率である。被告人は事実を認め反省の態度を示しており、被告会社は本件二事業年度分の法人税・地方税を附帯税を含め完納している。被告人には前科前歴がない。当裁判所は、以上のほか一切の情状を考慮して、主文のとおり量刑した。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社・罰金二〇〇〇万円、被告人・懲役一〇月)

(裁判官 安廣文夫)

別紙1 修正損益計算書

別紙2 修正損益計算書

別紙3 ほ脱税額計算書

別紙4 ほ脱税額計算書

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