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東京地方裁判所 平成2年(特わ)528号 判決 1990年10月12日

本店所在地

東京都渋谷区恵比寿南二丁目一番四号

大喜物産株式会社

(右代表者代表取締役 吉岡誠至)

本籍

神奈川県相模原市陽光台六丁目七番

住居

同県同市青葉一丁目一一番二一号

会社役員

吉岡誠至

昭和一四年六月一八日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

検察官 渡辺咲子 出席

主文

被告人大喜物産株式会社を罰金四〇〇〇万円に、被告人吉岡誠至を懲役一年六月にそれぞれ処する。

被告人吉岡誠至に対しこの裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社大喜物産株式会社は、東京都渋谷区恵比寿南二丁目一番四号(昭和六三年一月七日以前は、同都千代田区三番町二八番六号)に本店を置き、不動産の売買及び仲介等を目的とする資本金一〇〇〇万円の株式会社であり、被告人吉岡誠至は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人吉岡は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空売上原価を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、昭和六二年四月一日から同六三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四億六九七九万三五三四円(別紙1の修正損益計算書参照)で、課税土地譲渡利益金額が二億八四七万一〇〇〇円あつたのにかかわらず、同六三年五月三一日、同都渋谷区宇田川町一番三号の所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五二七九万五九二五円で、課税土地譲渡利益金額が三九〇八万六〇〇〇円であり、これに対する法人税額が二八八九万九九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二億三七九一万六一〇〇円(別紙2の脱税額計算書参照)と右申告税額との差額二億九〇一万六二〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人吉岡の当公判廷における供述

一  被告人吉岡の検察官に対する供述調書

一  検察事務官白田敦作成の捜査報告書四通

一  大蔵事務官作成の有価証券売却益調査書、支払利息調査書、貸倒損失調査書、有価証券売却損調査書

一  登記官伊久美和夫、同城谷昌雄作成の各登記簿謄本

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成二年押第四九〇号の1)

(法令の適用)

被告会社の判示所為は、法人税法一六四条一項、一五九条一項に該当するので、情状により同法一五九条二項を適用して、被告会社を罰金四〇〇〇万円に処し、被告人吉岡の判示所為は、法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中懲役刑を選択して、被告人吉岡を懲役一年六月に処し、情状により刑法二五条一項を適用して、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 松浦繁)

別紙1

修正損益計算書

自 昭和62年4月1日

至 昭和63年3月31日

大喜物産株式会社

<省略>

別紙2

脱税額計算書

(1)

自 昭和62年4月1日

至 昭和63年3月31日

会社名 大喜物産株式会社

<省略>

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