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東京地方裁判所 平成10年(ワ)8477号 判決 1999年11月30日

札幌市中央区北三条西一丁目二番地

原告

大同ほくさん株式会社

右代表者代表取締役

青木弘

右訴訟代理人弁護士

小坂志磨夫

小池豊

櫻井彰人

右補佐人弁理士

西藤征彦

東京都港区虎ノ門一丁目一五番一二号 日本瓦斯協会ビル内

被告

日本エア・リキード株式会社

右代表者代表取締役

三井誠

右訴訟代理人弁護士

勝田裕子

高橋勲

鼎博之

神山達彦

右補佐人弁理士

鈴江武彦

橋本良郎

中村誠

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告は、別紙第一目録記載の窒素ガス製造装置を製造し、販売し、貸与し、使用してはならない。

二  被告は、その所有する前項記載の装置を廃棄せよ。

第二  事案の概要

一  争いのない事実等

1  原告及び被告は、いずれも酸素、窒素等の製造、販売などを目的とする株式会社である。

2  原告は、次の特許権(以下「本件特許権」といい、その発明を「本件発明」という。)を有する。

特許番号 第一五六六五六二号

発明の名称 高純度窒素ガス製造装置

出願日 昭和五九年七月一三日

公告日 昭和六一年一〇月一五日

登録日 平成二年六月二五日

3  本件発明に係る明細書(特許法一七条の三による補正後の明細書、以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲は、別紙公報(以下「本件公報」という。)の該当欄記載のとおりである。

4  本件発明の構成要件は、次のとおりに分説できる(以下「構成要件Ⅰ<1>」、「構成要件Ⅱ」などという。)。

Ⅰ(前提)

<1> 外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮手段と、

<2> この空気圧縮手段によって圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分とを除去する除去手段と、

<3> この除去手段を経た圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段と、

<4> この熱交換手段により超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜め窒素のみを気体として上部側から取り出す精留塔を備えた窒素ガス製造装置であって、

Ⅱ (分縮器)

精留塔の上部に設けられた凝縮器内蔵型の分縮器と、

Ⅲ (液体空気導入パイプ)

精留塔の底部の貯溜液体空気を上記凝縮器冷却用の寒冷として上記分縮器中に導く液体空気導入パイプと、

Ⅳ (放出パイプ)

上記分縮器中で生じた気化液体空気を外部に放出する放出パイプと、

Ⅴ (第1の還流液パイプ)

精留塔内で生成した窒素ガスの一部を上記凝縮器内に案内する第1の還流液パイプと、

Ⅵ (第2の還流液パイプ)

上記凝縮器内で生じた液化窒素を還流液として精留塔内に戻す第2の還流液パイプと、

Ⅶ (液体窒素貯蔵手段)

装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段と、

Ⅷ (導入路)

この液体窒素貯蔵手段内の液体窒素を冷熱発生用膨脹器からの発生冷熱に代え圧縮空気液化用の寒冷として連続曲に上記精留塔内に導く導入路と、

Ⅸ (液面制御手段)

上記分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御し上記液体空気の液面を設定液面位に保つ液面制御手段と、

Ⅹ (窒素ガス取出路)

上記精留塔から気体として取り出される窒素および上記精留塔内において寒冷源としての作用を終え気化した上記液体窒素を上記熱交換手段を経由させその内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ製品窒素ガスとする窒素ガス取出路

を備えたことを特徴とする高純度窒素ガス製造装置

5  被告は、窒素ガス製造装置を製造販売している。

(右4の事実は、甲三と弁論の全趣旨により認め、その余の事実は争いがない。)

二  本件は、原告が、「被告は、別紙第一目録記載のとおりに特定される窒素ガス製造装置を製造販売しているところ、同窒素ガス製造装置は、本件発明の技術的範囲に属するから、その製造販売は、本件特許権を侵害する。」と主張して、被告に対し、別紙第一目録記載の窒素ガス製造装置の製造販売等の差止め及び廃棄を求める事案である。

三  争点

被告は、別紙第一目録記載のとおりに特定される窒素ガス製造装置を製造販売しているかどうか及び被告の製造販売する窒素ガス製造装置が本件発明の技術的範囲に属するかどうか。

第三  争点に関する当事者の主張

一  原告の主張

1  被告は、別紙第一目録(以下「原告目録」という。)記載のとおりに特定される窒素ガス製造装置を製造販売している(以下、原告目録記載の窒素ガス製造装置を「原告主張装置」という。)。

2  原告主張装置は、次のとおり本件発明の構成要件をすべて充足するから、本件発明の技術的範囲に属する。

(本項では、原告目録の図面の符号及び符号の説明を用いて表記する。)

(一)(1) 原告主張装置は、外部より取り入れた空気を圧縮する手段として、空気圧縮機9を有するから、構成要件Ⅰ<1>を充足する。

(2) 原告主張装置は、空気圧縮機9によって圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分とを除去する手段として、ドレン分離器10、吸着塔12を有するから、構成要件Ⅰ<2>を充足する。

(3) 原告主張装置は、右除去手段を経た圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段として、熱交換器13を有するから、構成要件Ⅰ<3>を充足する。

(4) 原告主張装置は、この熱交換手段により超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜め、窒素のみを上部側から気体として取り出す精留塔15を備えた窒素ガス製造装置であるから、構成要件Ⅰ<4>を充足する。

(二) 原告主張装置では、第1の分縮器21は、精留塔15とは別個独立に設置されているが、構成要件Ⅱの「精留塔の上部に設けられた」とは、分縮器が精留塔内の上部に一体として配置されていると限定して解釈する理由はない。

本件発明において、精留塔は、その底部に投入された圧縮空気を、それが上昇する過程で精留棚を下降する液体窒素と接触させて、窒素のみを精留塔内の上部に気体として溜める働きをし、また、分縮器は、精留塔内上部に溜まった窒素ガスを第1の還流液パイプにより分縮器内の凝縮器に導き、液化した後、第2の還流液パイプを通って液体窒素としての自重により精留塔に戻す働きをすることから、本件発明では、分縮器を精留塔の上方に設けるとの構成を採用したものである。

原告主張装置において、第1の分縮器21は、精留塔15の上方に設けられていて、精留塔内の上部に溜まった窒素ガスが同分縮器に導入され、液化された後、第2の還流液パイプ21cを通って自重により精留塔に戻されるのであるから、「精留塔の上部に設けられた」との要件を充たす。

したがって、原告主張装置は、精留塔15の上部に設けられた凝縮器21aを内蔵した第1の分縮器21を有するから構成要件Ⅱを充足する。

(三) 原告主張装置は、精留塔15の底部の液体空気18を凝縮器21a冷却用の寒冷として第1の分縮器21中に導くパイプ19を有するから構成要件Ⅲを充足する。

(四) 原告主張装置は、第1の分縮器21中で生じた気化液体空気を外部に放出する放出パイプ29を有するから構成要件Ⅳを充足する。

(五) 原告主張装置は、精留塔15内で生成した窒素ガスの一部を凝縮器21a内に案内する第1の還流液パイプ21bを有するから構成要件Ⅴを充足する。

(六) 原告主張装置は、凝縮器21a内で生じた液化窒素を還流液として精留塔15内に戻す第2の還流液パイプ21cを有するから構成要件Ⅵを充足する。

(七) 原告主張装置は、装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段として、液化窒素貯槽23を有するから構成要件Ⅶを充足する。

(八) 原告主張装置は、液化窒素貯槽23内の液体窒素を、圧縮空気液化用の寒冷として連続的に精留塔15内に導く導入路パイプ24aを有するから構成要件Ⅷを充足する。

(九)(1) 原告主張装置は、第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、液化窒素貯槽23と精留塔15の間の導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して精留塔15に対する液化窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御し、右液体空気の液面を設定液面位に保つ液面制御手段として、液面計25を有するものと認められるから、原告主張装置は、構成要件Ⅸを充足する。

(2) 仮に、後記二(被告の主張)2(三)のとおり、液面計25は、第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、パイプ19に設けられたバルブ19aを調節して精留塔底部の液体空気から右分縮器21に対する液体空気の供給量を制御するものであり、液面計44は、精留塔底部の液体空気の液面の変動に基づき、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して液化窒素貯槽23から精留塔に対する液体窒素の供給量を制御するものであるとしても、第1の分縮器21の液面が変動すると液面計25の信号によりバルブ19aが調節されて分縮器21への液体空気の供給量が変動し、これにより精留塔底部の液面が変化し、その結果、液面計44の信号によりバルブ26が調節されて、液化窒素貯槽23からの液体窒素の量が制御されており、また、安定的な操業を行っている場合には、両液面は一定に保たれている。したがって、右のような構成を有する装置は、分縮器内の液面と精留塔底部の液面の変動とが密接に関連し、両液面が一定に保たれることにより、液化窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御するものであるから、分縮器内の液面の変動に基づき、液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御するものということができる。よって、構成要件Ⅸを充足する。

(一〇) 原告主張装置においては、精留塔15の上部に溜まった窒素ガスは、取出パイプ27を通って、第1の還流液パイプ21bと第1の窒素取出パイプ27aに分岐する。そして、第1の窒素取出パイプ27aに分岐した窒素ガスは、液化窒素戻りパイプ27b、第2の窒素取出パイプ27c及びパイプ27fを通り、熱交換器13内で圧縮空気と熱交換され、メインパイプ28から製品窒素ガスとして取り出される。

したがって、原告主張装置は、精留塔15から気体として取り出される窒素及び精留塔15内において寒冷源としての作用を終え気化した液体窒素を、熱交換器13を経由させ、その内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ、製品窒素ガスとする窒素ガス取出路である、取出パイプ27、第1の窒素取出パイプ27a、液化窒素戻リパイプ27b、第2の窒素取出パイプ27c、パイプ27f及びメインパイプ28を有するから、構成要件Ⅹを充足する。

なお、原告主張装置では、窒素ガスを精留塔15上部から取り出す取出パイプ27と製品窒素ガスとして取り出すメインパイプ28の間に、第2の分縮器7→液化窒素戻りパイプ27b→第2の窒素取出パイプ27c→液化窒素セパレータ51という工程を経るが、これは、単に精留塔15上部から取り出された窒素ガスを一旦液化して液体窒素とした後、再度気化して窒素ガスに戻しているだけであって、技術的に無意味な工程であるから、この工程の存在は、原告主張装置が構成要件Ⅹを充足することを左右するものではない。

(二) 以上のとおり、原告主張装置は、本件発明の構成要件をすべて充足するから、本件発明の技術的範囲に属する。

二  被告の主張

1  被告が、原告主張装置を製造販売していることは、否認する。

被告が製造販売している窒素ガス製造装置は、別紙第二目録(以下「被告目録」という。)記載のとおりに特定されるものである(以下、被告目録記載の窒素ガス製造装置を「被告主張装置」という。)。

2  被告主張装置は、本件発明の技術的範囲に属さない。

(本項では、被告目録の図面の符号及び符号の説明を用いて表記する。)

(一) 構成要件Ⅰ<4>及び構成要件Ⅹについて

本件発明では、精留塔から気体として取り出される窒素は、「熱交換手段を経由させ、その内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ、製品窒素ガスとする」(構成要件Ⅹ)ものであるが、被告主張装置では、精留塔から第一の還流液パイプ7aを通って気体として取り出される窒素は、凝縮器7により熱交換されて液体窒素となり、第二の還流液パイプ7bを通って精留塔に戻されるのであり、「熱交換器を経由させ、その内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ製品窒素ガス」として取り出されるものではない。

したがって、被告主張装置は、本件発明の「窒素のみを上部側から気体として取り出す精留塔」(構成要件Ⅰ<4>)を備えておらず、また、本件発明の「精留塔から気体として取り出される窒素を熱交換器を経由させ、その内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ、製品窒素ガスとする」との構成(構成要件X)も備えていない。

よって、被告主張装置は、構成要件Ⅰ<4>及び構成要件Ⅹを充足しない。

(二) 構成要件Ⅱについて

本件発明の「精留塔の上部」とは、精留塔の一部分である精留塔の上の部分を示すものであるところ、被告主張装置の凝縮器21a内蔵型の分縮器21は、精留塔の上方に精留塔とは別個独立に設けられている。

したがって、被告主張装置は、構成要件Ⅱを充足しない。

(三) 構成要件Ⅸについて

本件発明の液面制御手段は、「分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき、精留塔に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御し、液体空気の液面を設定液面位に保つもの」である。

これに対し、被告主張装置では、第一の液面制御計25は、分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、液体空気導入パイプ19に設けられたバルブ19aを調節して精留塔底部の液体空気から分縮器21に対する液体空気の供給量を制御し、分縮器21内の液体空気の液面を設定液面位に保つものであり、第二の液面制御計44は、精留塔底部の液体空気の液面の変動に基づき、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して液体窒素貯蔵タンク23から精留塔に対する液体窒素の供給量を制御し、精留塔底部の液体空気の液面を設定液面位に保つものである。

このように、被告主張装置では、第一の液面制御計25と第二の液面制御計44とがそれぞれ独立して制御を分担しており、第一の液面制御計25は、液体窒素貯蔵タンク23から精留塔に対する液体窒素の供給量を制御していない。

したがって、被告主張装置は、構成要件Ⅸを充足しない。

第四  当裁判所の判断

一  原告は、原告主張装置について、第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、液化窒素貯槽23と精留塔15の間の導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して精留塔15に対する液化窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御し、右液体空気の液面を設定液面位に保つ液面計25を有すると主張する(前記第三の一2(九)(1))ので、判断する。

1  証拠(甲一〇)と弁論の全趣旨によると、<1>被告は、昭和六〇年七月八日付けで「空気分離装置(TCN-α型)見積仕様書」と題する高純度窒素ガス製造装置の仕様書を作成したこと、<2>同仕様書に記載れた高純度窒素ガス製造装置は、原料空気を塔頂の純窒素ガスと塔底の液体空気に分離する窒素精留塔と、この精留塔の頂部に設置された窒素凝縮器と、装置外から供給を受けた液体窒素を貯蔵する液体窒素貯蔵手段と、この窒素貯蔵手段内の液体窒素を窒素精留塔内に導くパイプを備えたものであり、窒素凝縮器に設けられた液面計により液体窒素貯蔵手段の液体窒素を精留塔に導くパイプに設けられたバルブを制御するようになっていること、<3>右仕様書に記載された高純度窒素ガス製造装置と原告主張装置は、ともに型番がTCN-α型であること、以上の事実が認められる。

2  しかし、証拠(甲一〇、乙八)と弁論の全趣旨によると、右仕様書に記載された高純度窒素ガス製造装置の窒素凝縮器は、円筒直管型の凝縮器であり、精留塔頂部に設置されているのに対し、原告主張装置の凝縮器(凝縮器21a)はプレートフイン型の凝縮器であり、精留塔の上方に別個独立に設置されていること、被告は右仕様書を作成しただけで、この高純度窒素ガス製造装置を実際には製造していないことが認められ、これらの事実に照らすと、同一の型番の装置であっても必ずしも同一の構成を備えているとは限らず、しかも、被告は右仕様書に記載された高純度窒素ガス製造装置を実際には製造していないのであるから、右1<1>ないし<3>の事実から、直ちに、被告が、液面計25が右仕様書に記載された高純度窒素ガス製造装置の窒素凝縮器に設けられた液面計と同様の制御を行っており、かつ、他の原告主張装置の構成を備えた装置の製造販売を行っていると認めることはできず、他に、被告が、液面計25が第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動により、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して精留塔15に対する液化窒素貯槽23からの、液体窒素の供給量を制御しており、かつ、他の原告主張装置の構成を備えた装置の製造販売を行っていることを認めるに足りる証拠はない。

3  したがって、原告主張装置について、第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、液化窒素貯槽23と精留塔15の間の導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して精留塔15に対する液化窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御し、右液体空気の液面を設定液面位に保つ液面計25を有するとの構成(前記第三の一2(九)(1))を備えているとは認められない。

二  原告は、仮に、液面計25が第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、パイプ19に設けられたバルブ19aを調節して精留塔底部の液体空気から右分縮器21に対する液体空気の供給量を制御し、液面計44が精留塔底部の液体空気の液面の変動に基づき、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して液化窒素貯槽23から精留塔に対する液体窒素の供給量を制御するものであるとしても、構成要件Ⅸを充足すると主張する(前記第三の一2(九)(2))ので、判断する。

1  証拠(甲二、三)によると、

(一) 本件明細書の発明の詳細な説明には、本件発明の実施例の説明として、<1>「25は液面計であり、分縮器21内の液体空気の液面が一定レベルを保つようその液面に応じてバルブ26を制御し液体窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御する。」(本件公報、訂二三、一一行、一二行)との記載、<2>「この装置では、製品窒素ガスの需要量に変動が生じても液面計25のような制御手段がバルブ26の開度等を制御し、精留塔15に対する液体窒素の供給量を制御することにより分縮器21内の液体空気の液面を一定に制御御するため、需要量の変動に迅速に対応でき、かつこのときにも先に述べた理由により純度ばらつきを生じない。」(本件公報、訂二五、一三行ないし一七行)との記載及び<3>「上記液面計25による制御は、液面計が取付けられた部分に供給される液体窒素の供給量をその部分の液面で制御する(直接液面制御)のではない。すなわち精留塔15に対する液体窒素の供給量を精留塔15内の液面ではなく、分縮器21内の液面で制御する(間接液面制御)ため、精留塔内の還流液の総量を常時一定量に制御でき(精留塔内の液面で制御する場合には、精留塔の底部に新たに液面計を設けてこれでバルブ26を制御するとともに、現行の液面計25でバルブ19aを制御することとなり、制御系が2系列になるため、精留塔内の還流液《分縮器からの還流液十供給液体窒素》の総量は常時一定にならない。)、それによって、製品窒素ガスの純度を需要変動に関係なく一定に保持できるようになる。」(本件公報、訂二五、二九行ないし三六行)との記載があること、本件発明の効果として、<4>「特に、この発明の装置は、精留塔の上部に凝縮器内蔵型の分縮器を設け、この凝縮器へ精留塔の窒素ガスの一部を常時導入して液化還流液化し、還流液が常時精留塔内へ戻るようにすると同時に、液面制御手段によって、分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき精留塔に対する液体窒素の供給量を制御し液体空気の液面を設定液面位に保つという間接液面制御を行うため、負荷変動に対して極めて迅速に対応でき、その際、製品窒素ガスの純度ばらつきを生じないのである。」(本件公報、訂二七、一四行ないし一九行)との記載があること、

(二) 構成要件Ⅸは、公告後の補正によって補正されたものであるが、補正前の特許請求の範囲のこの分は、「上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御することにより上記分縮器内の液体空気の液面を一定に制御する制御手段と、」というものであって、精留塔に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量の制御が何に基づいてされるかの記載はなく、また、補正前の明細書の発明の詳細な説明には、本件発明の実施例として、右(一)<1>及び<2>の記載はあったが、<3>の記載はなく、さらに、発明の効果についての<4>の記載は、「特に、この発明の装置は、精留塔の上部に凝縮器内蔵型の分縮器を設け、この凝縮器へ精留塔の窒素ガスの一部を常時導入して液化還流液化し、還流液が常時精留塔内へ戻るようにすると同時に、」の部分は同一であるが、「液面制御手段によって、分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき精留塔に対する液体窒素の供給量を制御し液体空気の液面を設定液面位に保つという間接液面制御を行うため、負荷変動に対して極めて迅速に対応でき、その際、製品窒素ガスの純度ばらつきを生じないのである。」の部分は、「制御手段によって上記精留塔に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御して分縮器の液面を一定に制御するため、負荷変動に対して極めて迅速に対応でき、その際、製品窒素ガスの純度ばらつきを生じないのである。」(本件発明に係る補正前の特許公報(甲二)一〇欄一行ないし六行)と記載されていたこと、

(三) 本件発明に係る図面(第1図ないし第3図)に示された本件発明の実施例の構成図においては、分縮器21に設けられた液面計25と、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26とが破線で結ばれていること、以上の事実が認められる。

2  右1認定の事実に照らすと、構成要件Ⅸにいう「上記分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき、上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御し」とは、分縮器内の液体空気の液面のみによって精留塔に対する液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御する制御方式を意味するものと解され、分縮器内の液体空気の液面によって分縮器に対する精留塔底部からの液体空気の供給量を制御するとともに、精留塔底部の液体空気の液面によって液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御するという二系列の制御方式は、構成要件Ⅸにいう「制御」には含まれないものと解される。

なお、右1(一)<3>のかっこ内に記載されている「制御系が2系列になる」ものについて、原告は、液体窒素が精留塔15に供給された部分の液面で液体窒素貯留手段23からの液体窒素の供給量を制御すると、精留塔15の底部の液面にも液面計を設け、当該液面計で液体窒素貯留手段23からの供給量を制御することが必要になるから、制御系が二系列になるということを述べたものであると主張するが、右の「制御系が2系列になる」という記載は、「液面計25が分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、バルブ19aを調節して分縮器21に対する精留塔15からの液体空気の供給量を制御すること」と「精留塔15の底部に設けられた液面計が精留塔15内の液体空気の液面の変動に基づき、バルブ26を調節して精留塔15に対する液体窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御すること」を二系列と表現したものであることは、本件明細書のその前後の記載から明らかであるから、原告の右主張を採用することはできない。

しかるところ、液面計25が第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動に基づき、パイプ19に設けられたバルブ19aを調節して右分縮器21に対する精留塔底部からの液体空気の供給量を制御し、液面計44が精留塔底部の液体空気の液面の変動に基づき、導入路パイプ24aに設けられたバルブ26を調節して精留塔に対する液化窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御しているものは、右の二系列の制御方式に当たるというべきであるから、構成要件Ⅸの「上記分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき、上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御し」に該当しない。

3  したがって、構成要件Ⅸを充足しない。

三  以上の次第で、原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなくいずれも理由がない。

(裁判長裁判官 森義之 裁判官 榎戸道也 裁判官 岡口基一)

別紙第一目録

下記説明並びに別紙図面に示される高純度窒素ガス製造装置

(型式:TCN-α)

一、図面の説明

別紙図面は、高純度窒素ガス製造装置の構成図である。

二、主たる構成の説明

1、本装置は、

(1) 窒素ガスを取出す原料としての圧縮空気を蒸留系ラインに送出する空気圧縮系ラインとしての、

空気圧縮機9、COコンバーター40、アフタークーラー41、ドレン分離器10、フロン冷却機11、2つの吸着塔12、並びに再生用ヒーター42

(2) 原料たる圧縮空気を超低温に冷却したうえ、これを精留塔内で液体窒素と接触させることによって、窒素と酸素の液化温度の相違を利用して蒸留し、窒素のみを精留塔上部から採取する蒸留系ラインとしての、

熱交換器13、廃液熱交換器43、精留塔15、窒素凝縮器21aを内蔵した第1の分縮器21、液化窒素貯留槽23、並びに液面計25及び44

(3) 製品たる窒素ガスを一旦取り出し、この窒素ガスを液化後精留塔に導入し、再度液化窒素として精留塔から取り出すラインとして

窒素凝縮部を内蔵した第2の分縮器7、第2の分縮器7の液体空気の液面を安定した状態で取り出すために設けた液化窒素セパレータ51、

(4) 非常の場合、液体窒素貯槽内の液体窒素をガス化して製品ラインに供給するバックアップ系ラインとしての、

液体窒素貯槽23、並びにバックアップライン30及び蒸発器31

以上(1)~(4)からなる別紙図面記載の如く構成された高純度窒素ガス製造装置である。

なお、COコンバーター40は、ユーザーの要求する製品窒素ガスの純度に応じて設置されないこともある。

2、各機器の説明

(1) 空気圧縮系ライン

<1>空気圧縮機9は、外部より取り入れた空気を圧縮し、窒素ガスを取り出す為の原料空気を送出する。

<2>COコンバーター40は、内部に触媒が充填されており、空気圧縮機9から送られてきた高温の空気を通すことにより、空気中から一酸化炭素及び水素を除去する。

<3>COコンバーター40から送られてきた高温の圧縮空気はフロン冷却器11及びアフタークーラー41で冷却され、ドレン分離器により水分を、吸着塔12により炭酸ガス及び水分を除去する。

(2) 蒸留系ライン

<4>熱交換器13は、吸着塔12を経た圧縮空気と、凝縮器21aを内蔵した第1の分縮器21の上部から排出される超低温の空気並びに精留塔15の上部から送られてくる超低温の窒素ガスとを熱交換させて、圧縮空気を-180℃位の超低温に冷却する。

<5>精留塔15は、その上部に凝縮器21aを内蔵した第1の分縮器21を設け、凝縮器21aと第2の分縮器7及び液体窒素貯槽23から導入された液体窒素(合わせて還流液という)と熱交換器13により超低温に冷却された圧縮空気とを接触させることにより、圧縮空気の一部を液化して底部に液体空気18として溜め、窒素ガスのみを気体として上部に溜める。

<6>第1の分縮器21は、精留塔15の下部に貯留している液体空気18を導入して凝縮器21aを冷却し、第1の還流液パイプ21bを通って案内されてきた窒素ガスを液化する。この液体窒素は、第2の還流液パイプ21cを通して精留塔15に上記還流液の一部として供給される。

<7>液体窒素貯槽23は、本装置の外部から液体窒素を受け入れて貯蔵し、液面計25の制御に基づき貯留液体窒素を精留塔15内へ供給し、<6>記載の液体窒素と共に還流液を形成する。

<8>液面計25は、第1の分縮器21内の液体空気の液面の変動により、液体窒素貯槽23から精留塔15への液体窒素の供給量を調整する。これにより、第1の分縮器21内の液体空気の液面位を一定に保つ。

<9>液面計44は、精留塔15底部の液体空気18の液面の変動を制御して、液体空気18の液面を一定の液面位に保つ。

<10>廃液熱交換器43は、第1の分縮器21内の液体空気中にメタン等のハイドロカーボンが濃縮することを防止するため、分縮器21の下部から連続的に抽出された液体空気をガス化させて本装置の外部へ放出する。

(3)製品窒素ライン

<11>精留塔15の上部に溜まった窒素ガスは、取出パイプ27及び第1の窒素取出パイプ27aを通って第2の分縮器7に内蔵された凝縮部に案内されて液化し、液化窒素戻りパイプ27bを通って精留塔15に一旦戻る。戻った液体窒素は、第2の窒素取出パイプ27cを通って精留塔15から再度取り出され、液化窒素セパレータ51を介してメインパイプ28を通って製品窒素ガスとして取り出される。

<12>液化窒素セパレータ51は、第2の分縮器7内の液体窒素の液面を安定した状態にするために設けた気液分離器であって、精留塔15の上部から取り出された窒素ガスが一旦液化ざれて精留塔に戻った後、第2の窒素取出パイプ27c及び27cを通過する過程で再度気化した窒素ガスを分離する。

<13>バルブ27dは製品窒素ガスを一定にするために設けたバルブで、バルブ27dの出口で圧力を低減し、流れる窒素の温度を低下させている。

(4)バックアップ系ライン

<14>蒸発器31は、液体窒素貯槽23からの液体窒素を加温して窒素ガスにする。

三、作動の説明

1、空気圧縮系ライン

(1)外部より取り入れられた空気は、空気圧縮機9により圧縮され、COコンバーター40により一酸化炭素及び水素を除去された後、一旦アフタークーラー41により冷却される。

(2)冷却された圧縮空気は、ドレン分離器10により水滴(ミスト)を除去され、フロン冷却器11により約5℃に再度冷却される。冷却された圧縮空気は、吸着塔12に送られて水分及び炭酸ガスが吸着除去される。

2、蒸留系ライン

(3)水分及び炭酸ガスが吸着除去された圧縮空気は、圧縮空気供給パイプ8を通って熱交換器13に送り込まれ、同器内部で、第1の分縮器21の上部から放出パイプ29を通って送られてきた超低温の空気並びに精留塔15の上部から第1の窒素取出パイプ27aを経由し、第2の窒素取出パイプ27cを通って送られてきた超低温の窒素ガスと熱交換により約-180℃位の超低温に冷却され、その状態でパイプ17を経て精留塔15の下部に投入される。

(4)投入された圧縮空気は、精留塔15内を上昇し、第2の還流液パイプ21c、液化窒素戻りパイプ27b並びに液体窒素貯槽23から供給された液体窒素(還流液)が精留塔15内を下降する時に接触して冷却され、酸素と窒素の沸点の差(大気圧下ではそれぞれ-183℃、-196℃)により酸素を優先的に液化して精留塔15の底部に液体空気18として溜まり、窒素は液化せずに気体として精留塔15の上部に溜る。

(5)精留塔15の上部に溜った窒素ガスの一部は、取出パイプ27、第1の窒素取出パイプ27a、液化窒素戻りパイプ27b、及び第2の窒素取出パイプ27c等を通って熱交換器13に送られ、圧縮空気供給パイプ8を通って送られてきた前記圧縮空気と熱交換により常温にまで昇温されて、パイプ28を経て製品窒素ガスとして取り出される。また、残りの窒素ガスは、取出パイプ27及び第1の還流液パイプ21bを通って、精留塔15の上部に設けられた凝縮器21a内に導入さねる。

(6)精留塔15の底部の液体空気18は、パイプ19を通って第1の分縮器21内に導かれ、凝縮器21aを冷却することに使用される。分縮器21内に導かれた液体空気18は、取出パイプ27及び第1の還流液パイプ21bを通って送られてきた前記窒素ガスを液化し、この液体窒素は、第2の還流液パイプ21cを通って精留塔15内に戻されて、還流液として前記(4)項記載の作用を行う。凝縮21aを冷却した液体空気18は気化し、放出パイプ29を経て熱交換器13に送られた後、一部が再生用ヒーター42を通って吸着塔12の再生に使用され、他は大気中に放出される。

(7)液面計25は、第1の分縮器21内の液体空気の液面変動により、液体窒素貯槽23から液体窒素導入パイプ24aを経て精留塔15内へ導入される液体窒素の供給量を制御することにより液面位を一定に保つ。このことにより、凝縮器21a内での窒素ガス液化量を一定にし、第2の還流液パイプ21c及び液化窒素貯槽23から導入される液体窒素の総量を一定にして、還流液の総量を一定に保っ。

なお、第2の分縮器7に内蔵された凝縮部で液化し、液化窒素戻りパイプ27bで精留塔15に一旦戻った液体窒素は、それと同量が製品窒素として第2の窒素取出パイプ27cから抜き出される(抜き出さないと液化窒素戻りパイプ27bから液化窒素が流下しない)。その過程で、第2の還流液パイプ21cから供給される液体窒素と合流することから還流液となるが、これは上記で言う還流液の総量を一定に保つ働きには影響しなしい。

3、製品窒素ライン

(8)精留塔15の上部に溜まった窒素ガスの一部は、取出パイプ27及び第1の窒素取出パイプ27aを通って第2の分縮器7に送られ、ここで液化後、液化窒素戻りパイプ27bを通って精留塔15に一旦戻る。

(9)精留塔15に戻った液体窒素は他の液体窒素と混合し、戻った液体窒素と同量が第2の窒素取出パイプ27cを通って液化窒素セパレータ51に供給される。

(10)液化窒素セパレータ51の底部から取り出した液化窒素は、パイプ51aを通って第2の分縮器7に内蔵された凝縮器を冷却する。

(11)第2の分縮器7でガス化された窒素ガスは、パイプ51b、27fを通って熱交換器13に供給され、吸着塔12を経た圧縮空気と熱交換されて、メインパイプ28を通って製品窒素ガスとして取り出される。

4、バックアップ系ライン

(12) バックアップライン30は、上記各ラインに故障等が発生した時に液体窒素貯槽23内の液体窒素を蒸発器31により蒸発させてメインパイプ28に送り込み、製品窒素ガスの供給が途絶えることのないようにする。

四、符号の説明

7 第2の分縮器 8 圧縮空気供給パイプ

9 空気圧縮機 10 ドレン分離器

11 フロン冷却器

12 吸着塔 13 熱交換器

15 精留塔 17 パイプ

18 液体空気 19 パイプ

19a バルブ(膨張弁)

21 第1の分縮器 21a 凝縮器

21b 第1の還流液パイプ 21c 第2の還流液パイプ

23 液化窒素貯槽

24a 導入路パイプ(液体窒素導入路パイプ)

25 液面計 26 バルブ(液体窒素供給弁)

27 取出パイプ(窒素ガス取出パイプ)

27a 第1の窒素取出パイプ 27b 液化窒素戻りパイプ

27c 第2の窒素取出パイプ 27d 製品窒素製造量調整バルブ

27e パイプ 27f パイプ

28 メインパイプ 29 放出パイプ

29a 保圧弁

30 パックアップライン 31 蒸発器

40 COコンバーター 41 アフタークーラー

42 再生用ヒーター 43 廃液熱交換器

44 液面計

51 液化窒素セパレータ

51a パイプ 51b パイプ

<省略>

別紙第二目録

(TCN-α・第三類型)

一 主たる構成の説明

Ⅰ<1> 外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮機9と、

<2> この空気圧縮機9によって圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分とを除去する吸着塔12と、

<3> この吸着塔12を経た圧縮空気を超低温に冷却する空気熱交換器13と、

<4> この熱交換器13により超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜め窒素のみを液体として側部から取り出す精留塔15を備えた窒素ガス製造装置であって、

Ⅱ 精留塔の上方に独立して設けられた凝縮器21a内蔵型の分縮器21と、

Ⅲ 精留塔の底部の貯溜液体空気18を上記凝縮器冷却用の寒冷として上記分縮器21中に導く液体空気導入パイプ19と、

Ⅳ 上記分縮器中で生じた気化した液体空気を外部に放出する放出パイプ29と、

Ⅴ 精留塔内で生成した窒素ガスを上記凝縮器内に案内する第1の還流液パイプ27、21bと、

Ⅵ 上記凝縮器内で生じた液化窒素を還流液として精留塔内に戻す第2の還流液パイプ21cと、

Ⅶ 装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵タンク23と、

Ⅷ この液体窒素貯蔵タンク内の液体窒素を圧縮空気液化用の寒冷として連続的に上記精留塔内に導く導入路パイプ24aと、

Ⅸ<1> 上記分縮器21内の液体空気の液面の変動にもとづき、精留塔の底部の貯溜液体空気18からの液体空気の供給量を制御し、上記液体空気の液面を設定液面位に保つ第一の液面制御計25と、

<2> 上記精留塔底部の貯留液体空気18の液面変動にもとづき、上記液体窒素貯蔵タンク23からの液体窒素の供給量を制御し、上記精留塔底部の貯留液体空気18の液面を設定液面位に保つ第二の液面制御計44と、

Ⅹ 上記精留塔15の液体窒素取出パイプ60aがら液体として取り出される窒素を、セパレータ51から凝縮器7を経由させて、その内部を通る精留塔頂部からの窒素ガスと熱交換して気化させた後、上記セパレーター51から上記熱交換手段13を経由させその内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ製品窒素ガスとする窒素ガス取出しパイプ28を備えたこと

ⅩⅠ を特徴とする高純度窒素ガス製造装置。

二 別紙図面の符号の説明

7 凝縮器

7a 第一の還流液パイプ

7b 第二の還流液パイプ

9 空気圧縮器

12 吸着塔

13 空気熱交換器

15 精留塔

18 貯留液体空気

19 液体空気導入パイプ

19a バルブ

21 分縮器

21a 凝縮器

21b 第一の還流液パイプ

21c 第二の還流液パイプ

23 液体窒素貯蔵タンク

別紙 (第3類型)

<省略>

別紙公報

昭和59年特許願第146332号(特公昭61-46747号、昭61.10.15発行の特許公報5(3)-49〔337〕号掲載)については特許法第17条の3の規定による補正があつたので下記のとおり掲載する。

Int. Cl.3F 25 J 3/04

特許第1566562号 識別記号 庁内整理番号 8925-4D

1 「特許請求の範囲」の項を「1 外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮手段と、この空気圧縮手段によつて圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分とを除去する除去手段と、この除去手段を経た圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段と、この熱交換手段により超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜め窒素のみを気体として上部側から取り出す精留塔を備えた窒素ガス製造装置であつて、精留塔の上部に設けられた凝縮器内蔵型の分縮器と、精留塔の底部の貯溜液体空気を上記凝縮器冷却用の寒冷として上記分縮器中に導く液体空気導入パイプと、上記分縮器中で生じた気化体液体空気を外部に放出する放出パイプと、精留塔内で生成した窒素ガスの一部を上記凝縮器内に案内する第1の還流液パイプと、上記凝縮器内で生じた液化窒素を還流液として精留塔内に戻す第2の還流液パイプと、装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段と、この液体窒素貯蔵手段内の液体窒素を冷熱発生用膨脹器からの発生冷熱に代え圧縮空気液化用の寒冷として連続的に上記精留塔内に導く導入路と、上記分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制御し上記液体空気の液面を設定液面位に保つ液面制御手段と、上記精留塔から気体として取り出される窒素および上記精留塔内において寒冷源としての作用を終え気化した上記液体窒素を上記熱交換手段を経由させその内部を通る圧縮空気と熱交換させろことにより温度上昇させ製品窒素ガスとする窒素ガス取出路を備えたことを特徴とする高純度窒素ガス製造装置。」と補正する。

2 「発明の詳細な説明」の項を「〔技術分野〕

この発明は、高純度窒素ガス製造装置に関するものである。

〔背景技術〕

電子工業では極めて多量の窒素ガスが使用されている。この窒素ガスは、一般に、空気を原料とし、これを圧縮機で圧縮したのち、吸着筒に入れて炭素ガスおよび水分を除去し、さらに熱交換器を通して冷媒と熱交換させて冷却し、ついで精留塔で深冷液化分離して製品窒素ガスを製造し、これを前記の熱交換器を通して常温近傍に昇温させるという工程を経て製造されている。このような従来の窒素ガスの製造装置は、圧縮機で圧縮された圧縮空気を熱交換するための熱交換器の冷媒の冷却用に、膨脹タービンを用い、これを精留塔内に溜る液体空気(深冷液化分離により低沸点の窒素はガスとして取り出され、残部が酸素リツチな液体空気となつて溜る)から蒸発したガスの圧力で駆動するようになつている。ところが、膨脹タービンは回転速度が極めて大(数万回/分)であつて負荷変動に対する追従運転が困難であり、特別に養成した運転員が必要となる。また、このものは高速回転するため機械構造上高精度が要求され、かつ高価であり、機構が複雑なため特別に養成した保全要員が必要という難点を有している。すなわち、膨脹タービンは高速回転部を有するため、上記のような諸問題を生じろのであり、このような高速回転部を有する膨脹タービンの除去に対して強い要望があつた。

〔発明の目的〕

この発明は、膨脹タービンや精製装置を用いることなく高純度の窒素ガスを製造できる装置の提供をその目的とするものである。

〔発明の開示〕

上記の目的を達成するため、この発明の高純度窒素ガス製造装置は、外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮手段と、この空気圧縮手段によつて圧縮された圧縮空気中の炭酸ガスと水分とを除去する除去手段と、この除去手段を経た圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段と、この熱交換手段により超低温に冷却された圧縮空気の一部を液化して底部に溜め窒素のみを気体として上部側から取り出す精留塔を備えた窒素ガス製造装置であつて、精留塔の上部に設けられた凝縮器内蔵型の分縮器と、精留塔の底部の貯溜液体空気を上記凝縮器冷却用の寒冷として上記分縮器中に導く液体空気導入パイプと、上記分縮器中で生じた気化液体空気を外部に放出する放出パイプと、精留塔内で生成した窒素ガスの一部を上記凝縮器内に案内する第1の還流液パイプと、上記凝縮器内で生じた液化窒素を還流液として精留塔内に戻す第2の還流液パイプと、装置外から液体窒素の供給を受けこれを貯蔵する液体窒素貯蔵手段とこの液体窒素貯蔵手段内の液体窒素を冷熱発生用膨脹器からの発生冷熱に代え圧縮空気液化用の寒冷として連続的に上記精留塔内に導く導入路と、上記分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき上記精留塔に対する上記液体窒素貯蔵手段からの液体窒素の供給量を制卸し上記液体空気の液面を設定液面位に保つ液面制御手段と、上記精留塔から気体として取り出されろ窒素および上記精留塔内において寒冷源としての作用を終え気化した上記液体窒素を上記熱交換手段を経由させその内部を通る圧縮空気と熱交換させることにより温度上昇させ製品窒素ガスとする窒素ガス取出路を備えるという構成をとるものである。

つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳しく説明する。

第1図はこの発明の一実施例を示している。図において、9は空気圧縮機、10はドレン分離器、11はフロン冷却器、12は2個1組の吸着筒である。吸着筒12は内部にモレキユラーシーブが充填されていて空気圧縮機9により圧縮された空気中のH2OおよびCO2を吸着除去する作用をする。8はH2O、CO2が吸着除去された圧縮空気を送る圧縮空気供給パイプである。13は第1の熱交換器てあり、吸着筒12によりH2OおよびCO2が吸着除去された圧縮空気が送り込まれる。14は第2の熱交換器であり、第1の熱交換器13を経た圧縮空気が送り込まれる。15は、塔頂に、凝縮器21a内蔵の分縮器21を備えた精留塔であり、第1および第2の熱交換器13、14により超低温に冷却されパイプ17を経て送り込まれる圧縮空気をさらに冷却し、その一部を液化し液体空気18として底部に溜め、窒素のみを気体状態で上部天井部に溜めるようになつている。23は液体窒素貯槽であり、内部の液体窒素(高純度品)を、導入路パイプ24aを経由させて精留塔15の上部側に送入し、精留塔15内に供給される圧縮空気の寒冷源にする。ここで前記精留塔15についてより詳しく説明すると、上記精留塔15は天井板20の上側に分縮器21を備えており、上記分縮器21内凝縮器21aは、精留塔15の上部に溜る窒素ガスの一部が第1の還流液パイプ21bを介して送入される。この分縮器21内は、精留塔15内よりも減圧状態になつており、精留塔15の底部の貯留液体空気(N250~70%、O230~50%)18が膨脹弁19a付きパイプ19を経て送り込まれ、気化して内部温度を液体窒素の沸点以下の温度に冷却するようになつている。この冷却により、凝縮器21a内に送入された窒素ガスが液化する。25は液面計であり、分縮器21内の液体空気の液面が一定レベルを保つようその液面に応じてバルブ26を制御し液体窒素貯槽23からの液体窒素の供給量を制御する。精留塔15の上部側の部分には、上記分縮器21内の凝縮器21aで生成した液体窒素が第2の還流液パイプ21cを通つて流下供給されるとともに、液体窒素貯槽23から液体窒素が導入路パイプ24aを経て供給され、これらが液体窒素溜め21dを経て精留塔15内を下方に流下し、精留塔15の底部から上昇する圧縮空気と向流的に接触し冷却してその一部を液化するようになつている。この過程で圧縮空気中の高沸点成分は液化されて精留塔15の底部に溜り、低沸点成分の窒素ガスが精留塔15の上部に溜る。27は精留塔15の上部天井部に溜つた窒素ガスを製品窒素ガスとして取り出す取出パイプで、超低温の窒素ガスを第2および第1の熱交換器14、13内に案内し、そこに送り込まれる圧縮空気と熱交換させて常温にしメインパイプ28に送り込む作用をする。この場合、精留塔15内における最上部には、窒素ガスとともに、沸点の低いHe(-269℃)、H2(-253℃)が溜りやすいため、取出パイプ27は、精留塔15の最上部よりかなり下側に開口しており、He、H2の混在しない純窒素ガスのみを製品窒素ガスとして取り出すようになつている。29は分縮器21内の気化液体空気を第2および第1の熱交換器14、13に送り込む放出パイプであり、29aはその保圧弁である。なお、30はバツクアツブ系ラインであり、空気圧縮系ラインが故障したときに液体窒素貯槽23内の液体窒素を蒸発器31により蒸発させてメインバイブ28に送り込み、窒素ガスの供給がとだえることのないようにする。32は不純物分析計であり、メインバイブ28に送り出される製品窒素ガスの純度を分析し、純度の低いときは、弁34、34aを作動させて製品窒素ガスを矢印Bのように外部に逃気する作用をする。

この装置は、つぎのようにして製品窒素ガスを製造する。すなわち、空気圧縮機9により空気を圧縮し、ドレン分縮器10により圧縮された空気中の水分を除去してフロン冷却器11により冷却し、その状態で吸着筒12に送り込み、空気中のH2OおよびCO2を吸着除去する。ついでH2O、CO2が吸着除去された圧縮空気を、精留塔15からパイプ27を経て送り込まれる製品窒素ガス等によつて冷やされている第1、第2の熱交換器13、14に送り込んで超低温に冷却し、その状態で精留塔15の下部内に投入する。ついで、この投入圧縮空気を、液体窒素貯槽23から導入路パイプ24aを経由して精留塔15内に送り込まれた液体窒素および液体窒素溜め21dからの溢流液体窒素と接触させて冷却し、一部を液化して精留塔15の底部に液体空気18として溜める。この過程において、窒素と酸素の沸点の差(酸素の沸点-183℃、窒素の沸点-196℃)により、圧縮空気中の高沸点成分である酸素が液化し、窒素が気体のまま残る。ついで、この気体のまま残つた窒素を取出パイプ27から取り出して第2および第1の熱交換器14、13に送り込み、常温近くまで昇温させメインパイプ28から製品窒素ガスとして送り出す。この場合、精留塔15内は、空気圧縮機9の圧縮力および液体窒素の蒸気圧により高圧になつているため、取出パイプ27から取り出される製品素ガスの圧力も高い。したがつて、この製品窒素ガスをパージ用ガスとして用いる場合に特に有効となる。また、圧力がこのように高いため、同一径のパイプでは多量のガスを輸送できるようになるし、輸送量を一定にしたときには小径のパイプを用いることができるようになり設備費の節約を実現しうるようになる。他方、精留塔15の下部に溜つた液体空気18については、これを分縮器21内に送り込み凝縮器21aを冷却させる。この冷却により、精留塔15の上部から凝縮器21aに送入された窒素ガスが液化して精留塔15用の還流液となり、第2の還流液パイプ21cを経て精留塔15に戻る。そして、凝縮器21aを冷却し終えた液体空気18は、気化し放出パイプ29により第2および第1の熱交換器14、13に送られその熱交換器14、13を冷やしたのち、空中に放出される。なお、液体窒素貯槽23から導入路パイプ24aを経由して精留塔15内に送り込まれた液体窒素は、圧縮空気液化用の寒冷源として作用し、それ自身は気化して取出パイプ27から製品窒素ガスの一部として取り出される。

この窒素ガス製造装置は、上記のように膨脹タービンを用いず、高純度の製品窒素ガスを製造しうるものであり、膨脹タービンに起因する前記弊害を全く生じず、しかも精製装置を不要化しうる。特に、この高純度窒素ガス製造装置は、精留塔15の上部に凝縮器21a内蔵型の分縮器21を設け、上記凝縮器21a内へ精留塔15内の窒素ガスの一部を常時案内して液化するため、凝縮器21a内へ液化窒素が所定量溜まつたのちはそれ以降生成する液化窒素が還流液として常時精留塔15内に戻るようになる。したがつて、凝縮器21aからの還流液の流下供給の断続に起因する製品純度のばらつき(還流液の流下の中断により上部精留棚では液がなくなりガスの吹抜け現象を招いて製品純度が下がり、流下時には一定純度に戻る)を生じず、常時安定した純度の製品窒素ガスを供給することができる。しかもこの装置では、製品窒素ガスの需要量に変動が生じても液面計25のような制御手段がバルブ26の開度等を制御し、精留塔15に対する液体窒素の供給量を制御することにより分縮器21内の液体空気の液面を一定に制御するため、需要量の変動に迅速に対応でき、かつこのときにも先に述べた理由により純度ばらつきを生じない。すなわち、製品窒素ガスの需要量が多くなると、従来の膨脹タービン式装置と同様、原料空気の取入量を増大させ、これを精留塔15内に供給する。その結果、それを冷却するため分縮器21内の液体空気が気化し液面が設定液面位より低下する。この液面の低下により液面計25が作動し液体窒素の供給がなされ、迅速に製品窒素ガスを製造し需要量の増大に素速く対応する。そして、この液体窒素の供給量の増加により精留塔底部の貯溜液体空気量が増大しそれに伴つて分縮器21内の液面が回復すると、液面計25によつて精留塔に対する液体窒素の供給量が適正に減少制御される。製品窒素ガスの需要量が少なくなると、上記とは逆に、分縮器21内の液面が上昇するため、液面計25が作動して精留塔15に対する液体窒素の供給量を減少させ液体窒素の過剰供給にもとづく不合理を排除する。このように、この装置は、液面計25により、分縮器21内の液体空気の液面の変動にもとづき精留塔15に対する液体窒素の供給量を制御し上記液体空気の液面を設定液面位に保つため、従来の膨脹タービン式窒素ガス製造装置において分縮器内の液体空気の液面で膨脹タービンに供給される廃ガスの量を制御し液体空気の液面を一定に保つ場合に比べて、制御に要する時間を大幅に短縮できるようになる。その結果、製品窒素ガスの需要量の変動に迅速に対応できるようになる。また、上記液面計25による制御は、液面計が取付けられた部分に供給される液体窒素の供給量をその部分の液面で制御する(直接液面制御)のでにない。すなわち精留塔15に対する液体窒素の供給量を精留塔15内の液面ではなく分縮器21内の液面で制御する(間接液面制御)ため、精留塔内の還流液の総量を常時一定量に制御でき(精留塔内の液面で制御する場合には、精留塔の底部に新たに液面計を設けてこれでバルブ26を制御するとともに、現行の液面計25でバルブ19aを制御することとなり、制御系が2系列になるため、精留塔内の還流液《分縮器からの還流液+供給液体窒素》の総量は常時一定にならない。)、それによつて製品窒素ガスの純度を需要変動に関係なく一定に保持できるようになる。すなわち、この装置は、純度のばらつきを生じることなく迅速かつ合理的に需要量の変動に対応できるのである。

第2図は、第1図の装置に真空保冷函を設けた実施例を示している。すなわち、この実施例は、制御塔15および第1、第2の熱交換器13、14を真空保冷函(一点鎖線で示す)中に収容し、精留効率の向上を図つている。それ以外の部分は第1図の装置と同じである。

第3図は、第1図の装置の精留塔内に第2の凝縮器を設けた実施例を示している。すなわち、この装置は、精留塔15内に第2の凝縮器22aを設け、ここに、導入路24aから液体窒素貯槽23の液体窒素を寒冷源として供給し、精留塔15の下部から取り込まれ精留塔15内を上昇する圧縮空気を冷却し酸素等の高沸点分を液化して精留塔15の底部に溜め、沸点の低い窒素ガスを精留塔15の上部に溜めるようにしている。そして、第2の凝縮器22a内において寒冷としての作用を終えて気化した気化液体窒素を放出路パイプ24bに入れ、第2および第1の交換器14、13を経由させて熱交換させたのち系外に放出するようにしている。それ以外の部分は第1図の装置と同じである。

〔発明の効果〕

この発明の高純度窒素ガス製造装置は、膨脹タービンを用いず、それに代えて何ら回転部をもたない液体窒素貯槽のような液体窒素貯蔵手段を用いるため、装置全体として回転部がなくなり故障を全く生じない。しかも膨脹タービンは高価であるのに対して液体窒素貯槽は安価であり、また特別な要員も不要になる。そのうえ、膨脹タービン(窒素精留塔内に溜る液体空気から蒸発したガスの圧力で駆動する)は、回転速度が極めて大(数万回/分)であるため、負荷変動(製品窒素ガスの取出量の変化)に対するきめ細かな追従運転が困難である。したがって、製品窒素ガスの取出量の変化に応じて膨脹タービンに対する液体空気の供給量を正確に変化させ、窒素ガス製造原斜である圧縮空気を常時一定温度に冷却することが困難であり、その結果、得られる製品窒素ガスの純度がばらつき、頻繁に低純度のものがつくりだされ全体的に製品窒素ガスの純度が低くなつていた。この発明の装置は、それに代えて液体窒素ガス貯槽を用い、供給量のきめ細かい調節が可能な液体窒素を寒冷源として用いるため、負荷変動に対するきめ細かな追従が可能となり、純度が安定していて極めて高い窒素ガスを製造しうるようになる。したがつて、従来の精製装置が不要となる。特に、この発明の装置は、精留塔の上部に凝縮器内蔵型の分縮器を設け、この凝縮器へ精留塔の窒素ガスの一部を常時導入して液化還流液化し、還流液が常時精留塔内へ戻るようにすると同時に、液面制御手段によつて、分縮器内の液体空気の液面の変動にもとづき精留塔に対する液体窒素の供給量を制御し液体空気の液面を設定液面位に保つという間接液面制御を行うため、負荷変動に対して極めて迅速に対応でき、その際、製品窒素ガスの純度ばらつきを生しないのである。そのうえ、得られる製品窒素ガスの圧力が高いため、同一径のパイプでは多量のガスを輸送できるようになるし、輸送量を一定にしたときには小径のパイプを用いることができるようになり設備費の節約を実現しうろようになる。」と補正する。

3 「図面の簡単な説明」の項を「第1図はこの発明の一実施例の構成図、第2図はその変形例の構成図、第3図は他の実施例の構成図である。

9…空気圧縮機、11、12…吸着筒、13、14…熱交換器、15…精留塔、17…パイプ、18…液体空気、21…分縮器、21a…凝縮器、21b…第1の還流液パイプ、21c…第2の還流パイプ、21d…液体窒素溜め、23…液体窒素貯槽、24a…導入路パイプ、27…取出パイプ、28…メインパイプ、29…放出パイプ。」と補正する。

別紙公報

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