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札幌高等裁判所 昭和34年(ラ)34号 決定 1961年6月12日

抗告人 穴倉孝 外一名

主文

原審判を取り消す。

抗告人等の氏穴倉を宮永と変更する。

事実及び理由

本件抗告の趣旨並びに理由は、別紙記載のとおりである。

本件記録をみるに、抗告人等の氏穴倉は、「アナグラ」と発音するものであるところ、北海道においては、女性の性器を「アナグラ」又は「マタグラ」と別名されているので、抗告人等は自己の氏に対する劣等感をもち、これがため他人に対して自己紹介のため「穴倉」と呼称するのに甚だしく羞恥心と慊悪の念を拘き、長年月間にわたり抗告人等の社会生活上少なからぬ支障を来していたことが認められる。そうとすれば、抗告人等が氏を変更しようとするのは、まことにやむを得ない事由に因るものと云うべきであるから、その変更を求める申立を正当としてこれを許可すべきものである。

よつて、右と異る原審判を取り消すこととし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 乾久治 裁判官 臼居直道 裁判官 安久津武人)

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