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札幌地方裁判所 平成元年(わ)253号 判決 1989年8月22日

本籍

札幌市東区北二六条東二一丁目四番

住居

同所同番一号

会社役員

幅口義明

昭和三年六月二七日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官須田信行出席、弁護人房川樹芳出頭のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年二月及び罰金二〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、札幌市東区中沼町一一三番地に工場を設け、同所において、鋼材の曲加工業を営んでいるものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上金額の一部を除外し、仮名定期預金等として留保する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和五九年分の実際所得金額が三、九六一万八、六七六円であり、これに対する所得税額が一、六九六万六、七〇〇円であるにもかかわらず、昭和六〇年三月一五日、同区北一六条東四丁目一二番地の一一所在の所轄札幌北税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一八七万七、五七〇円であり、これに対する所得税額が八万三、九〇〇円である旨の内容虚偽の所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限である同日を徒過させ、もつて、不正の行為により昭和五九年分の正規の所得税額とその申告所得税額との差額一、六八八万二、八〇〇円を免れた

第二  昭和六〇年分の実際所得金額が六、〇五九万五、五五二円であり、これに対する所得税額が三、〇一二万九、七〇〇円であるにもかかわらず、昭和六一年三月一五日、前記札幌北税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三四〇万二、六四九円であり、これに対する所得税額が三二万一、六〇〇円である旨の内容虚偽の所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限である同日を徒過させ、もつて、不正の行為により昭和六〇年分の正規の所得税額とその申告所得税額との差額二、九八〇万八、一〇〇円を免れた

第三  昭和六一年分の実際所得金額が六、五一八万四、四七一円であり、これに対する所得税額が三、三四七万四、一〇〇円であるにもかかわらず、昭和六二年三月一六日、前記札幌北税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四三三万九、五四七円であり、これに対する所得税額が四六万〇、五〇〇円である旨の内容虚偽の所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限である同日を徒過させ、もつて、不正の行為により昭和六一年分の正規の所得税額とその申告所得税額との差額三、三〇一万三、六〇〇円を免れた

ものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官阿部一芳作成の売上金額調査書、租税公課調査書、荷造運賃調査書、水道光熱費調査書、旅費交通費調査書、通信費調査書、接待交際費調査書、損害保険料調査書、修繕費調査書、消耗品費調査書、福利厚生費調査書、給料賃金調査書、利子割引料調査書、貸倒金調査書、材料費調査書、事務用品費調査書、支払手数料調査書、車両費調査書、新聞図書費調査書、外注費調査書、電力費調査書及び雑費調査書

一  大蔵事務官阿部一芳ほか一名作成の賃借料調査書及びリース料調査書

一  大蔵事務官秋野正樹作成の減価償却費調査書、専従者給与調査書、青色申告控除額調査書、専従者控除額調査書、不動産所得調査書及び利子所得調査書

一  大蔵事務官阿部一芳作成の脱税額計算書

一  検察事務官作成の電話通信書

判示第二の事実について

一  大蔵事務官阿部一芳作成の調査実績報告書

(法令の適用)

一  罰条

いずれも所得税法二三八条一、二項

一  刑の選択

いずれも懲役刑及び罰金刑併科

一  併合罪の処理

刑法四五条前段、懲役刑につき同法四七条本文、一〇条(犯情のもっとも重い判示第三の罪の刑に加重)、同法四八条二項

一  労役場留置

同法一八条

一  刑の執行猶予

刑法二五条一項(懲役刑につき)

一  訴訟費用の負担

刑事訴訟法一八一条一項本文

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 河合健司)

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