大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和56年(オ)432号 判決 1981年11月13日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人和泉久、同秦康雄の上告理由第一点、第二点について

原審が適法に確定した事実関係のもとにおいて、被上告人がした相殺の意思表示が信義則に反するものということはできず、また、右意思表示をするにつき被上告人に過失があつたものということはできないとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

同第三点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

(裁判長裁判官 栗本一夫 裁判官 木下忠良 裁判官 鹽野宜慶 裁判官 宮崎梧一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例