大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和43年(オ)1250号 判決 1969年3月28日

上告人

豊和殖産株式会社

代理人

清水正雄

被上告人

鞍手町農業協同組合

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人清水正雄の上告理由について。

本件石灯籠および取り外しのできる庭石等は本件根抵当権の目的たる宅地の従物であり、本件植木および取り外しの困難な庭石等は右宅地の構成部分であるが、右従物は本件根抵当権設定当時右宅地の常用のためこれに付属せしめられていたものであることは、原判決の適法に認定、判断したところである。そして、本件宅地の根抵当権の効力は、右構成部分に及ぶことはもちろん、右従物にも及び(大判大正八年三月一五日、民録二五輯四七三頁参照)、この場合右根抵当権は本件宅地に対する根抵当権設定登記をもつて、その構成部分たる右物件についてはもちろん、抵当権の効力から除外する等特段の事情のないかぎり、民法三七〇条により従物たる右物件についても対抗力を有するものと解するのが相当である。そうとすれば、被上告人は、根抵当権により、右物件等を独立の動産として抵当権の効力外に逸出するのを防止するため、右物件の譲渡または引渡を妨げる権利を有するから、執行債権者たる上告人に対し、右物件等についての強制執行の排除を求めることができるとした原判決(その引用する第一審判決を含む。)の判断は正当である。原判決には所論の違法はなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(城戸芳彦 色川幸太郎 村上朝一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例