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最高裁判所第二小法廷 昭和40年(オ)1234号 判決 1967年10月06日

上告人

北海道信用保証協会

右代表者理事

水野三郎

被上告人

香山順次

被上告人

杉野幸七

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人代表者水野三郎の上告理由第一点について

原判決(その訂正・引用する第一審判決を含む。以下同じ。)が適法に確定した事実によると、上告人は信用保証協会法にもとづいて設立された法人であるが、松前陶石株式会社(以下松前陶石という。)が株式会社北海道拓殖銀行(以下拓銀という。)から借り受けた本件金銭消費貸借の債務について、被上告人両名ほか二名が連帯保証人となり、松前陶石および被上告人らの委任にもとづいて、上告人は、拓銀に対し前記債務の保証(以下本件保証という。)をし、かつ、その保証債務を履行して、本件求償権を取得したというのである。

右事実によると、上告人は商人の性質を有しないが、本件保証は商人である主債務者松前陶石の委託にもとづくであるから、保証人自身は商人でなくても、その保証委託行為が主債務者の営業のためにするものと推定される結果、保証委託契約の当事者双方に商法の規定が適用されることになる。そして、本件求償権が上告人において前記保証委託契約の履行として、保証人である立場において、主債務者等にかわつて弁済したことによつて発生するものであることおよび商法五二二条の「商行為ニ因リテ生シタル債権」とは迅速結了を尊重する商取引の要請によつて設けられたことを考えれば、商人でない上告人のした弁済行為自体は商行為にあたらないとしても、本件求償権は、結局、商法五二二条のいわゆる商事債権として短期消滅時効の適用を受けるものと解するのが相当であり、これと同一の結論に出た原判決の判断は正当である(大審院判決昭和一二年四月二六日、大審院判決全集四輯三八九頁参照。)

原判決には。所論のような違法はなく、所論は採用しがたい。

同第二、三点について。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の専権に属する証拠の取捨・選択、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)

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