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最高裁判所第二小法廷 昭和31年(オ)144号 判決 1959年2月13日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告理由第一点について。

売買契約締結の代理権を授与せられた者は、特段の事情がない限り、相手方から旧民法八八七条に基く当該売買契約取消の意思表示を受け得る権限をも有するものと解するのが相当である。原判決は、西野賛三につき、右の趣意のもとに売買契約取消の意思表示をも受け得る代理権限があるものとしたものと解し得るから、同人に対してなされた取消の意思表示の効力を認めた原判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。

同第二点について。

原判示抵当権設定についての親族会の同意が本件売買に対する同意としての効力を有し得ないとする原判決の判断は正当である。所論は独自の見解であつて採用できない。

同第三点について。

所論は原審が適法になした証拠判断、事実認定を非難するに帰するもので理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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