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最高裁判所第二小法廷 昭和24年(れ)2119号 判決 1951年3月16日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人今西貞夫上告趣意第一点について。

原判決の被告人等に対して適用した昭和二二年四月勅令第一三三号に依る改正前の物価統制令において不当高価販売罪に対する刑(同令第三六条、第一一条第二項)は公定価格超過販売罪に対する刑(同令第三三条、第三条)より軽いのであるから、本件被告人等の所為を同令第三条違反に問擬することはこれを不当高価販売として処罰するのに比しその刑が重くなる結果に陥るのである。従って、この点に関する論旨は被告人等にとり不利益な主張に帰することとなるから上告理由として採用し得ない。

又、旧物価統制令第一一条第二項にいわゆる不当に高価な額であるか否かは、所論のように取引当時事実上世間一般に行われているいわゆる闇価格を標準として決すべきものではなく、その場合には同種又は類似の物資に対する法令告示等による統制価格を標準として決すべきものであることは当裁判所の判例とするところである(昭和二四年(れ)第三〇六〇号同二五年三月三〇日第一小法廷判決参照)。従って、原判決が判示小売業者に対する統制類を基準として本件取引を以て不当高価による取引であると判断したことは正当であってこの点に関する論旨は理由がない。

同第二点について。

所論前段については、原判決に所論の如き法令の適用を誤った違法があるにしても、運賃は取引総額に比して極めて軽微なものと言い得るからこれが加算を遺脱したからといって判決には影響がなく又所論後段については、原判決は所論法令にいわゆる「契約し」たことを具体的に判示したものであることはその挙示の証拠により明白であるから所論のような違法はなく、論旨はいずれも理由がない。

仍って刑訴施行法 第二条旧刑訴第四四六条に従い、主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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