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最高裁判所第三小法廷 昭和43年(オ)446号 判決 1968年10月08日

上告人

石橋ユキ

代理人

熊谷正治

被上告人

佐藤ミサオ

代理人

島田敬

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人熊谷正治の上告理由第一点について。

所論の点に関する原判決の事実の認定は、その挙示する証拠に照らして是認することができる。原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立ち、適法になされた原審の証拠の取捨判断、事実認定、それに基づく正当な判断を非難するに帰し、採ることができない。

同第二点乃至第四点について。

予告登記の存することの一事からこれに後行して係争不動産につき物権の得喪変更に関する法律行為をなした第三者が当該登記原因の瑕疵につぎ悪意と推定されるべき筋合はない旨の原判決の判断は正当である。

原判決が被上告人の善意について何ら判示していないことは原判決から明らかであるから、右判示がなされているものとする論旨は、前提を欠き理由がない。しかも、訴外佐々木与四吉が本件抵当権設定契約を締結するにあたり、本件仮装売買について善意であつた旨の原判決の事実の認定は、その挙示する証拠に照らして是認できるし、本件土地についての上告人主張の本件共有者らと伊藤要次郎との間の仮装売買の無効をもつて抵当権者である佐々木与四吉に対抗することはできず、従つて同人の抵当権実行の申立により本件土地を競落した被上告人の所有権取得は有効である旨の原判決の判断は、その挙示する事実関係から正当として支持することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、原判決を正解せず、独自の見解に立つて、適法になされた原審の事実認定を非難するに帰し、採ることができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(田中二郎 下村三郎 松本正雄 飯村義美)

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