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最高裁判所第三小法廷 昭和43年(あ)932号 決定 1968年9月17日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人の上告趣意は、事実誤認の主張であり、弁護人児玉義史の上告趣意第一点は、単なる法令違反、同第二点は、事実誤認、同第三点は、量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(第一審判決の認定事実によれば、被害者の受けた傷害は、姦淫の手段である暴行によつて生じたものと認められるから、被告人の所為が刑法一八一条の強姦致傷罪に該当するとした第一審判決を是認した原判決は、もとより正当である。大審院明治四四年(れ)第一二三三号同年六月二九日判決、刑録一七輯一三三〇頁、同院大正四年(れ)第一七八八号同年九月一一日判決、刑録二一輯一二九二頁参照)。その他、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。(飯村義美 田中二郎 下村三郎 松本正雄)

<参考 第一審判決認定事実の要旨>

被告人は、某日、甲女を強姦する目的で同女方居宅に侵入し、同女に対し、背後から首をしめつけ、手拳で顔面を殴打し、引きずり、背部に噛みつき、押し倒して馬乗りとなり、「抵抗するなら殺すぞ。」と言い、さらに両大腿部に噛みつくなどの暴行、脅迫を加えて反抗を抑圧したうえ、同女を姦淫し、その際、同女に、全治まで約二六日間を要する鼻骨骨折、鼻鞍部挫傷、頸椎捻挫、背部・両大腿部咬傷等の傷害を負わせたものである。

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