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最高裁判所第三小法廷 昭和39年(オ)1245号 判決 1965年6月08日

上告人

田中八重子

代理人

山本敏雄

宮井康雄

小泉要三

赤松進

被上告人

服部次彦

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山本敏雄の上告理由第一点について。

所論の指摘する被控訴代理人提出の昭和三九年六月九日附、同日の原審口頭弁論期日において陳述された準備書面には「控訴人田中八重子被控訴人服部次彦。右当事者間の昭和三五年(ネ)第一四一一号家屋明渡等請求控訴事件につき、被控訴代理人は答弁の趣旨中左の如く趣旨の拡張を求める。答弁の趣旨。原判決中被控訴人敗訴の部分(即ち本件家屋の一階の部分)、の明渡を求める。」と記載してある。原審裁判所昭和三五年(ネ)第一四一一号事件は、奈良地方裁判所昭和三二年(ワ)第一六四号事件判決に対し被告田中八重子の控訴申立にかかる事件であること記録上明らかであるから、前記の記載によつても附帯控訴の対象である第一審裁判所の判決を知ることができる。また、右記載により、第一審判決の原告敗訴部分中、本件家屋の二階の明渡を求める原告の請求を棄却した部分を取消し、右請求を認容する判決を求める旨の附帯控訴の趣旨も表現されているものというべきであるから、これを適法な附帯控訴として被控訴人より前記の趣旨の附帯控訴がなされたものとした原審の判断に所論の違法がなく、右書面の表題として「準備書面」と記載されていても、それは右判断の妨げとなるものではない。

論旨は採用できない。

同第二点について。<以下省略>

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(石坂修一 五鬼上堅磐 横田正俊 柏原語六 田中二郎)

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