大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和37年(オ)112号 判決 1962年8月28日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人寺井俊正の上告理由について。

競落許可決定確定後であつても、競売手続の完了(競落代金の支払)前に債務が消滅すれば、競売手続に於て債務者が異議抗告等の不服手段に訴えたかどうかに関係なく、競落人は代金支払により所有権を取得しえないと解するのが相当である(昭和三年六月二八日大審院判決、集七巻五三三頁参照)。所論は、これと異なる見解に立つて原判決の違法を主張するに過ぎないから、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己 裁判官 石坂修一 裁判官 五鬼上堅磐 裁判官 横田正俊)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例