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最高裁判所第三小法廷 昭和26年(れ)2426号 判決 1952年5月13日

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人姜希守本人の上告趣意及び被告人六名の弁護人森長英三郎同福田力之助の上告趣意は後記のとおりである。

被告人姜の上告趣意について。

所論は、原判決の事実の誤認又は採証の不当を主張するのであって、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人の上告趣意第一点について。

所論は、原判決が、被告人等の所属する朝鮮人連盟を、暴力行為等処罰に関する法律第一条の団体であると解釈したのは、同連盟が日本憲法前文に掲げる趣旨と一致する目的をもって成立し行動している事実を無視したものであって、憲法前文及び九八条一項に違反するというのであるが、帰するところ、独自の見解に立って、原判決の事実認定ないし法律の解釈を非難するのであって、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。そして暴力行為等処罰に関する法律第一条の解釈としても、団体成立の目的又は行動の動機の如何によって同条の適用が制限されるものではないと解するを相当とするからこの点においても論旨はとることを得ない。

同第二点について。

所論は、本件行為は、土浦警察署の賛同の下に同署への協力の形で行われた同警察の治安対策の一部であるという見解の下に、原判決の法令適用に誤りがあることを主張するのであって、適法な上告理由にあたらない。

同第三点について。

所論は、本件の起訴が憲法一一条に違反するというのであるが、結局起訴の時期を非難するに過ぎないのであって、これを憲法違反に結ぶことは全くあたらない。

その他記録によって所論を検討しても、刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よって刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条により全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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