最高裁判所第三小法廷 昭和25年(れ)85号 判決 1950年5月30日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人大月和雄の上告趣意について。
しかし暴力行為等処罰に関する法律第一条第一項の刑は、原判決が適用した刑法第二二二条の刑よりその法定刑が重く定められているから、被告人の所爲は後者に該当せずして前者に該当するものであるとする所論は、被告人のために不利益な変更を求める主張であり、従って適法な上告理由とすることのできないものである。
よって旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。
以上は裁判官全員一致の意見によるものである。
(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)