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最高裁判所第三小法廷 昭和24年(れ)2241号 判決 1950年1月10日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人古賀元吉の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

しかし被告人は、昭和二三年八月六日神戸地方裁判所において昭和二二年政令第一六五号違反罪で、懲役四月但し二年間執行猶予と罰金五千円に処せられ、本件の犯行当時は右執行猶予中であったことは判決自体により明らかであるから、原審において被告人に対し執行猶予を宣告しなかったことは当然である。論旨は刑の執行猶予中の被告人は、刑法第二五条第一号同第二号に当らない者ではないから、原審において被告人を執行猶予にしなかったことは同条の解釈を誤ったものであると主張するが、独自の見解にすぎない、そして刑の執行猶予中の被告人は同条の各号に当らない者であるし、執行猶予にしないことを非難することは、結局量刑不当の主張に帰するから、上告適法の理由とならない。

よって旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

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