大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和44年(オ)727号 判決 1970年2月26日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由第一点ないし第三点について。

民法一六二条にいう公然の占有とは、占有の存在を知るにつき利害関係を有する者に対して、占有者が占有の事実をことさら隠蔽しないことをいうものと解すべきところ、訴外Dが国から本件土地の売渡を受けた昭和二二年一〇月二日頃以降一〇年間、同人、ついで被上告人Bにおいて、本件土地を所有の意思をもつて公然に占有を継続した旨の原審の認定判断は、挙示の証拠関係に照らして、正当として首肯することができ、その認定判断の過程になんら所論の違法は認められない(論旨の指摘する登記簿上の操作のための書類の作製が、前記Dにおいてその占有を秘匿するためにした行為と認められないことも、原判決の認定判示するところであつて、この点に関しても、理由不備等の違法はない。)。それゆえ、論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田誠)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例