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最高裁判所第一小法廷 昭和44年(オ)364号 判決 1970年2月26日

上告人

岡勝政勝

外一名

代理人

原田永信

被上告人

岸本富美代

代理人

豊川忠進

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人原田永信の上告理由一および三について。

宅地建物取引業法一七条一項、二項は、宅地建物取引の仲介報酬契約のうち告示所定の額を超える部分の実体的効力を否定し、右契約の実体上の効力を所定最高額の範囲に制限し、これによつて一般大衆を保護する趣旨をも含んでいると解すべきであるから、同条項は強行法規で、所定最高額を超える契約部分は無効であると解するのが相当である。そして、売買の依頼をした売主が違約金を取得して売買が完結に至らないで終つた場合に、売主から媒介を依頼された宅地建物取引業者が報酬金を取得できる場合の報酬金額についても、宅地建物取引業法一七条一項、二項、昭和四〇年四月一日建設省告示第一、一七四号の適用があると解すべきである。これと同旨の原審の判断は相当であり、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用できない。

同二について。

本件は、本件土地の売主である第一審原告らが売買媒介報酬金を取得できるか、取得できるとすればその額は幾らと解すべきかが争われた事案であり、右売買の買主からの第一審原告らの報酬請求権の存否等については問題とされていない事案である。それ故、原判決が、この点については判断を示していないからといつて原判決には所論の違法はない。論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田誠 大隅健一郎)

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