大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和44年(あ)746号 決定 1969年12月04日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人冨田博の上告趣意中憲法三八条一項二項違反をいう点は、記録を調べても所論の供述調書に任意性を疑うべき点は認められないから、所論は前提を欠き、憲法三七条二項違反をいう点は、実質は、単なる法令違反の主張であり(証人が公判期日に証言を拒んだときは、刑訴法三二一条一項一号前段にいう公判期日において供述することができないときにあたるものと解すべきである〔昭和二七年四月九日大法廷判決・刑集六巻四号五八四頁参照〕。)、その余の論旨は、事実誤認、単なる法令違反の主張であって、いずれも適法な上告理由にあたらない。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩田 誠 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例