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最高裁判所第一小法廷 昭和33年(あ)1330号 判決 1959年4月23日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人我妻菊次の上告趣意第一点は違憲をいうが、所論の横須賀市風紀取締条例が、憲法三一条、地方自治法一四条に違反するものでないことは、当裁判所大法廷の判例の趣旨とするところである(昭和二九年(あ)二六七号、同三三年一〇月一五日大法廷判決、刑集一二巻一四号三三〇五頁)。それ故所論は採るを得ない。

同第二点は違憲をいうが、右条例二条によれば、売春の主体については必ずしも女性のみに限定していないことは、条文の規定の上で明らかで何ら性別によって差別したものではなく、また報酬を受け又は受ける約束で不特定の相手方と性交する(売春する)者と、その相手方となる者とは、行為の態様を異にしているのであるから右条例で前者が処罰され、後者が処罰されないからといって、所論のような差別をしたことにはならない。それ故、所論違憲の主張はその前提を欠くものであって採るを得ない。

同第三点、第四点は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 高木常七)

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