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最高裁判所第一小法廷 昭和32年(オ)1183号 判決 1958年6月19日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士菅野虎雄の上告理由について。

原判決が、所論摘録のとおり説示を附加し、また、原判決の引用した第一審判決が、所論摘録のとおり認定したことは、所論のとおりである。そして、右認定によれば、第一審被告小林は、上告人等組合のために被上告人に対し判示共同事業を説明して判示契約を申込み、被上告人もまた該共同事業を発展せしめうる助けになるならばと好意的に上告人等の本件申込を承諾したというのである。従つて、かかる事実関係の下において、原判決が本件担保利用契約を控訴人等(上告人等)の営業の準備行為と認め且つ特定の営業を開始する目的で、その準備行為をなした者は、その行為により営業を開始する意思を実現したものでこれにより商人たる資格を取得すベく、その準備行為もまた商人がその営業のためにする行為として商行為となるものとした判断は、正当であつて、論旨はすべて採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫)

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