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徳島地方裁判所 平成元年(わ)370号 判決 1990年4月17日

本店の所在地

徳島県美馬郡木屋平村字川井一二四番地一

木屋平土建株式会社

右代表者代表取締役 藤田和彦

本籍

徳島県美馬郡木屋平村字川井一二四番地の一

住居

右同

会社役員

藤田和彦

昭和五年二月四日生

右の者らに対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官竹内司出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人木屋平土建株式会社を罰金一二〇〇万円に、被告人藤田和彦を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人藤田和彦に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社木屋平土建株式会社は、徳島県美馬郡木屋平村字川井一二四番地一に本店を置き、土木建築請負及び砂利採取等の土建業を営むもの、被告人藤田和彦は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人藤田は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどして得た資金を簿外預金に蓄積するなどの方法で所得を秘匿した上、

第一  昭和六〇年四月一日から同六一年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、一九四五万七六〇一円であり、これに対する法人税額が七〇七万五七〇〇円であるにもかかわらず、昭和六一年五月三〇日、徳島県美馬郡脇町猪尻西の久保三六番地所在の所轄脇町税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二七一万二〇三円であり、これに対する法人税額が四七万四九〇〇円である旨の虚偽の法人確定申告書を提出し、もつて、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額六六〇万八〇〇円を免れ

第二  昭和六一年四月一日から同六二年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、三四三八万八九一五円であり、これに対する法人税額が一三五六万七八〇〇円であるにもかかわらず、昭和六二年六月一日、前記脇町税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四五三万六七二六円であり、これに対する法人税額が一〇六万七九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額一二四九万九九〇〇円を免れ

第三  昭和六二年四月一日から同六三年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、六二六〇万八二八七円であり、これに対する法人税額が二五〇六万五五〇〇円であるにもかかわらず、昭和六三年五月三一日、前記脇町税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九三〇万七〇八三円であり、これに対する法人

税額が二六七万九一〇〇円である旨の虚偽の法人確定申告書を提出し、もつて、右不正行為により、正規の法人税額と右申告税額との差額二二三八万六四〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人藤田和彦の当公判廷における供述

一  被告人藤田和彦の検察官に対する供述調書三通

一  被告人藤田和彦の大蔵事務官に対する質問てん末書一二通

一  被告人藤田和彦作成の申述書三通

一  大蔵事務官作成の簿外利益調査書、完成工事高調査書、生コン売上高調査書、材料仕入高調査書、賃金調査書、修繕費調査書、雑費(工事原価)調査書、外注費調査書、公租公課調査書、雑費調査書、受取利息調査書、特別償却費調査書、その他所得より調査書二通、普通預金調査書、通知預金調査書、定期預金調査書、未成工事未収金調査書、未成工事支出金調査書、未収入金調査書、取立口座未収金調査書、仮払金調査書、貸付金調査書、建物付属設備調査書、建設仮勘定調査書、機械装置調査書、車輌運搬具調査書、有価証券調査書、支払手形調査書、借入金調査書、未払金調査書、未成工事受入金調査書、支払金調査書、未払租税公課調査書、告発書および領置てん末書

一  藤本善子の検察官に対する供述調書六通

一  藤本善子の大蔵事務官に対する質問てん末書四通

一  藤岡咲子(三通)、折口時子(二通)、西岡秀男、川原正一、坂口正道、白井通夫(二通)、萩原一徳、杉浦徹、高田博(二通)、三島勝美、北村直紀および内田利昭の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  藤本茂代、藤村ゆかりおよび野々瀬正文作成の各申述書

判示第一事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検2)

一  押収してある木屋平土建株式会社確定申告書一綴(平成二年押第一一号の一)

判示第二事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検3)

一  押収してある木屋平土建株式会社確定申告書一綴(平成二年押第一一号の二)

判示第三事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検4)

一  押収してある木屋平土建株式会社確定申告書一綴(平成二年押第一一号の三)

(法令の適用)

一  罰条 判示各所為 被告人木屋平土建株式会社法人税法一六四条一項、一五九条一項、被告人藤田和彦 法人税法一五九条一項(懲役刑を選択)

一  併合罪の処理 被告人木屋平土建株式会社 刑法四五条前段、四八条二項、被告人藤田和彦 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条

一  執行猶予 被告人藤田和彦 刑法二五条一項

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 山本愼太郎)

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