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広島高等裁判所 昭和24年(う)501号 判決 1950年2月06日

被告人

平谷義光

主文

本件控訴を棄却する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

弁護人堀口行松の控訴趣意について。

苟も他人を畏怖させる意思を以てその人をして畏怖心を生ぜしむべき害惡を通告した以上は刑法第二百二十二條所定の脅迫罪が成立し、たとえ被通告者において現実に畏怖の念を生じなかつたとするも同罪の成立を妨げるものではない。これを本件につき審査するに原判決の判示した事実は被告人は昭和二十四年八月十九日午前八時半頃廣島縣安藝郡音戸町字北隱渡若宮呉服店前道路上で音戸町警察署巡査大前行雄から携行の荷物のことについて質問され取調を受けた際右巡査の態度に憤慨し同巡査に対して威勢を示しなから「お前らは良いことをしているだらうがばらしてやるぞ」又「どてつ腹に風穴をあけてやる命はないぞ」等怒号し同巡査の身体名誉等に害を加うべきことを以て脅迫したものであると謂うのであつて、右認定事実は原判決挙示の証拠に依り優にこれを証明することができ記録に徴するも原判決の右認定に誤認があると認むべき事実はない。それゆえ、被告人の右判示所爲は叙上の理由に因り脅迫罪を構成すること勿論であつて原判決には所論のような違法はない。論旨は理由がない。

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