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広島地方裁判所 昭和54年(わ)22号 判決 1979年7月17日

本店の所在地

広島県庄原市本町一、五三八番地の一四

法人の名称

有限会社 林商会

代表者の氏名

代表取締役 林賢

本籍

広島県三次市三次町一、七〇八番地

住居

広島県庄原市本町一、五三八番地の一四

会社役員

林賢

昭和一二年一〇月八日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官重富保男出席のうえ審理をして、次のとおり判決する。

主文

被告会社有限会社林商会を罰金一〇〇〇万円に、被告人林賢を懲役一〇月に各処する。

被告人林賢に対しこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社有限会社林商会は、広島県庄原市本町一、五三八番地の一四に本籍を置き、建設機械、農林用機械、工具等の卸小売業を営むもの、被告人林賢は、同会社の代表取締役として業務全般統括しているものであるが、被告人林賢は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上し、かつ、たな卸及び売上を一部除外して簿外で仮名預金を設定するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和五〇年三月一日から同五一年二月二九日までの事業年度における同会社の所得金額は、五三、九四七、一七八円、これに対する法人税額は、一九、五二一、六〇〇円であるにもかかわらず、同五一年四月二一日庄原市本町一、〇七〇番地所在の所轄庄原税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三〇、四〇四、七四四円、これに対する法人税額一〇、一三二、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、同会社の右事業年度の実際の法人税額を右申告額との差額九、三八九、一〇〇円の法人税を免れ

第二  昭和五一年三月一日から同五二年二月二八日までの事業年度における同会社の所得金額は、一一九、〇七五、三四一円、これに対する法人税額は四三、五九五、九〇〇円であるにもかかわらず、同五二年四月二三日、前記庄原税務署において同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が五〇、七六〇、九二八円、これに対する法人税額が一六、三五八、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって、同会社の右事業年度の実際の法人税額と右申告税額との差額二七、二三七、四〇〇円の法人税を免れ

たものである。

(右各事業年度の所得及び税額の計算は、別紙各事業年度における修正損益計算書及び脱税計算書のとおりである。)

(証拠の標目)

判示全事実

一  被告人林賢の当公判延における供述

一  被告人林賢の検察官に対する供述調書

一  被告人林賢の大蔵事務官に対する質問てん末書一一通

一  被告人林賢作成の上申書五通

一  林宏子の検察官に対する供述調書

一  林宏子の大蔵事務官に対する質問てん末書四通

一  松森昭夫の検察官に対する供述調書

一  松森昭夫の大蔵事務官に対する質問てん末書三通

一  生田瀬一の検察官に対する供述調書

一  生田瀬一の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  奥田睦登の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  田部百之介、金沢一夫作成の各証明書

一  大蔵事務官臺信忠作成の昭和五三年三月八日付、同年五月一一日付調査事績報告書

一  大蔵事務官亀井明作成の調査事績報告書

一  大蔵事務官斎藤和海作成の調査事績報告書三通

一  登記簿謄本

一  昭和四八年ないし五二年度棚卸表五綴(昭和五四年押第四三号の1ないし5)

一  請求、領収書綴(井上製作所昭和五〇年)一綴(前同号の26)

一  法人税決議書一綴(前同号の35)

判示第一の事実

一  昭和五〇年買掛金元帳(市外)一綴(前同号の29)

一  大蔵事務官臺信忠作成同年六月一三日付脱税額計算書(昭和五〇年度分)

判示第二の事実

一  藤原宏通、小林正敏、山口義隆、山地義人、河村三郎の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  山口義隆、吉村悟作成の各上申書

一  大蔵事務官臺信忠作成の同年四月二五日付調査事績報告書

一  大蔵事務官山本通泰作成の調査事線報告書

一  大蔵事務官臺信忠作成の同年六月一三日付脱税額計算書(昭和五一年度分)

一  昭和五二年請求書、領収書綴(和光貿易(株))(前同号の6)

一  預り品メモ((有)林商会あて)一枚(前同号の7)

一  ノート(チエンソー出庫)一冊(前同号の8)

一  商品物品出入簿一一綴(前同号の9ないし19)

一  昭和五一年度買掛帳(市外ア~ト)一綴(前同号の20)

一  右同(市外ナ~ワ)一綴(前同号の21)

一  価格表 一綴(前同号の22)

一  昭和五二年度納品書綴(誠和産業(株))一綴(前同号の23)

一  昭和五一年度請求、領収書綴 一綴(前同号の24)

一  昭和五一年得意先元帳 一綴(前同号の25)

一  昭和五一年納品書綴(井上製作所)一綴(前同号の27)

一  昭和五二年請求、領収書綴(井上製作所)一綴(前同号の28)

一  昭和五一年補助元帳 一綴(前同号の30)

一  手形受払帳 一冊(前同号の31)

一  昭和五二年日計簿(山地商会)一冊(前同号の32)

一  昭和五一年度補助簿(山地商会)一冊(前同号の33)

一  昭和五〇~五一年日計簿(金銭出納帳)(山地商会)一冊(前同号の34)

(法令の適用)

被告人の判示各所為はいずれも法人税法一五九条一項(七四条一項)に該当するので、所定刑中いずれも懲役刑のみを選択し、右は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役一〇月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予し、被告会社については、その代表者である被告人が被告会社の業務に関し判示各行為をしたので、法人税法一六四条一項に従い同法一五九条一項所定の罰金刑をそれぞれ科し、右は刑法四五条前段の併合罪であるから同法四八条二項により各罪につき定めた罰金額を合算し、その金額の範囲内で被告会社を罰金一〇〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 野曽原秀尚)

修正損益計算書

自 昭和50年3月1日

至 昭和51年2月29日

<省略>

修正損益計算書

自 昭和51年3月1日

至 昭和52年2月28日

<省略>

脱税額計算書

自 昭和51年3月1日

至 昭和52年2月28日

<省略>

脱税額計算書

自 昭和50年3月1日

至 昭和51年2月29日

<省略>

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