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広島地方裁判所 昭和38年(わ)615号 判決 1964年2月27日

被告人 安山こと李相赫

昭八・一・二〇生 土工

主文

被告人を懲役二年に処する。

未決勾留日数中一二〇日を算入する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、昭和三八年九月三日午後三時頃当時の止宿先であつた広島県○○郡○○○町大字○○、○○方付近で幼児と遊んでいた精神薄弱者(痴愚級・精神年令五~七歳位)のA子(昭和一九年一二月八日生)を認め、同女と散歩したうえ首尾よく誘惑できたら姦淫しようと企て、同女を連れて同町所在の○○寺から××寺へと散歩しているうち同女が右のように知能程度が極めて低く性的にも無知で姦淫されてもほとんど何のことかわからない状態にあることを認識するや、これを奇貨として同女を姦淫しようと決意し、同女を同町火葬場付近の墓所に連れ込みその付近の地面に仰向けに寝かせたうえ同女を姦淫し、もつて人の抗拒不能に乗じて姦淫したものである。

(証拠の標目)(略)

(法令の適用)

被告人の判示所為は刑法第一七八条後段、第一七七条前段に該当するので所定刑期の範囲内で被告人を懲役二年に処し同法第二一条により未決勾留日数中一二〇日を右本刑に算入し、訴訟費用は刑事訴訟法第一八一条第一項但書を適用して被告人には負担させないこととする。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 渡辺雄 武波保男 池田久次)

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