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宇都宮家庭裁判所栃木支部 昭和33年(家)1487号 審判 1958年8月21日

(婚姻前の本籍 茨城県 住所 茨城県)

金春枝こと 申立人 田沢春枝(仮名)

主文

婚姻前の本籍、茨城県○○市大字○○一、四四六番地(筆頭者田沢謙二)申立人金春枝こと田沢春枝と、本籍大韓民国全羅北道○○郡○○面○○里四八四番地金永律との間の昭和二十四年九月○日付栃木県○○市長宛になした夫の氏を称する旨の婚姻の届出は無効であるから、

一、本籍、茨城県○○市大字○○一、四四六番地(筆頭者田沢謙二)の戸籍中三女春枝の戸籍を回復し、その回復した戸籍中金永律との婚姻事項を消除すること。

二、昭和二十四年十月○○日付栃木県○○市長宛になした春枝の子、女美子の出生届出によつて、春枝および美子につき、本籍茨城県○○市大字○○一、四四六番地(筆頭者田沢春枝)と定め新戸籍を編成すること。

右各訂正することを許可する。

理由

本件申立の要旨は、申立人は昭和二十三年○月頃、申立外本籍大韓民国全羅北道○○郡○○面○○里四八四番地金永律方の店手伝をして働いていたが、同年○月頃から申立人は、金永律と同棲するようになりその後昭和二十四年九月○日同人との婚姻届を栃木県○○市役所に提出した。

その後間もなく同年九月○○日その子美子の出生をみたので同年同月○○日出生届を同市役所に提出した。

しかるに申立人は婚姻後一年を経過した頃始めて金永律に正式な妻子のあることを知つたので、申立人と金永律との婚姻は重婚であり無効であるから所要の戸籍訂正の許可の審判を求めるというにある。

よつて本件記録中の申立書、戸籍謄本ならびに申立人の審問調書をみれば、申立人および申立外金永律との婚姻が無効であることは、明らかであるので戸籍法第一一三条、同第一一四条ならびに同第一七条により主文のとおり審判をする。

(家事審判官 伊藤泰蔵)

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