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奈良地方裁判所 昭和43年(ワ)66号 判決 1970年2月02日

原告

羽川千代子

被告

村上弘行

ほか二名

主文

一、被告村上弘之、同石田亀一、同石田清六は原告に対し、各自金一一一万二六〇〇円及びこれに対する昭和四三年四月一六日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二、原告の被告卞武雄に対する請求及び被告村上弘之、同石田亀一、同石田清六に対するその余の請求を棄却する。

三、訴訟費用中、原告と被告村上弘之、同石田亀一、同石田清六との間に生じたものはこれを三分し、その二を原告の負担、その余を同被告らの負担とし、原告と被告卞との間に生じたものは原告の負担とする。

四、この判決第一項は仮りに執行することができる。

事実

第一、当事者の申立

一、原告

「(1)被告らは原告に対し、各自金六二四万一三一〇円およびこれに対する昭和四三年四月一六日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。(2)訴訟費用は被告らの負担とする。」との判決ならびに右(1)の金員の支払につき仮執行の宣言を求める。

二、1 被告村上、同石田亀一、同石田清六

「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決および右被告ら敗訴の場合は仮執行免脱の宣言を求める。

2 被告卞

「原告の請求を棄却する。」との判決を求める。

第二、当事者の主張

一、原告の請求原因

(一)  事故の発生

被告村上は、昭和四二年三月一九日午前七時二〇分頃普通四輪貨物自動車(奈一そ四〇三一号、以下被告車という。)を運転して、奈良県吉野郡大淀町大字芦原一二番地先の国道一六九号線を橿原方面より下市方面へ向つて南進中、その前方を同方向に向つて進行していた被告卞運転にかかる大型貨物自動車がスリツプして同国道左側の石垣に衝突したため、これに追突しそうになり、とつさに急制動しつつハンドルを右へ切つたところ、被告車はスリツプして右へ急旋回し、折柄同国道の右側を南に向つて通行中の原告に衝突してはねとばし、よつて原告に対し入院加療約五か月を要する頭部外傷Ⅱ型、顔面挫創、左視束骨々折、左視神経障害、腹部打撲症、腸管破裂、大腸間膜損傷、骨盤骨折、歯牙損傷の傷害を与えた。

右傷害の結果原告は遂に左眼を失明し右眼も〇・〇二に視力が減退したほか右骨盤骨折による両下肢機能障害(跛行)は後遺症として残り今もなお歩行に困難を来している。(以下この事故を本件事故という。)

(二)  被告らの責任

(1) 被告石田亀一、同石田清六の責任(自賠法三条)

被告石田清六(以下単に清六という)は被告車の所有者であり、又被告石田亀一(以下単に亀一という)は被告車を被告清六より借り受けて被告村上をその運転手として雇いこれを自己の砂利採取業のために使用していたもので、いずれも被告車を自己のために運行の用に供するものであるところ、その運行によつて本件事故が発生し、原告に前記傷害を与えたものであるから、いずれも自賠法三条により原告の後記損害を賠償する責任がある。

(2) 被告村上、同卞の責任(民法七〇九条)

本件事故は被告村上、同卞両名の過失により発生したものである。即ち、被告村上は、被告車を運転して前記のとおり被告卞運転の大型貨物自動車に後続し前記国道を進行していたが、同所は下り坂である上に当時道路脇の山腹から流れ出た水や路上の溜り水が処々で凍結しスリツプしやすい路面状態にあつたのであるから、被告村上としては先行車の動静を注視し、同車がいつ急停車や方向転換をしても直ちにこれに応じた措置をとれるだけの安全な車間距離と速度を保つて進行すべき業務上の注意義務があるのにかかわらずこれを怠り、漫然一五ないし二〇メートル位の短い車間距離を置き時速約四〇キロ位で進行し、更にまた自車の右側前方を通行中の歩行者がある場合にはハンドル操作をとくに慎重にすべき注意義務があるのにこれを怠り、その結果本件事故を生ぜしめたものである。

被告卞は、被告車が自車に後続し、道路右側には原告らが歩行中で、且つ道路はスリツプしやすい状態にあつたのであるから、自車の速度を減速して慎重に運転すべき注意義務があるのにこれを怠り、漫然進行した過失により前記のとおり自車を道路左側の石垣に衝突させ、その結果本件事故を生ぜしめたものである。

したがつて、右被告両名は、本件事故に基づく原告の後記損害を賠償する責任がある。

(三)  損害

(1) 治療費 六三万五三一〇円

内訳(イ) 入院治療費 四六万五七六〇円

(ロ) 付添費 一〇万円

(ハ) 入院雑費 五万二七九〇円

(ニ) 通院交通費 三七六〇円

(ホ) 電話代 一〇〇〇円

(ヘ) 医師等に対する謝礼 一万二〇〇〇円

(2) 得べかりし利益 四六〇万六〇〇〇円

内訳

(イ) 無収入期間における損害 四九万円

原告は、年間収入として、農業による収入三五万円、材木市場で雑用をして得る収入一万七五〇〇円合計三六万七五〇〇円を得ていたところ、前記傷害のため昭和四二年三月一九日より昭和四三年七月一九日までの一年四か月間稼働することが出来ずその間収入も全く得られなかつたので、前記年間収入に右休業期間を乗じた金額を、同期間中の得べかりし利益として請求する。

(ロ) 収入期間における損害 四一一万六〇〇〇円

前記後遺症のため、昭和四三年七月二〇日以後における原告の所得は本件事故前の二〇%に減少するものと考えられるところ、以後の原告の就労可能年数を一四年間(本件事故当時の原告の年令は四九才)として、原告の前記年間収入に右一四年間を乗じた金額を右期間の得べかりし利益として請求する。

(3) 慰藉料 三〇〇万円

本件事故により原告は約五か月間入院加療し、退院後も現在に至るまで週一、二回の通院加療を受けており、その間の精神的苦痛は大なるものがある上に、前記後遺症のため通常の社会生活も不可能となりその苦痛は耐えがたいものがある。それにもかかわらず、被告は損害の賠償について何ら誠意を示さず原告の長男が再三にわたり被告らに交渉に行つたが全く話合に応じない。以上を総合すれば本件事故により原告がこうむつた精神的苦痛に対する慰藉料は金三〇〇万円が相当である。

(四)  原告は自動車損害賠償責任保険金二〇〇万円の支払を受けている。

(五)  よつて、原告は被告らに対し、各自前記損害金の合計額八二四万一三一〇円より右保険金受領額二〇〇万円を差引いた残額六二四万一三一〇円及びこれに対する本件事故の後である昭和四三年四月一六日より完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二、被告村上、同亀一、同清六の答弁および主張

(一)  原告の請求原因(一)の事実のうち、原告主張の衝突事故が発生したことは認めるが、負傷の部位、程度については不知。

(二)  同(二)の(1)(2)の事実はいずれも否認する。

(三)  本件事故は、不可抗力によつて生じたものであり、被告村上には何ら過失はない。すなわち、原告主張のように、当時事故現場は路面が凍結し、運転困難な状態にあつたので、被告村上は細心の注意をもつて被告車を運転し、車間距離も十分にとつて進行していたところ、被告卞運転の先行車が急に後退して石垣に衝突したため、被告車に衝突の危険が生じ、被告村上はとつさにこれを避けようとして右へハンドルを切つたところたまたま道路の右側を通行中の原告と接触するのやむなきに至つたものである。したがって、被告村上には過失がなく、仮りに被告村上が無過失ではないとしても、刑法三七条あるいは民法七二〇条の緊急避難に該当するものであり、いずれにしても被告村上には責任がない。

三、被告卞の答弁

原告の請求原因事実をすべて争う。

第三、証拠〔略〕

理由

一、被告卞は請求原因(一)記載の本件衝突事故が発生した事実をも争うが(被告村上、同亀一、同清六はいずれもこれを争わない)、〔証拠略〕によれば右事実を認めることができる。そして、〔証拠略〕によれば、右衝突事故により原告が請求原因(一)記載の各傷害を受け、その後治療につとめたが遂に左眼を失明したほか右眼の視力も相当減退し、また骨盤骨折による両下肢機能障害(跛行)は後遺症として残り坂道の歩行や長途の歩行が困難となり将来も現在以上に治癒する見込がないことがそれぞれ認められ、右認定に反する証拠はない。

二、被告らの責任

(一)  被告亀一、同清六の責任について

〔証拠略〕によれば、被告清六は被告車を所有し、被告村上をその運転手として雇傭するものであるところ、右清六は砂利採取業を営む同被告の兄である被告亀一から頼まれて主としてその仕事に従事しており、その際、被告村上は専ら被告亀一の指図・監督の下に被告車を運行して砂利の採取、運搬等を行なつていること、本件事故当日も被告村上は被告亀一の指図に従つて、奈良市内の生コン会社に砂利を運搬した帰途本件事故を起したものであることが認められ、右事実によれば、被告清六及び同亀一は、いずれも自賠法三条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」に該当し、本件事故は後記のとおり右村上の運行上の過失によつて発生したことが明らかであるから、同人らはいずれも本件事故により原告のこうむつた後記損害を賠償すべき責任がある。

(二)  被告村上、同卞の責任について

〔証拠略〕を総合すると次の事実を認めることができ、この認定に反する証拠はない。

(1)  本件事故の現場は、奈良県吉野郡大淀町大字芦原一二番地先の国道一六九号線上であり、同国道の巾員は八・五六メートル、現場附近は北から南にかけてゆるい右カーブを描き約六度の下り勾配をなしている。又同国道はアスフアルト舗装がなされ、路面の状況及び前方の見透しも良好であるが、本件事故当時は、道路脇の山腹から流れ出た谷水等で現場附近の路面が約二〇メートルにわたつて一面に凍結し、極めてスリツプしやすい状況にあつた。

(2)  被告卞は、本件事故当時普通貨物自動車(ダンプカー)を運転して同国道を南進中、その前方を同方向に進行中の車が現場附近で路面凍結のため蛇行運転をはじめたため危険を感じてブレーキをかけ自車の速度を減速したところ、スリツプして左斜めに進行し、道路左側の石垣に衝突して停止した。

(3)  一方被告村上は被告車(ダンプカー)を運転して右卞運転のダンプカーの後方を約一五ないし二〇メートルの車間距離を置き時速約四〇キロ位のスピードで進行していたところ、被告卞運転のダンプカーが急ブレーキをかけた上道路左側の石垣に衝突したため、これに追突しそうになり、それを避けるためとつさに急ブレーキをかけつつ右へハンドルを切つたが前記のとおり路面が一面に凍結していたためスリツプして右側へ道路にほぼ直角に急旋回し、折柄道路の右側を北から南に向つて通行中であつた原告に衝突し、同人を約三メートル下の田圃内に転落させてようやく停車したものである。

右認定事実によれば、被告村上は、現場道路が下り坂である上に、路面が一面に凍結し極めてスリツプしやすい状態にあつたのであるから、先行車両の動静に注意し、先行車がいつ急停車や方向転換をしても直ちにこれに応じた措置がとれるだけの安全な車間距離と速度を保つて進行すべき注意義務があつたのにこれを怠り、漫然一五ないし二〇メートルの短い車間距離を置いたまま時速約四〇キロ位のスピードで進行したものであり、その結果本件事故が発生したものであるから、同人が事故直前に採つた応急措置に責めるべき点はないにしてもすでにこの点において過失責任は免れない。よつて同被告の不可抗力及び緊急避難の主張はいずれも採用しがたい。

しかしながら他方、被告卞の責任の有無について考えるに、同被告においても被告村上同様適当な車間距離と速度を保たなかつた過失は免れないにしても(もつとも被告村上は同日事故前に一回現場を通つており現場の道路が凍結しているのを知つていたが被告卞がこれを知り得る状況にあつたかどうかは明らかでない。)、これに追従する被告車が適正な車間距離とスピードで走行しておれば本件事故が発生する余地は全くなかつたのであるから、被告卞の所為と被告村上が原告に衝突して発生させた本件損害との間に相当因果関係を認めることは困難であり、したがつて、原告は被告卞に対し被告村上と原告との本件衝突事故の結果生じた損害の賠償を請求することはできないものといわなければならない。

三、原告の損害

(1)  治療費

(イ)  〔証拠略〕によれば、原告は前記傷害により昭和四二年三月一九日より同年八月三〇日まで大淀町立大淀病院に入院して治療をうけ、その間の入院治療費として四六万五七六〇円を同病院に支払つたことが認められる。

(ロ)  〔証拠略〕によれば、原告は、右入院中の相当期間付添人を必要としたところ、あつ旋所等に依頼して付添人を探したが適当な人がなかつたため、やむを得ず原告の姉と妹とに依頼して同期間中終始交替で付添看護を受けたこと、そしてこれに対する謝礼として同人らに対し各五万円宛計一〇万円を支払つたことが認められる。

(ハ)  〔証拠略〕によれば、原告は前記入院中栄養補給のため三万七六九〇円、衣服備品代に一万五一〇〇円を要したほか入院に伴ふ交通費として三七六〇円、電話代として少くとも一〇〇〇円更に医師、看護婦等に対する謝礼として一万円を支出した事実が認められる。以上の支出のうち衣服備品代を除く計五万二四五〇円は本件事故と相当因果関係のある損害というべきであるが、衣服備品代一万五一〇〇円(甲一〇号証に衣服備品等として計上されている部分)は布団、寝巻、石鹸、庖丁代など消耗品ではなく退院後の日常生活においても使用できるものや入院しなくても必要とするものばかりであるから、その購入費を本件事故による損害として被告等に請求することはできない。

(2)  休業による得べかりし利益の喪失

〔証拠略〕によれば、原告は従前より夫羽川利一とともに家業の農業に従事し、田二反、畑二、三反程度を耕作してきたものであるが、本件事故当時は夫が老令で病弱のため原告が中心となつて右耕作に従事していたこと、原告ら夫婦は右農業による収入として事故前は年間約二〇万円を得ていたこと、ところが前記受傷により、原告は、長期間の入院生活やその後の自宅療養を余儀なくされたため、少なくとも昭和四二年三月一九日より昭和四三年三月末頃までの一年間は全く働らくことが出来ず、その間原告自身としては何らの収入も得ることができなかつたこと、そのため右休業期間中前記農業は病弱の夫や長男健治(教員)、次男修一(学生)が共同で細々と継続してきたものの昭和四二年中の農業上の収入は事故前に較べ半分程度に減少したこと、以上の事実が認められ、右認定をくつがえすに足りる証拠はない。右認定の事実によれば、原告夫婦らの前記農業上の収入における原告の寄与率は控え目に見ても六〇%と認めるのが相当であり、したがつて原告の前記休業期間中の逸失利益は少なくとも一二万円(20万×60/100)とみるのが相当である。

ところで、原告は右農業上の収入以外にも、年間材木市場で雑役として稼働して得る収入一万七五〇〇円があると主張し、これを前記休業期間中の逸失利益として請求するので判断するに、〔証拠略〕によれば、原告は本件事故前の昭和四一年一二月頃より農閑期(一二月頃より三月頃まで)を利用して吉野郡大淀町の相互木材市場株式会社において、丸太そろえ等の雑役として日当七〇〇円を得て働いていたことが認められるが、右証拠によればその稼働日数は昭和四一年一二月が七日間、昭和四二年一月が八日間、同年二月が一八日間にすぎなかつたことが認められ、且つかかる同人の雑役夫としての就労が昭和四一年度だけではなく従前から慣行的になされてきたことを認めるに足る証拠はない。右の事実によれば、原告の右材木市場における稼働は臨時的、浮動的な要素が極めて強く、したがつて本件事故がなかつたならば原告は前記休業期間中も前年同様右材木市場で稼働したであらうとは必ずしも予測することができず他にこれを認めるに足りる証拠もない。したがつて、当裁判所は右材木市場における収入を前記休業期間中の逸失利益として認めることはできない。

(3)  後遺症による得べかりし利益の喪失

〔証拠略〕を総合すると、原告は昭和四三年四月頃からようやく草ひきや単純な家事労働に従事することができるようになつたものの、前記後遺症のために疲労しやすく従前どおり農業労働に従事することはとうてい望めないことが認められ、右認定に反する証拠はない。右事実とさきに認定した後遺症の程度とを併せ考えると原告は今後とも右草ひき程度の農業労働や単純な家事労働に服することはできるが、本件事故以前の労働能力の回復は全く期待できないものと考えられ、しかも原告の後遺症の程度や性別、年令(事故当時四九才)、経歴、家庭環境等からすると他の適当な職業に就くことも極めて困難であることが認められるので、前記後遺症による原告の労働能力の喪失の割合は七〇%と認めるのが相当である。そして、〔証拠略〕によると、原告は大正六年一一月四日生れで本件事故当時は四九才の健康な女子であつたことが認められるところ、厚生省統計調査部発表の第一一回生命表によると四九才の女子の平均余命年数は二六・八九年であるから、本件事故にあわなければ原告は本件訴状送達時である昭和四三年四月から少なくとも一四年間は稼働することができ、その間に毎年事故前と同額の収入を得ることができた筈である。そこで、右各事実を基礎とし、原告の昭和四三年四月以後における逸失利益の昭和四三年三月末現在における現価をホフマン式(復式・年別)計算法により年五分の割合による中間利息を控除して求めると、八七万四三九〇円(円未満切捨て)となる。

(120,000円×70/100×1,040,940,667=874,390円)

なお、原告は昭和四三年四月以降も毎年冬場の農閑期には前記材木市場の雑役として働らきに行くものであるとしてその逸失利益を請求するが、その認め難いことはさきに三の(2)で述べた通りであるから、原告の右請求は失当である。

(4)  慰藉料

本件事故により原告は前記のとおり五か月を越える入院生活を余儀なくされた上、前記後遺症のため今後の日常生活においても種々の不便をしのばなければならないものと思われそのため原告がこうむつた精神的苦痛は著しいものがあると思われる。そこでこれに前示本件事故の態様、原告の性別、年令、職業、加害者が本件事故後にとつた措置等、本件全証拠によつて認められる諸般の事情を併せ考えると、原告のこうむつた右精神的苦痛に対する慰藉料としては一五〇万円が相当である。

(5)  結局、被告村上、同亀一、同清六の三名(被告卞に責任がないことは前述したとおりである。)は、各自原告に対し本件事故により原告がこうむつた損害即ち、治療費六一万八二一〇円(内入院治療費四六万五七六〇円、同付添費用一〇万円、同入院雑費五万二四五〇円)、休業による得べかりし利益の喪失一二万円、後遺症による得べかりし利益の喪失八七万四三九〇円、慰藉料一五〇万円合計三一一万二六〇〇円より、原告がさきに自動車損害賠償保険金として受領した金二〇〇万円を控除した残額一一一万二六〇〇円及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日たる昭和四三年四月一六日より完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務を負うものというべきである。

四、よつて、原告の被告らに対する本訴請求は右認定の限度において理由があるから、これを認容し、その余の請求は失当としてこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用し、なお、被告村上、同亀一、同清六の仮執行免脱宣言の申立は相当でないからこれを却下することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 谷野英俊 一之瀬健 森下康弘)

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