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大阪高等裁判所 昭和60年(行コ)53号 判決 1986年8月28日

大阪市旭区中宮四丁目三番一八号

控訴人

篠根茂雄

右同所

控訴人

篠根タエ子

右両名控訴代理人弁護士

山本毅

大阪市旭区大宮一丁目一番二五号

被控訴人

旭税務署長

西村和典

右指定代理人

笠原嘉人

杉山幸雄

下芝一守

高田安三

岸川信義

主文

本件控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴の趣旨

1  原判決を取消す。

2  被控訴人が昭和五七年六月二四日付で控訴人篠根茂雄に対してした昭和五五年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(但し、いずれも異議決定による一部取消後のもの。)並びに同日付で控訴人篠根タエ子に対してした昭和五五年分の所得税の更正処分及び無申告加算税の賦課決定処分(但し、いずれも裁決による一部取消後のもの。)は、いずれもこれを取消す。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  控訴の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二当事者の主張

当事者双方の主張は、原判決一六枚目裏五行目末尾に「昭和五五年三月三一日までの右以外の公的・私的な連絡先や諸手続上及び契約上等の住所は、それまで住民登録されていた旭区の建物によつて表示されており、措置法における住民票の取扱いからしても住民票上の住所をもとに居住用財産の特別控訴が適用されるべきである。」と付加するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

第三証拠

原審及び当審の訴訟記録中各証拠関係目録に記載のとおりであるからこれを引用する。

理由

一  当裁判所も控訴人らの本件請求を原判決主文第一項の範囲については却下し、その余は棄却すべきものと判断するが、その理由は次のとおり付加・訂正するほか、原判決理由説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決一八枚目表一〇行目、二〇枚目表末行ないし同裏一行目、二三枚目裏一行目の各「原告茂雄本人尋問の結果」を「原審及び当審における控訴人茂雄本人尋問の結果」と訂正する。

2  同二五枚目表三行目の「これに該当するか否かは」の次に「住民基本台帳上住所として登録されているか否かが重要なのではなく、」を挿入する。

3  同二五枚目裏四行目の「原告本人も」から同八行目までを「原審及び当審において控訴人茂雄本人もこれに副う供述をしている。そして成立に争いのない甲第一八、一九号証、当審における控訴人茂雄本人尋問の結果により真正に成立したことが認められる甲第一七号証の一ないし三、第二〇ないし第二二号証によれば、控訴人茂雄は昭和五五年三月まで旭区の建物の所属する居住区の隣組会費を支払い、同年四月ころまで旭区の建物に配達される納税通知書や郵便物を受領していたが、その後前記預金口座以外の住友銀行赤川町支店、三菱銀行大阪支店、三和銀行都島支店の控訴人茂雄名義の普通及び当座預金の住所を新住所に変更したことが認められ、右事実からすると控訴人らは昭和五一年七、八月ころ以降も旭区の建物を使用していた事実が認められる。しかしながら、前記認定事実に照らせば、右使用は生活の本拠としてのものとは認め難く、これに反する右控訴人本人の供述は採用できない。」と訂正する。

4  同二七枚目裏三行目の「これを拡張」以下同六、七行目の「招来することになるから。」までを削除する。

二  そうすると、原判決は正当であるから本件控訴を棄却することとし、民訴法九五条、九三条一項本文、八九条に則り主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 乾達彦 裁判官 宮地英雄 裁判官 横山秀憲)

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