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大阪高等裁判所 昭和55年(行コ)6号 判決 1981年7月07日

奈良県大和郡山市小林町三九五番地の七一

控訴人

藤本正成

右訴訟代理人弁護士

吉田恒俊

佐藤真理

奈良市登大路町八一番地

奈良税務署内

被控訴人

奈良税務署長

鴨脚秀明

右指定代理人

小林敬

河口進

太田吉美

坂田行雄

後藤洋次郎

右当事者間の課税処分取消請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

原判決を次のとおり変更する。

控訴人の昭和四七年度所得税について被控訴人が昭和四九年二月二八日付でした更正処分及び過少申告加算税賦課処分のうち総所得金額を一七九万七一七八円として計算した額を超える部分を取り消す。

控訴人のその余の請求を棄却する。

訴訟費用は、第一、二審を通じてこれを四分し、その一を被控訴人の、その余を控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  控訴人の昭和四六年度、同四七年度所得税につき、被控訴人が昭和四九年二月二八日付でした更正処分及び過少申告加算税賦課処分のうち昭和四六年度の総所得金額を一二〇万円、同四七年度の総所得金額を一〇〇万円として計算した額を超える部分を取り消す。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

1  本件控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人の負担とする。

第二主張、証拠関係

当事者双方の主張、証拠関係は、次に付加、訂正するほか原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

一  別表の訂正

原判決添付別表(一)、(二)を本判決添付別表(1)、(2)のとおり訂正し、これに基づき原判決四枚目表五行目、同五枚目裏一、二行目にかけて、各「別表(一)、(二)」とあるのを各「別表(1)、(2)」と訂正する。

二  誤記等の訂正

1  原判決三枚目表一〇行目「被告税務署長所部」を「奈良税務署所属」と改める。

2  同五枚目裏五行目「〇、二四三一」を「〇・二四三一」と、同六行目「〇、二六一七」を「〇・二六一七」と各改める。

3  同六枚目表四行目「萩野電気」を「萩野電機」と改める。

4  同六枚目裏七行目「(一ないし三回)」を削る。

三  控訴人の主張

1  (昭和四七年度の収入額)

奈積工業株式会社の昭和四七年六、七月分の支払額七二五、〇〇〇円は控訴人の収入に計上すべきでない。同金額は双葉電工の勝美駿一が控訴人名の領収書を所持して奈積工業から受領し、そのまま双葉電工の収入としたものであって、控訴人の収入とはなっていない。同金額が控訴人の収入であり双葉電工の収入でないとすれば、昭和四七年六、七月分の控訴人の収入額はその前後にくらべて控訴人方の実働人員が二人で同じであるのに、収入額だけ約二倍に増える結果になるのであるが、右二人のみで通常の二倍もの収入を得ることなど、とうていできない。

2  (同年六、七月分の双葉電工に対する外注費の支払)

かりに右七二五、〇〇〇円につき控訴人名の領収書が発行されていることから、同金額は控訴人の収入とみざるをえないとして、全額双葉電工に対して外注費として支払われたとみるべきである。別表(2)における控訴人の主張額は、かりに七二五、〇〇〇円が控訴人の収入とされた場合の額である。

昭和四七年六、七月分の外注費として、控訴人から双葉電工に対し、右七二五、〇〇〇円を含め合計九九六、二〇〇円、その内訳六月分五〇二、二〇〇円、七月分四九四、〇〇〇円が支払われている。たまたま右支払についての双葉電工の領収書が存在しないのであるが、六月分の右金額は税務署員が控訴人を調査したさいに作成したメモ(乙第四号証)に記載されており、なんらかの確かな根拠が存在したというべきである。右両月の支払が認められなければ、右1でもみたとおり控訴人の所得が異常に増え、一方双葉電工はとくに奈積工業の工事について収入なしで仕事をしたという不合理な結果をまねく。控訴人と双葉電工との間におけるそれまでの協力関係と収入分配の経過からみて、右両月の支払がされたとみるべきである。

3  (昭和四七年度の東運送に対する外注費の支払)

控訴人は昭和四七年に東運送に建柱作業を外注し、三三万円を支払っているが、これは当然特別経費として計上されるべきである。同支払は、他の外注費すなわち特別経費とまったく性質を異にしない。

4  (昭和四七年度の一般経費)

昭和四七年度の一般経費率は〇・二六一七を採用すべきところ、これを用いて同年度の一般経費を算定すると、工事代金総収入一〇、三〇七、三〇〇円(右七二五、〇〇〇円をかりに含む。)と雑収入八、六三九円の合計一〇、三一五、九三九円から仕入金額一、二六二、七七一円を控除した残額に右経費率を乗じた二、三六九、二一四円である(別表(2)の控訴人の主張)。

5  (昭和四六年度の一般経費)

原判決五枚目裏七行目から九行目までの全部を「しかし、控訴人は前年度に開業したばかりでまだ事業は軌道に乗らず多額の経費を支出するばかりであった のであるから、昭和四六年度も同四七年度の一般経費率〇・二六一七を用いて一般経費を算定すべきである。」と改める。右経費率によって算定した昭和四六年度の一般経費額は、同年度の収入額七、五七五、〇〇〇円に一般経費率〇・二六一七を乗じた一、九八二、三七七円である(別表(1)の控訴人の主張額)。

6  (昭和四六年度の雇人費)

昭和四六年度の雇人費についても、右のとおり事業が軌道に乗らなかったのに、控訴人は翌四七年度と同数か一人多い職人を雇用して報酬を支払っていたのであるから、同四七年度の雇人費から昭和四六年から同四七年度にかけての物価上昇分だけを減じた一、七〇八、一一〇円を要したものとみるべきである。

7  (昭和四六年度の東運送に対する外注費の支払)

昭和四六年に東運送に支払った一二九、〇〇〇円も右3と同様の理由により特別経費に属する外注費として計上すべきである。

8  (総括)

原、当審における控訴人の主張額を総合した結果は、別表(1)、(2)の控訴人の主張のとおりであり、これによると、昭和四六年度の所得額は一、一九一、〇二〇円、同四七年度のそれは九七〇、九一七円である。

四  被控訴人の主張

1  (昭和四七年度の収入額)

奈積工業の昭和四七年六、七月分の工事代金七二五、〇〇〇円が控訴人の収入となっていることは明らかである。

2  (昭和四七年六、七月分の双葉電工に対する外注費の支払)

控訴人と双葉電工との協業関係は昭和四七年五月には終っており、控訴人から双葉電工に同年六、七月分の外注費が支払われたことはない。両者間の外注費の授受についてはすべて領収書が取り交されているが(乙第二号証の一ないし一一)、同年六、七月分の外注費の支払を示す領収書は存在せず、その支払のなかったことが明らかである。右支払がないとすると、右両月における控訴人の収入額が多いことは明らかであるが、しかし収入しえないほどの金額ではない。

3  (昭和四七年度の東運送に対する支払)

控訴人は、東運送に対して建柱及び建柱のための運送の仕事をさせたものであるが、いずれにせよその仕事に要する費用は控訴人の事業をおこなうにつき通常要するものであって、一般経費に含まれるのが当然である。なお、控訴人主張の三三万円のうち一三万円(甲第二号証)は控訴人が支払ったものではなく、三和電業が支払ったものである。

4  (昭和四七年度の雇人費)

昭和四七年における控訴人の萩野電機に対する八三、〇〇〇円及び的場電気商会に対する二四、〇〇〇円の合計一〇七、〇〇〇円の支払は、雇人費に計上されるべきこというまでもないが、この一〇七、〇〇〇円の金額は、前記の乙第四号証のメモに記載された雇人費一、八一四、九〇〇円に含まれているとみるべきであり、これと別に特別経費として計上すべきでない。右メモに記載された以外に同年度の雇人費は存在しない。

5  (昭和四七年度の一般経費)

昭和四七年度の一般経費額としては、異議決定書(乙第三号証)の記載等により控訴人の申立を基礎に算定したことの明らかな一、七八三、五六四円の実額を計上すべきである。

6  (昭和四六年度の一般経費)

原判決四枚目表七行目以下のとおりの実情に即した合理的な額というべき一、三一八、〇五〇円を昭和四六年度の一般経費として計上すべきである。

7  (昭和四六年度の東運送に対する支払)

昭和四六年度の東運送に対する支払も、右3と同様であって一般経費に含まれる。

8  (総括)

原、当審での被控訴人の主張額をまとめると、別表(1)、(2)の被控訴人の主張のとおりであり、控訴人の昭和四六年度の所得額は二、一七二、一五四円、同四七年度の所得額は二、九八九、七六七円となるから、被控訴人の所得額の認定になんらの違法もない。

五  証拠関係

1  控訴人

甲第九号証、第一〇号証の一ないし四を提出(いずれも写)。

当審における控訴本人尋問の結果を援用。

乙第一五号証の成立は不知、第一六、第一七号証の成立は認める。

2  被控訴人

乙第一五ないし第一七号証を提出。

甲第九号証、第一〇号各証の原本の存在、成立を認める。

理由

一  当裁判所は、控訴人の請求を、控訴人の昭和四七年度所得税について被控訴人が昭和四九年二月二八日付でした更正処分及び過少申告加算税賦課処分のうち総所得金額を一七九万七一七八円として計算した額を超える部分の取消を求める限度でこれを認容し、その余を棄却すべきものと判断する。その理由は、次に付加訂正するほか原判決七枚目表九行目から同一六枚目表六行目までの理由説示のとおりであるから、これを引用する。

二1  原判決七枚目表九、一〇行目「原告の申告税額を除き、その余は」を削る。

2  同七枚目裏二行目「(第一ないし三回、同)」を削る。

3  同八枚目裏三行目「被告所部係官」を「奈良税務署所属係官」と改める。

4  同八枚目裏七行目「別表(一)」を「別表(1)」と、同末行の「別表(二)」を「別表(2)」と、同九枚目表二行目「萩野電気」を「萩野電機」と、同五、六行目の「勝美(双葉電工)に対する六月分の外注費五〇二、二〇〇円の支払があったか否か」を「勝美(双葉電工)に対して六月分の外注費の支払があったか否か、またかりに右奈積工業分七二五、〇〇〇円を控訴人の収入に計上すべきものとした場合は、右奈積工業分のうちの二三万一〇〇〇円を含む五〇二、二〇〇円を六月分の外注費として、さらに右奈積工業分の残額四九四、〇〇〇円を七月分の外注費として、勝美に支払ったか否か」と各訂正する。

5  同九枚目裏三行目「第一ないし三回」を「原審、当審」と改める。

6  同一〇枚目表三行目「萩原」を「萩野」と改める。

7  同一〇枚目表一〇行目「これらには」を「三和電業の仕事については」と改め、同裏一行目「五月」の次に「ごろ」と加え、同一、二行目「受けた。」を「受け、また奈積工業から下請した仕事については後記のとおりほぼ全面的に右の双葉電工に孫請させた。」と改める。

8  同一一枚目表一行目「五月末で」を「五月末ごろに」と改め、同四行目「原告は」から同裏七行目の終りまでを改行のうえ次のとおり改める。

「次に、控訴人は、双葉電工と右のような協業関係を解消するころに奈積工業から電気工事を下請したが、控訴人自身はその仕事に最初一部関与したものの大部分を、これまで双葉電工が控訴人と協業していたことから同電工に外注し、孫請させた。奈積工業からは控訴人に対し右工事代金として昭和四七年七、八月に同年六月分二三一、〇〇〇円、同年七月分四九四、〇〇〇円の合計七二五、〇〇〇円が支払われた(もっとも、右代金はいったん双葉電工の主宰者勝見駿一が受領しているが、控訴人の代理人として控訴人名義の領収書を持参して受領したものである。)。そして右代金額から経費を控除したすくなくとも五〇二、二〇〇円が孫請代金として控訴人から双葉電工に支払われた。双葉電工は、同年八月以降も奈積工業の仕事をおこなっているが、その仕事は控訴人との協議をも経たうえ双葉電工が直接奈積工業から受注しておこなうようになり、したがって工事代金も右八月分以降は双葉電工が直接奈積工業から受領した。ところで、右すくなくとも五〇二、二〇〇円の外注費の領収書が現在控訴人のもとに残っていない。しかし、前記乙第四号証(税務署員が控訴人を調査したさい控訴人の示した資料等に基づいて作成したメモ)には双葉電工に対して五〇二、二〇〇円を支払った趣旨の記載があり、その記載部分と並んで書かれた双葉電工に対する五回にわたる各支払額はいずれも前記乙第二号証の七ないし一一(双葉電工の控訴人に対する昭和四七年一ないし五月分の領収書)記載の金額とほぼ一致している(右号証の七、八、九、一一記載の金額とは一致し、一〇記載の金額と近似している。)から、右五〇二、二〇〇円の記載も領収書その他のなんらかの客観的資料に基づいてされたものであり、その後の控訴人の帳簿管理がずさんであったことからその資料が失われたものにすぎない。領収書等の資料の現存しない同年六、七月分の奈積工業の仕事に関して控訴人から双葉電工に外注費の支払がされていないとすれば、双葉電工はその仕事をただ働きでしたことになるが、そのようなただ働きをした形跡はない。なお、右乙第二号証の七ないし一一の領収書五通のうち最終のものの発行時期は同年六月六日であり(同号証の一一)、一方奈積工業の支払は右のとおり同年七、八月にされている(乙第一〇号証)から奈積工業関係の外注費の支払は右五通の領収書の示す金額には含まれていない。」

9  同一一枚目裏八行目「原告本人の」の次に「原審、当審における」と加え、同九行目の「および乙第四号証の記載」を削る。

10  同一二枚目表二行目の初めから同一〇行目の終りまでを「奈積工業支払の右工事代金七二五、〇〇〇円が控訴人の収入となったことが明らかであり、ただその一部が外注費として双葉電工に支払われたものとみるのが相当である。」と改める。

11  同一三枚目表八行目「〇、二六一七」を「〇・二六一七」と、同九行目「〇、二四三一」を「〇・二四三一」と、同未行の「九、五九〇、九三九円」を「九、五八二、三〇〇円(ただし雑収入八、六三九円を除く。)」と各改め、その裏七行目「いうべきである」の次に「(一般経費率により一般経費を算定するには通常の代金収入を基礎とすべきものであるから、前記雑収入は算定の基礎から除いた。)」と加える。

12  同一三枚目裏末行「乙第一四号証の一、」の次に「同第一五号証」と、同行の「結果」の次に「(原審、当審、ただし、後記措信しない部分を除く。)」と各加える。

13  同一四枚目表六行目「建柱作業」の次に「及び建柱現場までの資材等の運搬作業」と加え、同七行目「萩野電気」を「萩野電機」と、同九行目「以前の」から同一〇行目「支払われたこと」までを「控訴人を応援して常用として働いた対価として受けたものであるが、萩野はこのときは控訴人に再雇用されたわけではなく、右対価は臨時的な雇人費として支払われたものであること」と各改め、同裏二行目「認められ、」の次に「原審、当審における控訴本人尋問の結果中右認定に反する部分は措信しがたく、他に」と加える。

14  同一四枚目裏五行目「全て」を「控訴人のごとき電気工事業者がその工事のために通常付随しておこなう建柱及び建柱現場までの運送の作業に関するものであるから、全額その事業に通常必要な」と、同七行目「雇人費」を「臨時的な雇人費すなわち特別経費」と各改める。

15  同一四枚目裏七行目の次に改行のうえ次のとおり加える。

「ところで、奈積工業関係の収入七二五、〇〇〇円のうちすくなくとも五〇二、二〇〇円が双葉電工に外注費として支払われたことは前認定のとおりであるが、具体的に右五〇二、二〇〇円をこえていくら(特定額)支払われたかを認めうる証拠はない。控訴人は、昭和四七年六月分として五〇二、二〇〇円(奈積工業関係二三一、〇〇〇円、それ以外の二七一、二〇〇円)、同年七月分として四九四、〇〇〇円(奈積工業関係)が双葉電工に支払われたと主張する。これによれば、奈積工業関係の控訴人の収入七二五、〇〇〇円全額がそのまま双葉電工に支払われたことになるが、そこまでの事実を認めうる証拠はない。また、証拠を総合しても、双葉電工が右六、七月に控訴人から奈積工業以外の仕事をして外注費の支払をうけたことを認めがたい。控訴人の当審での主張(とくに昭和五五年一二月三日付準備書面二1ないし6における主張)に弁論の全趣旨を合わせると、右六、七月分として右五〇二、二〇〇円以外に若干の額の支払がされたのではないかとの疑いを生じるのであるが、前記乙第二号証の七ないし一一、第四号証のごとき客観的資料がない以上、その支払の事実を認めるには足りない。したがって、結局、右五〇二、二〇〇円のみを外注費として計上するにとどめるほかない。」

16  同一四枚目裏九行目「一〇七、〇〇〇円」の前に「雇人費」と、同一〇行目「加える)」の次に「及び右外注費五〇二、二〇〇円(右双葉電工分)」と各加え、同行と末行にかけての「四、三八六、八三七円」を「四、八八九、〇三七円」と改める。

17  同一五枚目表三、四行目にかけての「二、二九九、三七八円」を「一、七九七、一七八円」と、同五行目「4,386,837円」を「4,889,037円」と、同行「2,299,378円」を「1,797,178円」と各改める。

18  同一五枚目表九行目「〇、二四三一」を「〇・二四三一」と、同裏三行目「〇、二一二五」を「〇・二一二五」と、同五行目「〇、二四三一」を「〇・二四三一」と、同行「〇、二六一七」を「〇・二六一七」と、同六、七行目にかけての「〇、一九七四」を「〇・一九七四」と各改める。

19  同一六枚目表一行目の次に改行のうえ次のとおり加える。

「東運送に対する一二九、〇〇〇円の支払は、一般経費に含まれ、特別経費には計上しがたいこと、すでにみたとおりである。」

20  同一六枚目表四行目「算式により、」の次に「同年度の収入金額七、五七五、〇〇〇円から前記一般経費一、八四一、四八二円及び特別経費四、一七四、一八〇円(家賃一一四、〇〇〇円、雇人費一、六〇九、六八七円、外注費二、四五〇、四九三円の合計)を控除した残額」と加え、同五行目の最初の「1,841,482円―」を削る。

三  以上のとおりであるから、控訴人の昭和四六年所得額は裁決にかかる所得金額一五一万〇六二二円を上回ることが明白であり、所得額認定についての違法はなく、右裁決により一部取り消された後の更正処分及び賦課処分にも違法はないが、昭和四七年度の所得額(一七九万七一七八円)は裁決にかかる所得金額二二四万八五二七円を下回るものであって所得額の認定には一部違法があり、右裁決により一部取り消されたのちの更正処分及び賦課処分のいずれも一部右認定の違法を前提とする違法を免れないこととなる。

よって、控訴人の本訴請求は、控訴人の昭和四七年度の所得税につき被控訴人がした更正処分及び過少申告加算税賦課処分のうち総所得金額を一七九万七一七八円として計算した額を超える部分の取消を求める限度でこれを認容し、その余(昭和四六年度所得税につき被控訴人がした更正処分及び過少申告加算税賦課処分の取消及び昭和四七年度の同様の各処分のうち右部分以外の部分の取消を求める請求部分)は失当であるからこれを棄却することとし、これと一部見解を異にする原判決を本件控訴に基づき変更し、訴訟費用の負担につき民訴法九六条、九二条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 朝田孝 裁判官 岨野悌介 裁判官大石一宣は転補につき署名押印できない。裁判長裁判官 朝田孝)

別表(1) 昭和四六年度

<省略>

別表(2) 昭和四七年度

<省略>

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