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大阪高等裁判所 昭和34年(う)283号 判決 1959年6月23日

被告人 吉村高治 外二名

主文

被告人吉村高治の本件控訴を棄却する。

原判決中被告人松本顕次、同中居騏一に関する部分を破棄する。

被告人松本顕次を懲役二年以上五年以下に、被告人中居騏一を懲役三年に処する。

原審における訴訟費用は全部被告人松本顕次、同中居騏一の連帯負担とする。

理由

弁護人天野一夫、同谷沢政二連名の控訴趣意第一点について。

所論は要するに原判示第一の強姦致傷の事実について、本件のような極く軽微な処女膜裂傷の如きは強姦致傷罪にいうところの傷害には当らないというのであるが、原判決引用の医師益弘環作成の被害者Aに対する診断書及検案書の記載によると右被害者の被つた処女膜裂傷は安静治療四、五日を要するもので診察の際被害者は疼痛を訴えたとあるので、これを刑法にいう傷害というに憚らない。素より強姦致傷罪における傷害についても、同断であつて、普通傷害罪における強姦致傷罪におけるとその傷害の意義に所論のような差別のあるべき理は認められない。

従つて原判決が本件を強姦致傷罪を以て問擬したのは正当であつて、その事実認定及び法令の適用に誤はない。論旨は理由がない。

(その余の判決理由は省略する。)

(裁判官 山本武 三木良雄 古川実)

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