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大阪高等裁判所 昭和33年(ラ)261号 決定 1959年4月23日

抗告人 牧田源太郎

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

本件抗告の趣旨及び理由は別紙記載のとおりである。

よつて、まず、本件抗告の適否につき審査するに、一件記録によれば、本件は、債務者亡有田静江(承継人、有田正良、同ヒロミ、同啓子、同喜代子)が債権者岡本一郎に負担した債務を担保するため設置された抵当権の実行として開始された競売手続であり、抗告人は右債務につき連帯保証をしたことが認められるところ、競売法第二七条第三項第二号にいわゆる債務者とは、当該抵当権により担保される債権の債務者を指称し、その保証人や連帯保証人はこれに含まれないものと解するのが相当であるから、抗告人は本件競売手続においては同条項所定の債務者に該当しない。そして、他に同人が本件抗告をなし得べき利害関係人とみる余地はないから、同人は抗告人たる適格を欠か本件抗告は不適法として却下を免れない。

されば、抗告費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり決定する。

(裁判官 吉村正道 竹内貞次 吉井参也)

抗告の趣旨

原決定は之れを取消す

更に相当の御裁判を求む

抗告の理由

一、債権者岡本一郎は債務者有田静江に対し昭和卅壱年八月十日金四拾万円也の弁済期日昭和卅壱年拾月弐日利息年一割八分利息支払期毎月末日持約遅退損害金は年三割六分の約定にして貸付亡債務者有田静江所有に係る末記不動産に対し大阪法務局同守口出張所に於て順位第一番の抵当権設定したと主張するものなり而て抗告人は之れが連帯保証人となりたるものなり

二、然れ共

右抗告人牧田源太郎は亡有田静江の内縁の夫にして右金銭の授受は牧田源太郎と同連帯保証人訴外山平勝繁との間に行はれたるものにして元金四拾万円は之れに対する弐個月分(月当七分利)五万六千円也を天引せられ元金は参拾四万四千円しか受取り居らず天引利息は無効にして匡正原理よりするも当然無効なると信ずるを以て此の点に於て本訴準備中のものなり

以上の如く債権額に大なる誤差を生ずるものなるに依り本抗告に及びたる次第なり

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