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大阪高等裁判所 平成7年(く)9号 決定 1995年1月31日

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は、弁護人若松芳也作成の抗告申立書記載のとおりであり、その要旨は、被告人に対する京都地方裁判所平成六年(わ)第一〇七二号脅迫、暴行被告事件について、大阪地方裁判所に係属中の被告人に対する同庁平成六年(わ)第三八五七号商法違反被告事件を併合して審判されたい旨の申立人の請求を却下した原決定を取消し、右請求のとおり審判併合の決定を求める、というものである。

しかし、刑事訴訟法四二〇条一項によれば、裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては抗告をすることができないと定められており、一件記録によれば、原決定は、申立人の関連事件の併合請求を却下したものであるから、右四二〇条一項の「裁判所の管轄に関し判決前にした決定」に該当し、右決定に対しては抗告することができないと解するべきである。

所論は、右四二〇条一項は、関連事件の併合決定に対してのみ抗告を許さないとしたものであつて、右併合請求を却下した決定には適用されないと主張するが、規定の文言からそのような解釈を導き出すことはできないうえ、裁判所の管轄や訴訟手続に関する判決前の決定のような中間的裁判は、不服申立を認めることによつて本来の手続の進行が不当に阻害さえるおそれがあるので、特に当面の救済の必要なもの(例えば、同法一九条三項の管轄事件の移送決定及び移送請求却下決定)について個別的に即時抗告を認める場合を除き、その不当、違法が終局裁判に影響する限り、その終局裁判を待つてこれに付する上訴の手続内で救済すれば足りるとする右規定の趣旨に照らしても、その適用において、関連事件の併合請求を認容する決定と却下する決定とを区別しなければならない合理的理由はない。

よつて、本件抗告は不適法であるから、刑訴法四二六条一項によりこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 青木暢茂 裁判官 梶田英雄 裁判官 東尾竜一)

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