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大阪地方裁判所 平成4年(わ)1995号 判決 1993年3月05日

本籍

兵庫県揖保郡太子町福地四二一番地

住居

大阪府吹田市江の木町一六番四〇-六〇二号

鋼材販売業

尾野實信

昭和二二年四月一日生

主文

被告人を懲役一年六月及び罰金二六〇〇万円に処する。

右の罰金を完納することができないときは、金二〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人は、大阪市西区本田一丁目八番一五号生起ビル四〇三号において、「信洋商事」の屋号で鋼材販売業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

第一  昭和六三年分の総所得金額が八八〇一万六九四六円で、これに対する所得税額が四三二六万八八〇〇円であるのに、事業に係る実際の所得金額とは関係なく、殊更過少な所得金額を記載した所得税確定申告書を作成して所得を秘匿した上、平成元年三月一三日、大阪市西区川口二丁目七番九号所在の所轄西税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が四二〇万円で、これに対する所得税額が三五万〇四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定の納期限を徒過させ、もって不正の行為により所得税四二九一万八四〇〇円を免れた(別紙1の修正損益計算書、別紙4の税額計算書参照)、

第二  平成元年の総所得金額が一億二一二六万九八五四円で、これに対する所得税額が五五八七万〇五〇〇円であるのに、前同様の手段により所得を秘匿した上、平成二年三月一五日、前記西税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が四八〇万円で、これに対する所得税額が二八万四一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定の納期限を徒過させ、もって不正の行為により五五五八万六四〇〇円を免れた(別紙2の修正損益計算書、別紙5の税額計算書参照)、

第三  平成二年分の総所得金額が六〇一七万四六八二円で、これに対する所得税額が二四八一万六〇〇〇円であるのに、前同様の手段により所得を秘匿した上、平成三年三月一二日、前記西税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が六二一万九三五七円で、これに対する所得税額が三二万五八〇〇円(ただし、申告書は誤って二七万六九〇〇円と記載。)である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定の納期限を徒過させ、もって不正の行為により所得税二四四九万〇二〇〇円を免れた(別紙3の総所得金額計算書、修正損益計算書、別紙6の税額計算書参照)。

(証拠)( )内の漢数字は、検察官請求番号である。

判示全事実につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の大蔵事務官(平成三年三月一九日付け、同年六月一八日付け、同年八月二一日付け、同月二三日付け二通、)に対する各質問てん末書及び検察官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の平成三年八月一二日付け(検察官請求番号八)、同年七月五日付け(同一〇)、同月一一日付け(同一一)、同年八月一二日付け(同一二)、同年七月三〇日付け(同一九)、同年八月二一日付け(同二〇)、同一九日付け(同二一)、同年七月一一日付け(同二二)、同年六月三日付け(同二四)、同年七月九日付け(同二五)、同年四月一二日付け(同二六)、同年七月二二日付け(同二七)各査察官調査書

一  濱崎江利子の検察官に対する供述調書

一  検察事務官作成の報告書

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の同年九月三日付け証明書(同四)

一  大蔵事務官作成の同年七月一日付け(同九)、同月三一日付け二通(同一三、一四)各査察官調査書

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の同年九月三日付け証明書(同五)

判示第三の事実につき

一  被告人の大蔵事務官に対する同年八月一二日付け質問てん末書

一  大蔵事務官作成の同年九月三日付け証明書(同六)

一  大蔵事務官作成の同年七月三一日付け(同一五)、同年八月一九日付け(同二八)各査察官調査書

判示第一及び第二の各事実につき

一  大蔵事務官作成の同年七月三一日付け(同一六)、同年六月一〇日付け(同二三)各査察官調査書

判示第二及び第三の各事実につき

一  大蔵事務官作成の同年八月二一日付け(同一七)、同年七月三〇日付け(同一八)各査察官調査書

(法令の適用)

被告人の判示各所為は所得税法二三八条一項に該当するが、いずれも所定刑中懲役及び罰金の併科を選択することとし、なお情状により、同条二項を適用して、右の各罰金額はその免れた所得税の額以下とし、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、懲役刑については、同法四七条本文、一〇条により、犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をし、罰金については、同法四八条二項により各罪の罰金額を合算し、その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役一年六月及び罰金二六〇〇万円に処し、右の罰金を完納することができないときは、同法一八条を適用して、金二〇万円を一日に換算した期間被告を労役場に留置することとし、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(出席検察官)森本和明

(出席弁護人)豊島時夫

(裁判官 田中正人)

別紙1 修正損益計算書

<省略>

別紙2 修正損益計算書

<省略>

別紙3 総所得金額計算書

<省略>

修正損益計算書

<省略>

別紙4 税額計算書

<省略>

別紙5 税額計算書

<省略>

別紙6 税額計算書

<省略>

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