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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和50年(行コ)3号 判決 1976年1月16日

控訴人(原告) 株式会社中防鉄工所外一名

被控訴人(被告) 福井県地方労働委員会

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴人らは「1原判決を取消す。2本件を福井地方裁判所へ差戻す。3訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の事実上法律上の主張および証拠の関係は控訴人らが次のとおり主張し、被控訴人がこれを争う旨答えたほか、原判決事実欄記載のとおりであるから、これを引用する。

(控訴人らの主張)

地方労働委員会の発した救済命令の取消訴訟の提起時には右救済命令について中央労働委員会に再審査の申立がなされていなくても、その後所定期間内に再審査の申立がなされれば取消訴訟は不適法となるとする原裁判所の労働組合法二七条六項の法意の解釈は誤りである。けだし

1  労働組合法二七条七項の法意は、再審査申立があればその審決に対してだけ行政訴訟が許されるという限度で訴願前置主義を認めたものと限定的に解釈すべきである。そうしてこそ行政事件訴訟法の制定によつて訴願前置主義から、審査請求を前置するかどうかの判断を原則として被処分者の選択に委ねるいわゆる選択主義に変更された趣旨に合致する。

2  労働組合法二七条一一項は、労働者側の取消訴訟の提起について同法二七条七項を準用することに改正され、労働者側と使用者側の不服申立方法には何等の差異もなくなつたのであるから、労働者側からの再審査申立と取消訴訟の競合については何らの制限規定がないことに鑑み、使用者側からの再審査申立と取消訴訟の競合についての同法二七条六項も文理的に限定して解釈すべきである。

3  不当労働行為の判断は特に専門的又は技術的な事項ではなく、労働委員会による審査制度は行政についての専門的技術的立場から事案処理を行なうために要請される訴願前置とは異なる。

理由

一  当裁判所も控訴人らの本件訴は不適法で却下を免れないものと認めるが、その理由は原判決理由説示と同じであるから、これを引用する。

二  よつて本件控訴を棄却することとし、控訴費用の負担について民事訴訟法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 西岡悌次 富川秀秋 西田美昭)

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